Ｕさんぐらいになるとマイ鞍になるので、頭絡だけおいて一旦
馬装をやりかえるようになる。馬装をやりかえながらクリの顔
を見ると、目のまわりなどは汗でびっしょり濡れている。炎天
下の中でサボりながらでもよく頑張ったあかしだ。馬装をやり
かえると、つかさず鐙に足をかけクリに飛び乗った。
・
疲れを取るために少し長めの常歩をして、軽速歩に移行した。
軽速歩はスムーズに出たが巻き乗りの指示を出すと、ストップ
した。この一瞬を逃さずに蹴りをいれると、仕方なしに巻き乗
りにしたがった。左右の軽速歩の後、一旦休憩をあたえた。
・
常歩をしながら「駈歩～」と声をかけ、足扶助を行う。
するとピタリと止まって走ろうとはしない。この反発は折込み
済みだったで、すぐに拍車をかけて蹴ると首を立ち上げて更に
反発を強めた。つかさず２発３発と続けると、たまらずにゆっ
くりではあるが駈歩を始めた。スピードあげさせるために駈歩
のリズムにあわせて、「ポン」と軽く足で蹴ってやる。
それでも満足のスピードではないので拍車を使って「ポン」。
リズムにあわせて拍車で続けると、蹴るタイミングにあわせて
「ヒィ～」と声を出しながら気合いが入ってきた。
・
蹴りの強さでは、Ｕさんより私の方が２倍以上はあるので私に
逆らうのはやめる方が得策と思ったようだ。しかし今回は馬術
より力でうまくいったとしても、逆らい上手のクリのこと次回
もうまくいくとは限らない。相手は人間より１０倍大きい馬、
クリとの知恵比べは当面続きそうだ。
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