「赤毛のアン」の作者で知られるルーシー・モンゴメリは、別の作品の中で
「私たちの人生を蝕むのは、大きな悲劇より、日常で頻繁に遭遇する小さな悪意」
という意味のことを言っていますが、まさにその通り。
前回のブログでは、先輩のマキコさんが毎日のようにミユキさんに対して放つ、ちょっとした無視や、事細かな批判の数々が、彼女を憂鬱にさせ、気分を滅入らせる、というお話をさせて頂きました。
先輩にチクチク感じます・・・ | 【世田谷区用賀の算命学鑑定士が占いで解決】~ 辞めるのはちょっと待って!職場で上司、部下、同僚との人間関係に悩む人へ (ameblo.jp)
【誰にでも覚えはあるはず】
こういう経験、誰でも多かれ少なかれ、覚えがあるはずです。
ミユキさんの場合は、職場の先輩と後輩でしたが、必ずしも仕事の場だけとは限りません。
例えば、
・学生時代、同じクラスの〇〇子さんが一緒だと、なぜかいつもの自分ではいられなくて、ちぐはぐな発言をしてしまうことが多かった
・お姑さんに見られていると、監視されているようで、動作がギクシャクしてしまう
あるいは、
・やることなすこと、いちいち指摘してあげつらう、自分の母親がなによりも苦手だ、
などという話はよく聞きますし、当然ご相談も多数あります。
そう、職場や家庭、学校など、人と人との距離が近い環境だと、どこでもあり得ることなのです。
【理想と現実】
職場の同僚も上司もみんなフラットな関係で、仕事について言いたいことを言い合うけれど、批判はしない。
家族みんなが、お互いを暖かい目で見守り、でも肉親だからと言って決して踏み込み過ぎず、必要だと思ったら、手を差し伸べる。
心温まるドラマにありそうですが、これが理想ですよね。
でも登場人物みんなが、年齢を問わず大人の人間じゃないと、なかなかこうはいきません。
毎日をこんな風に過ごせたら、ストレスも今の1/10位で済みそうです。本来はこうあるべきでしょうし、世の中に全くあり得ないとは言いません。
とは言うものの、私たちの多くは人間がデキていないなので、ミユキさんのように、「私の努力が足りないのかな?」などと悩みつつ、毎日周りの人とのとのやりとりに、四苦八苦するすることになります。
【ミユキさんとマキコさん】
ではミユキさんのケースを、どう考えたら良いのでしょう?
まずマキコさんも相棒がもしもミユキさんでなかったら、振舞い方が全然違うのでしょうか?
いいえ、こういう人は、基本的に誰であっても、ほぼ変わりません。
立場が上の人であれば別ですが、もしも自分よりも年下や、経験の少ない相手であれば、同じように、威圧的に振舞うでしょう。
実際ミユキさんの職場で、マキコさんの評判は余りよろしくありません。
「なんだっていつもあんなに、偉そうなのかしら? いったい何さま?」
「この間も、マキコさんにいきなり怒られちゃった!いきなりよ、いきなり!」
「今日はマキコさん、休み? やったー!」
などの声が、たまに漏れ聞こえてくることも。
マキコさん、結構な言われ様です。
ミユキさん以外の人に対しても、批判的な対応が多そうですね。
【批判がキホン】
もちろんミユキさんの方も時折ミスはする訳ですから、100%マキコさんが悪い訳ではありません。
ただしマキコさんのような人は相手の良いところよりも、何か誤っている点はないかを、探そうとします。それも、たまたま見つけるのではなく、近寄っていろいろな質問をしてきては、どこかを見つけて批判するのです。
そう言えばミユキさんは、マキコさんのよもやま話の中でも、誰かを褒めているのをほとんど聞いたことがありません。ほぼ自分自身の話題か、あるいは誰かの批評です。
【エネルギーの移動】
そうするとミユキさんのように批判された人は、どうなるでしょう?
一緒にいると居心地が悪くなり、「自分の言動が間違っているのでは?」と不安になります。
そして批判してくる相手の眼からなるべく逃れようとするのですが、その時には既にいつもの自分ではない気がして、普段ちゃんと出来ることも、なぜかうまくできません。
こういう経験、誰でもあるのではないでしょうか。
どうしてこうなるのかと言うと、批判する人は、相手に自分を失わせることによって、その人のエネルギーを吸い取ってしまうからです。
そう、ミユキさんは批判的なマキコさんの前ではエネルギーを奪い取られてしまうので、いつも失敗が多いのです。
ただしマキコさんのような人は、邪悪な気持ちで意図的に「エネルギーを吸い取ってやるぞ!」と思って、近寄って来ている訳ではありません。ほとんど無意識の行動なので、余計に始末が悪いのです。
【原因となっているもの】
なぜこうなるのでしょうか。
一言で言えばその人が育ってきた過程で、欠落したものがあったからです。
多くは親の注意が自分ではなく、他の兄弟に行ってしまったとか、周りの大人が忙しい生活を送っていて、子ども時代にあまり気に留めてもらえなかった、あるいはとても良い子だったので、親が安心してその子に注意を払わなかった、また親自身が何か問題を抱えていて、子どもに親らしい気持ちを持てなかった、などです。
これらは子どもの頃から長い時間を掛けて作られた、「半ば無意識のクセ」なので、そう簡単には軌道修正できません。他人のエネルギーを吸い取ることで、一時的には満足しますが、長くは続かないのです。
【占いの結果】
ここまでわかると、とりあえずはミユキさんのように「自分ばかりが悪い訳ではないんだわ!」とわかって、肩の荷が下りた気がするのではないでしょうか?
実際にミユキさんとマキコさんを占ってみると、マキコさんの言動は仕事のためなんかじゃなく、自分自身のエネルギー確保のために、批判的に振舞っているに過ぎない、と出ました。
こうして背景を知るだけでも、問題はかなりの部分が解決します。
占いも、その他の相談も、まず事実を知ることが何よりの対策です。
それを自分で気付けて納得できて、気持ちが晴れるならば、それでOK!
でも確信が持てなければ、クールに判断してくれる誰かに、相談してみることです。自己批判ばかりしていると、どんどん気持ちが下がって来てしまいます。
何となく批判がましい態度 ⇒ 自分を失って、ミスする ⇒ 厳しく非難される ⇒ 落ち込んでまた失敗する
これでは、負のループになってしまいますからね!
【理解すること≒赦すこと】
ちなみにミユキさんへのアドバイスは、「マキコさんに対してはひたすら寛大に、愛情深い気持ちで接しなさい。いずれ、空威張りだとわかるでしょう。」となりました。
そう言われたからと言って、ミユキさんがマキコさんに対して、「愛情深く」振舞えるかどうかは別ですが、相手を理解することは、許すことでもあります。と言っても、エネルギーを奪われるのを許すのではなく、マキコさんの欠落感からくる言動を理解してあげる、ということです。
もしも誰かに何度もチクチク言われたせいで、自分がダメな人間だと感じ、なぜか失敗ばかりするようになったら、マキコさんのように他人のエネルギーを奪う人ではないかを疑ってみましょう。
ただしその時に、ちょっとは自分の失敗の反省も必要ですよ。