岩国乗馬クラブには小学生たちも数人いる。
昨年小学６年生の男子のＨくんが乗馬クラブに入ってきた。
Ｈ君は小柄なので馬装したり、馬に騎乗するのなかなか大変だ
ろうなと思っていた。案の定、馬が動かないのでＨ君は蹴っ飛
ばすが言うことを効きそうになかった。
・
あれから１年ぶりぐらいに、Ｈ君に会うことが出来た。
相変わらず小柄に変わりないが、馬装をする姿は１年前とは見
違えるほど落ち着いてのＨ君とは最初わからなかった。
馬装しているのは小柄なメス馬リリーで、Ｈ君は精一杯手を伸
ばして鞍をのせた。そしてリリーとの間の狭いところを歩いて
いると、リリーのおどろく光景を見た。
・
何とリリーは首を９０度に曲げ、狭いところを歩くＨ君を面白
がって鼻でポンと押したのだ。一瞬よろめいたが、Ｈ君は全く
動じることなく次の工程の腹帯を締めにかかった。
馬装が終わってリリーを馬場に連れ出して鞍にまたがった。
・
常歩から軽速歩に移行すると、リリーはのんびりとしか動かな
い。Ｈ君が足で蹴るがまったく効き目がないので、私は見かね
て「Ｈ君、ムチ」と叫んだ。すると幾分スピードを増した。
よどみなく時が過ぎいよいよ駈歩をすることになった。さすが
に駈歩は無理だろうなと思ったがＨ君の指示で、何とリリーは
駈歩を始めたのだ。一瞬目を疑ったが間違いなくリリーはＨ君
のせ走っている。１年の間にいろんな苦難もあっただろうが、
Ｈ君がこんなに成長した姿に感動しました。
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