「アースどうした。さっ行くよ」と声を掛けた。
しかし、全く動く気配がないので手綱を引っ張った。
それでも頑として動く出す様子がないので強めに引っ張ったが
、全くダメ。ここまで反抗するアースは今まで見たことがなか
った。仕方がないので、後ろに回り斜めからお尻を押した。
・
するとアースは、横にいるオス馬のアポロに近づいた。
アースが近づくと、アポロもアースに寄ってきて鼻と鼻をお互
いピタリとくっつけて「クンクン・・」まるで恋人のように。
「アース早く行くよ」とまた手綱を引っ張ったが、動かない。
後ろに回って押すと、又アポロに近づいて「クンクン・」。
今度は横に足を動かして、その反動で前進させてようやく足洗
い場まで連れて行くことが出来た。
・
馬装をすませて、何とか馬場に向かうがいつもと様子が違う。
アースの腹帯を締め直して、鞍にまたがったが鐙が短すぎたの
で鐙を長くしていると「ヒヒ～ン」と甲高い声で鳴いた。
今までアースが鳴いたことがなかったのでびっくりした。
鐙を長くするとき、かかとについている拍車がおなかに当たっ
てそれが痛くって鳴いたようだ。でも今まで鳴いたことがなか
ったのになぜだろう。
・
アポロの前で突然止まってアポロと鼻をくっつけ合ったり、
拍車に過敏に反応して「ヒヒ～ン」と鳴き声を上げたりしたの
は、アースはメス馬で春から始まる女の子しかない特有のもの
が原因したからだった。こんな時はあまり刺激を与えないよう
にしなくっちゃ～いけないのかな。
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