映画「インクレディブル ファミリー」を観る | 世日クラブじょーほー局

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 人智を超えた途轍もないパワーを持つスーパーヒーローたち。彼らは誰も心優しく、その能力を悪との戦いに惜しみなく注いでいた。ただ、その戦いには破壊が付き物。とりわけ戦う相手が強大であればあるほど、その代償も大きくなること必定。だが、世情はそれを許さなかった。ヒーローが活躍するメリットより、デメリットの方が大きいと。なおかつメディアのネガティブな報道が拍車を掛けた。以来、「ヒーロー活動」は法律によって禁じられたのだ。

 

 そんなある日、突如、巨大なドリルマシーンが地下から出現し、街を破壊し始めた。Mr.インクレディブル(特殊能力:怪力)ことボブ・パーと、その妻であるイラスティガール(ゴム人間)ことヘレン、そして長女のヴァイオレット(バリア&透明人間)と長男のダッシュ(時速300Kmラン)、それに次男でまだ赤ん坊のジャックジャック(能力∞?)らは知る人ぞ知るスーパーヒーローファミリー。彼らは法律違反であることは百も承知でも市民を守るため…もっともヒーロー活動したくてウズウズしていたのも事実…ス―パースーツをまとって、決死的に戦い、街の壊滅を防いだ。だが、彼らを待っていたのは市民からの非難の声であり、警察の聴取だった。やはり彼らは街にとって厄介者であり、時代遅れの存在だったのか。

 

 だがそこに強力な応援者が現れた。新進気鋭のメディア実業家であるウィンストン・ディヴァーと妹のイヴリンだ。彼らはヒーローが存分に活躍することこそ、市民生活にとって有益で、それを禁じる法律は悪法との考えだった。そしてヒーローへの市民の評価が低いのは、彼らの活躍がちゃんと伝わっていないからだとして、メディア戦略を提唱し、その主役にイラスティガールを指名するのだった。期待が外れたボブはスゴスゴと家庭を守る主夫に。しかしそれはヒーロー活動以上に大変なミッションで、毎日3人の子を相手にもうヘロヘロ。ヘレンは順調にミッションをこなしていくが、やがて仕掛けられた罠に落ちていく。ヘレンはどうなるゥー!!そしてこの家族の運命はいかにィー!?

 

 前作から14年と、これも珍しい。前作「Mr.インクレディブル」のラストシーンは明らかに次回作へのつなぎとなっているからだ。本作冒頭のドリルマシーンの登場と、赤ん坊ヒーロー、ジャックジャックの能力開花が描かれている。だが、ブラッド・バード監督の弁は他意はなく、今が作るべき時だったとそっけない。ストーリーは、はっきり言ってことさら目新しいものではないっていうか手垢にまみれた凡庸そのもの。スーパーヒーローたちもサイボーグ009の焼き直しか。ただ通常、この手の作品であれば、Mr.インクレディブルが頂点にいて、その他の家族は彼を支えるというピラミッド構図を想定しがちだ。しかし本作ではそれぞれ主役のパートがあり、家族が一つになるというテーマをメインストリームにもってくることで、まったく違う感性に仕上げられていて、グイグイ引き込まれた。アニメとは思えない圧巻のアクションシーンも見モノ。日本語吹替版に、ボブ:三浦友和、ヘレン:黒木瞳、ヴァイオレット:綾瀬はるかのキャスティングもグー!!