乗馬クラブに行く前はコンビニによって栄養補給をする。
１時間の散歩をして乗馬をすると、スタミナが持たないかもと
いう勝手な考えからいつの間にか習慣になってしまった。
栄養補給はあんパンと、ホットコーヒーのレギュラーサイズ。
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「いらっしゃいませ」。あんパン１個をレジに出したあと、
「コーヒーのレギュラーサイズひとつちょうだい」
するとコンビニのおねえさんが、コーヒーとふたを出して、
「２１９円になります」
コンビニのセルフレジにお金を入れてふたは返して車に戻る。
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あんパンの一口目をパクりとかぶりついて前方を見ると、田舎
の一軒家の前にひとりのおばあちゃんが突っ立っている。
初めて見る光景に、何をしているのだろうとふと思った。
すると一匹のネコが田舎道をのこのこと歩いて来た。黒っぽく
て、しっぽだけ２色のまだら模様で、歩き方からして野良猫で
はなく無警戒の近くにいる飼い猫なのだろう。
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立っているおばあちゃんの近くに、１台の車がやってきた。
車には『さくら○■△デイサービス』と書かれていて、おばあちゃん
を通り過ぎてＵターンをしようとして、向きを変えようとする。すると
おばあちゃんが近づきすぎて車の動きを阻止した。車も、もたもた、
おばあちゃんの動きももたもた、両者とも初めてなのだろう。
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のこのこ歩いて来たネコは、赤と白の三角コーンの前に来ると寝転
んで背中をかき始めた。すると、おばあちゃんを乗せたデイサービ
スの車が近づくと、ネコは茂みにかくれて行き過ぎるのを待った。
再びあらわれたネコは、再び三角コーンで寝転んでじゃれている。
おばあちゃんの人生がかけ足で過ぎていく。
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