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世日クラブじょーほー局

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月刊ビューポイント2025年2月号の内容は以下のとおり

 

PHOTO GALLERY
 日本遺産[65]

 荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間

 ~北前船寄港地・船主集落―小樽市

◆里程標

 侮られる石破氏の無定見

◆主張・年頭にあたって

 昭和100年、戦後80年の節目に論説主幹・藤橋進

◆世界日報創刊50周年記念 日米姉妹紙対談

 ー信頼失う報道 民主主義の危機ー

 クリストファー・ドーラン(WT社長)×早川俊行(世界日報社社長)

 公正報道で社会の木鐸に/「反共」基盤の姉妹紙関係

孤立無援の尹氏 悪手で墓穴編集委員・上田勇実

「親北派」横暴防げず弾劾自招か

尹氏「弾劾」の深層

 戒厳令に共感広がらず―左派、8ヵ月前から機会窺う

次期大統領選へ駆け引き―壁新聞に「李在明はもっとダメ」

尹氏「弾劾」は民主主義の勝利?

 巧妙な左派扇動に国民錯覚/軍事独裁のトラウマ利用

◆外れた米大統領選の世論調査マーク・ミッチェル・ラムスセン・リポート調査ディレクター

 一貫してトランプ氏リード

 偏るサンプル 結果を調整

  過大評価されたハリス氏支持/有権者 エリート層を嫌う

◆日本共産党問題

港区の政党機関紙庁舎内勧誘―8割が心理的圧力

 都内初の実態調査 「禁止すべき」意見多数

幹部職員9割「赤旗」を「仕方なく」購読―栃木県壬生町

 陳情受け全員購読中止

でたらめな共産党の政治資金報告書日本の進む道研究所代表 安東幹

◆ICRF日本委員会講演会

 日本の信教の自由に「懸念」―次期大統領の宗教顧問ポーラ・ホワイト牧師がメッセージ 
◆脅かされる信教の自由

 第7部 世界の中の日本の信教

政治と宗教、結び付く米―トランプ圧勝の背景に

米、宗教弾圧に断固対応へ

「政教分離」の真意は自由擁護―ジェファソンの書簡

国連調査を拒否する日本政府伊宗教社会学者マッシモ・イントロヴィ二エ

「カルト」言説は反宗教

マスコミが無視した棄教強要―悪質・巧妙化した拉致監禁

脱会屋が拉致監禁を”指南”―自由奪う人権蹂躙

立民 公聴会に脱会屋招く―拉致関与で不法認定の宮村氏

解散手続きは国際基準に違反―仏人権弁護士が国連に報告

 エピローグ

反宗教的な世俗主義生む―政教分離への誤解

宗教の価値否定する最高裁

「救い」と社会貢献の調和を-家庭連合の課題

日本人にとって宗教とは?宗教ライター 多田則明

 ―神道をベースに仏教を受容

◆政界の風を読む政治評論家・髙橋利行

 執行猶予付きの窮地―政権の存亡占う浮動票の行方

◆沖縄から沖縄支局・川瀬裕也

少子化で「墓じまい」が急増

  「無縁墓」問題考えるシンポ

県議会、10年ぶりに百条委員会設置

  ワシントン事務所問題 違法状態是正求める警告決議も

◆持論時論(インタビュー)

「荒野に水は湧く」半世紀ぶり復刊越智俊一・アートヴィレッジ代表

  親鸞からキリストへ/21日断食、水垢離の父 キリストの幻と邂逅

◆世日クラブ講演要旨

 「扇動の時代と報道汚染~モリカケ・裏金・旧統一教会報道」

 ―作り出される偽の世論(加藤文宏・著述家

◆赫き群青 いま問い直す太平洋戦史(42)戦略史家 東山恭三

 海軍の戦線拡大症候群(上)

 二正面作戦に固執し戦力分散/サイパンなど後方の守備疎かに

◆文化

 国立西洋美術館で「モネ 睡蓮のとき」特別編集委員・藤橋進

  ”一期一会の風景”を永遠に

 色彩と筆触が奏でる交響曲/表情豊かな水辺の風景

◆内村鑑三を読む

 『基督再臨の説教者』⑨

  多忙を極めた講演活動増子耕一

◆山田寛の国際レーダー

今や世界への脅威 東南アジアのネット組織犯罪

日本の外交・対外関係で今年印象に残ったこと                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

                          (元嘉悦大学教授)

◆メディアウォッチ

新聞>信憑性に疑問の『鉄の暴風』を褒めちぎり 真実に迫ろうとしない朝日増記代司

新聞>総合経済対策に「バラマキ」「規模ありき」と批判の各紙に欠けた視点(床井明男

週刊誌>逆転したメディア利用度 ネット選挙の功罪を論じた現代の緊急対談(岩崎哲

新聞>テロリストの主張に同調するかのようなメディアと政治が生んだ脅迫(増記代司

テレビ>兵庫県知事選挙後も公平性欠き斎藤氏追及に偏った「報道特集」(森田清策

海外>シリアのアサド政権崩壊を「政治的宗派主義の危機」と総括する中東専門家(小川敏

新聞>共産主義と決別し戦後の「朝日の天下」を崩した渡辺恒雄氏と読売増記代司

◆教育

・秋田の学校農園で全人教育

  鹿角市の小中10校など発表展示(伊藤志郎

◆論壇時評

ー国内編ー

「同性婚」の盲点―家族は子育ての仕組み

「夫婦別姓」のリスク―子供の視点欠き分断生む

              (編集委員・森田清策

ー韓国編ー

文学賞受賞で増した渇望感―ノーベル科学省受賞者輩出へ方策

「日本と仲良くした罪」―元外交官の会が弾劾案を批判

              (編集委員・岩崎哲

◆ビューポイント   

トランプ氏再登板で変わる米国

 新たな安保体制構築を/中露の一体化阻止も課題に

   茅原郁生(拓殖大学名誉教授)

ネットに翻弄される若者

 「議論」しないことが問題/聞く力や論点整理の力養成を

   宮城能彦(沖縄大学教授)

米空軍の再建が急務

 兵器は老朽化、戦力も縮小/現状では次の戦争に勝てない

   ジェド・バビン(米コラムニスト・元米国防副次官)

新たな露朝のサイバー協力関係/有事に「あらゆる手段」の支援

   新田容子(仏国立安全保障防衛研究センター上席フェロー)

情報戦で権威主義国に立ち向かえ

 民主国家の良さ宣伝を/政治的手段行使は世界の常識

   西川佳秀(東洋大学名誉教授)

武器生産国に移行するウクライナ

 旧ソ連の軍産複合体復活/西側諸国の軍事技術試験場に

   中澤孝之(日本対外文化協会理事)

プレミア12優勝、台湾の歓喜と悲哀

 国を挙げての応援と祝福/ユニホームに国名を描けず

   浅野和生(平成国際大学教授)

左派勢力のトランプ錯乱症候群/友人関係を終わらせ家族を分断

   ロバート・D・エルドリッヂ(エルドリッヂ研究所代表・政治学博士)

映画「北朝鮮人権映画祭」の2作品

 脱北者が伝える民衆の姿/絶望と解放への道標を描く

   三浦小太郎(評論家)

難しくなった習主席の台湾侵攻

 隠し資産凍結恐れる高官/中国軍内の権力闘争も白熱化

   石平(評論家)

韓国の民主主義を守れ

 尹大統領の弾劾を可決/北が挑発すれば紛争危機も

   ジョセフ・デトラニ(元米朝鮮半島和平担当大使)

医療費適正化キャンペーンの結果/医療供給側に働きかけを

   大泉博子(元衆院議員)

少子化の時代 求められる夫婦関係

 「もの」で貢献、一緒に行動/相手の不満をまず聞くこと

   佐藤晴彦(平成国際大学名誉教授)

韓国の戒厳令発令騒動に思う

 留学時代に2度も体験/閉塞感が漂っていた8年間

   宮塚利雄(宮塚コリア研究所代表)

世界各国に影響力拡大する中国/低姿勢な外交に騙されるな

   ペマ・ギャルポ(拓殖大学国際日本文化研究所教授)

家族と共に過ごす神聖な時間

 娘の遺志継ぐ奨学金制度/逆境乗り越えたバーベロ夫妻

   ダニエル・ホフマン(米コラムニスト)

◆社説

国会代表質問/冷静な企業団体献金の議論を

韓国「非常戒厳」/あまりにも大きい悪手の代償

アサド政権崩壊/一つになり国家の再建目指せ

尹氏弾劾判決/対北連携に遅滞招くな

平和賞授賞式/否定できぬ核抑止力の維持

「同性婚」容認判決/「婚姻」の目的を歪めるな

臨時国会閉幕/政治への信頼回復には程遠い

 

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生き方

 

 稲盛和夫といえば、京セラグループ(連結売上高約2兆円、従業員約8万人<2024年3月期>)の創業者であることもさることながら、電電公社が民営化され、通信自由化の流れの中で、異業種にもかかわらずいち早く第二電電を設立し、今に続くKDDIグループを築き上げた凄腕の名経営者といえる。しかし、それだけにとどまらず、稲盛のもう一つの顔というべきものが、「大和」という僧名の僧侶だということ。なおかつ1985年に200億を私財から拠出し稲盛財団をつくって「京都賞」を創設。先端技術、基礎科学、思想・芸術の各分野でめざましい業績を上げ、多大な貢献を果たした人物を選んで顕彰してもいる。かつて渋沢栄一は、「論語と算盤」を唱え、道徳と企業の利益の両立を求めたが、その私生活においては奔放を極めたようだ。稲盛は自らを律することにいささかの妥協も許さなかったが、その人生観のベースに仏教哲学があった。

 

 稲盛は1997年、65歳にして京セラの社長から会長に退き、得度。出家はしないまでも仏門に入り、短期間ながら、寺での修行も積んだ。その修行の最中、彼が「生涯忘れることのできない体験」と語るエピソードが綴られている。初冬の肌寒い時期、丸めた頭に網代笠を被り、紺木綿の衣、素足にわらじ、のいでたちで家々を回り托鉢をしていた時のこと。当然、尋ねる先の住人は、目の前の人間がよもや天下の京セラの稲盛とは知る由もない。一軒一軒の反応は記してないが、これを「生涯忘れられない体験」だというのだから、それまでさぞかし、完膚なきまでに冷たく追い帰されただろうことは想像に難くない。何せ住人には、京セラの稲盛であろうはずもない、「気味悪い」「うざったい」老僧侶でしかないのだから。

 

 疲れ切った体を引きずり、寺に戻る途中の公園にさしかかったとき、そこを清掃していた作業服姿の年配のご婦人が、片手に箒を持ったまま小走りに向かってきて、そっと五百円玉を稲盛の頭陀袋に入れてくれたのだという。「その瞬間、私はそれまで感じたことのない感動に全身を貫かれ、名状しがたい至福感に満たされた」と。そして稲盛はこれをして「神仏の愛にふれた」と実感したのだそう。

 

 こう聞けば、当世の世情は、「大げさな」とか、「わけねえ。たまたま」とか「思い込みが激しい」とか「マインドコントロールされている」などとこき下ろすこと必定。自分が何をどう感じ、どう解釈するかなどまったくの自由なのだが、同じ体験でもこれを積極的に自身の人生に意味あるものとして生かそうとする者とただの日常としてスルーする者の差を痛感するのは当方だけか。しかし、これこそが、人間のみに与えられた尊い能力だと思うのだが。稲盛はいう「人間の心がより深い、清らかな至福感に満たされるのは、けっしてエゴを満たしたときでなく、利他を満たしたときである」

 

 さて、手元にある本書の奥付には、発行日が、2010年2月5日付で、実に第62刷となっている。オビには、「60万部突破!」とある。それから15年経つので、さらに相当な上乗せがあるだろう。しかし、今、当方の生活圏において、本書の思想が浸透しているという影も片鱗も見えないのはなぜか?60万部+αの稲盛教の信者はいずこ?みんな恥ずかしがり屋で姿を見せない?ひねくれてわざと逆の行動を?ま、その答えも本書の中にある。それは、稲盛が若くして会社を立ち上げたばかりの頃、松下幸之助の講演を聞いたエピソードがそうだろう。

 

 何百人という中小企業の経営者が集った会合で、幸之助は「ダム式経営」の話をしたと。これは、洪水や日照りに備え、ダムによって水量を一定にコントロールするように、経営も景気の良いときこそ悪いときに備えて蓄える余裕のある経営を提唱するものだった。しかし、これを聞いた参加者らが一斉にブーイング。質問に立った一人の男性がそれを代弁して言うには、「ダム式経営ができれば確かに理想。しかし、現実にはそれができない。どうしたらそれができるのか、その方法を教えてくれないことには話にならない」と。これに幸之助が答えていわく、「そんな方法は私も知りませんのや。知りませんけども、ダムをつくろうと思わんとあきまへんなあ」。今度は会場から失笑が漏れたと。ほとんどの人が幸之助のこの答えに失望したと。しかし、稲盛だけは体に電流が走るような大きな衝撃を受けたそう。すなわち、まず、思わなければ始まらない。「思う」ことの重大性に気づかされたという内容。これに倣えば、60万+αの人間が本書を読んではみたが、稲盛のような金持ちや成功者になれるノウハウは何も書いてねえじゃねえかと。インチキ!詐欺!ってか。

 

 言いたくないが、日本人て、人目のつかないところでは、チンケな悪事やみっともない振る舞いを平然とする。特にいい大人がそうだ。シナやコリアを言えた義理か。これではダメだ。彼らに背中を見せて教えてあげるようでないと。商魂ギラギラの計算ずくじゃなくてね!昭和を代表するモーレツ社長の遺訓たる本書のエッセンスはプロローグに尽きている。以下、拳拳服膺のこと。

 

人生の目的は生まれたときより少しでもましな人間になること。美しく崇高な魂をもって死んでいくため

 

労苦とは、おのれの人間性を鍛えるための絶好のチャンス

 

人一倍厳しい生き方をおのれに課し、絶えず自分を律することが不可欠。一生懸命、誠実、まじめ、正直…そうしたシンプルで平易な道徳律や倫理観をしっかり守ること」――これこそが成功者の経験則だ。

 

 

 

 いじめの加害によって退学を余儀なくされ、転校先でも居場所がなく自分自身を見失っていた高校生のジュリアン・アルバンス。自身の経験から人と深く関わらないことがベストだと冷めた表情で語る。見かねた祖母サラは、これまで内に秘めていた壮絶な少女時代をこの孫に語り始める。

 

 時は1942年、サラが両親と住むフランスの片田舎にもナチスの手が伸びようとしていた。町中に「ユダヤ人お断り」の張り紙とともに、ユダヤ人に対するあからさまな差別行為が横行。サラの一家もユダヤ人であり、その風当りに直面していた。一家はひそかに町からの逃亡を計画するも、それより早く、サラが通う学校にユダヤ人の一斉検挙が入る。直前に察知した担任と学校を取り仕切る牧師はユダヤ人の子どもたちを逃がそうとするが、結局捕まってしまう。しかし、ただ一人校内に身を隠して難を逃れていたサラ。そこへ現れたのは、クラスメイトから”トゥルトー”(カニ)とあだ名され、いつもいじめられていたジュリアンだった。彼がそう呼ばれたのは、片足が不自由で松葉杖をつく格好から。

 

 しかし彼はそんな不自由な足をものともせず、サラを手引きし、自宅の納屋まで連れ帰って匿ってくれたのだ。いじめられていた彼をかばうでもなく、ただいつも成り行きを見つめていただけだったサラ。そんなサラをジュリアンは自らの危険を顧みず、助けてくれた。そして、はじめて出会った彼の両親は、サラの両親のことを気に掛け、探してくれるという。ここからサラの納屋での潜伏生活が始まる。納屋に隠れての退屈な生活で唯一の喜びは、ジュリアンとの交流だった。学校で習ったことを教えてくれたり、遊び相手をしてくれた。いつしか、二人の間には友人を超えた愛情が芽生え始める。

 

 やがて、連合軍による戦果がラジオから聞こえ、解放の日も近いとして、二人は未来に希望を託し、お互い愛を誓い合うが、その思いとは裏腹に、過酷な運命を引き寄せるのだった…。

 

 サラは絵心があり、ノートに好きな絵を書き溜めていて、担任の先生にも得意なことを伸ばしなさいとアドバイスを受けていた。このノートがジュリアンとの関係のきっかけともなったが、逆に悲劇をもたらす結果ともなった。ただ、あれから80年後の今、彼女は世界的な画家であり、メトロポリタン美術館で個展を開くまでになっている。先生のアドバイスが生かされたのだ。孫が命の恩人であり、愛を誓い合った彼と同じ名前というのも意味深だ。

 

 本作の舞台はフランスだが、80年前に占領され、ナチスに傾倒する人々の様子を写す。みんなが公然と、疑う余地もなく「反ユダヤ」を掲げた。そんな中、ユダヤ人をかくまい、助けた人たちがいたのだ。これがどれほど難しかったか今では想像もできない。「親切にはどれほどの勇気が必要か。命を危険にさらして人を助ける時、その親切は奇跡に近い」と孫に伝えるサラ。

 

 ただこれが80年前の遠い異国での教訓なのか。われわれは断じてそうではないと高を括れるか。人間なんて進歩しとりゃせん。メディアや世論なるものが一斉に同じことを言い始めたとき、疑ってかかるという気構えなき者は、自分に危害が及ばぬ限り、目いっぱい流されていくであろう。そして、後でこれを突き付けられると、みっともない言い訳をするのが関の山。そんな卑怯者には絶対ならんぞ。

 

 ラストで、自身の個展に集った聴衆にサラは、マルチン・ルーサー・キングの以下の言葉を引き、喝采を受けるが、これは本作のメッセージの核心だろう。

 

 「闇で闇は追い払えない。光だけがそれを成し得る」

 

(監督)マーク・フォースター

(キャスト)

アリエラ・グライザー、オーランド・シュワート、ブライス・ガイザー、ジリアン・アンダーソン、ヘレン・ミレン、パッツィ・フェラン、イシャイ・ゴラン、ジェム・マシューズ、スチュアート・マッカリー、オリビア・ロス、ジョー・ストーン=ヒューイングス