映画「アローン」を観る | 世日クラブじょーほー局

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(新宿シネマカリテのロビーにディスプレイされたフィギュア)

 

 とある砂漠地帯において、地雷を踏んで身動きが取れなくなった米兵スティーブンス軍曹(アーミー・ハマー)。その相棒であるトミーは、やはり地雷を踏み、スティーブンスの目の前で両足が吹っ飛んで、暫くののち果てていた。「息子に愛していると伝えてくれ」と言い残して。

 

 難儀の末、漸く繋がった無線からの司令は、52時間後に救援部隊が駆け付けるまで待てと。加えて不測の事態の場合、埋められた地雷劣化の法則から不発の可能性が7%あると。現実を全く無視した内容に怒りを剥き出しにするスティーブンス。絶対絶命の立場の彼に容赦なく襲いかかる砂漠の猛威。灼熱の太陽、夜の凍える寒さ、猛獣の群れ、砂嵐、そして敵兵…。52時間を踏ん張り通せるのか(踏ん張りきっても助かるとは限らない)。はたまた7%の望みに賭けるのか。そしてこの心身ともの究極の苦痛の先に彼が見たものは…。

 

 本作は実話ではないが、戦場とは往々にしてこういう場面を作り出すのではないか。ことに地雷という非道きわまる兵器の罠に落ちた米兵というシチュエーションにメッセージが詰め込まれていよう。スティーブンスにとって52時間は、1年にも感じられる長さだったが、これは実に圧縮された彼の人生そのものだったといえる。人は自分の命の価値を知る時に大切なものが見えてくる。

 

 「ムーブオン!」(一歩踏み出せ)。突然現れては、身動きできないスティーブンスをからかったり、励ましたりする現地人の男が語りかける言葉だ。この言葉がスティーブンスの人生を切り開くキーポイントとなる。

 

 なにはともあれ、アーミー・ハマーかっけ!!

 

(出演)

アーミー・ハマー、アナベル・ウォーリス、トム・カレン

(監督)ファビオ・レジナーロ、ファビオ・グアリョーネ