騎乗すると腹帯を締め直して常歩からスタートを始めた。
常歩は滞りなく進み、軽速歩に進む。ここら当たりからクリの
本領が出始める。ゆったりとしたスピードしか出さないので、
腹を少しずつ蹴飛ばすと、足の扶助が少しずつ効いてきたのか
スピードが増してきた。
・
軽速歩の続きは駈歩となり、足の扶助を出すがなかなか駈歩を
せずに軽速歩になる。拍車で蹴ると、今度はそれに反発をして
ストップして動くことをやめた。これは完全な職場放棄だ。
もうこうなったら私が勝つか、クリ勝つか根比べになる。
・
複合扶助を色々使うと、ようやくクリは駈歩を始めだした。
しかし馬場を１週して出口にかかると勝手に止まってしまう。
早く終わって、自分の厩舎に帰りたいとの意志表示だ。対策と
して、入口の手前当たりからムチを入れて気を抜かせないよう
にすると入口で止まることなく走り抜けるようになった。
きかん坊のクリに手を焼きすぎで、くたくたになった。
・
スピードもそこそこに出だしたので、そのまま維持しようと足
の扶助を続けていると口の中に何かが飛び込んできた。
なにやら１センチ前後の虫らしい。すぐ吐き出せばいいのだが
すでにのど近くまで入ったので吐き出せない。かといって駈歩
を止めて出すわけにはいかないので、そのまま虫をゴクン。
カエルが虫を食べるとこうなるのかと納得した。
きかん坊クリ対策として、次回からは駈歩の前に移行をたくさ
ん出して騎乗者に集中させるようにしてみよう。
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