映画「ネイビーシールズ」を見る | 世日クラブじょーほー局

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 「ネイビーシールズ」(米海軍特殊部隊)は昨年、9・11米同時多発テロ首謀者ビンラディンを暗殺したとされ、その名を轟かせた。
 
 本作は、その世界最強の精鋭部隊による任務遂行の実態を現役シールズ隊員のキャスティングと彼らのヘルメットに付けたカメラによる"隊員なりきり目線"での撮影で、かなりのリアリティと臨場感を実現していた。最初、「あれ、ミッションインポッシブルっぽいな」と思ったのも束の間、やはり俳優と現役隊員とのリアル感の違いは歴然、思わず手に汗握り見入ってしまった。
 
 彼らシールズの水際立った作戦、計算し尽くされた正確無比な動き、一糸乱れぬチームワークなど必見。また最新鋭の武器、機材もさることながら米海軍の軍事機密の塊というオハイオ級原子力潜水艦が、洋上の隊員が乗ったゴムボートを掬い上げるように海中真下から浮上し、そのままゴムボートごと回収、また海中深くに消えていくシーンなど見ごたえ充分でした。

 基本的にドキュメンタリータッチの映画なのですが、企画に、かのトム・クランシーが参加しているということで、「今、そこにある危機」を彷彿とさせる息もつかせぬ迫力のアクションスタントも作品を盛り上げていました。
 
 さて、シールズに限りませんが、アメリカの世界戦略の裏舞台の立役者である彼らは星条旗への誓いの下、死をも厭わない勇気が求められます。劇中、第一子を懐妊中の妻を残して任務に就いたチーム指揮官の大尉は、部下を守るべくとっさにピンが抜かれた手榴弾に自ら覆いかぶさります。「自分」が先立てばとてもできるはずもない行為です。過酷な運命を自ら引き受けた大尉でしたが、ラストシーンで読まれる、まだ見ぬわが子に宛てた叱咤激励の手紙は涙を誘いました。

 シールズ隊員とその家族は、命よりも尊いものを共有し、国家は最上の礼をつくしそれに報いる。米国の世界戦略が必ずしも正しいとは思いませんが、かような瞠目すべき価値観によってアメリカという国家の根幹が成り立っているのだということを痛感させられました。翻ってわが国は…。安逸を貪っていては、真の愛も平和の有難さも理解できますまい。

 この世に生まれてきて、今更ながら自分は何のために生きているのだろう。あるいはこれからどう生くべきだろうか。鑑賞後、自分の人生観さえ見つめ直さずにおかない作品でした。

(出演)
ローク、マイキー、テイヴ、エイジェイ、サニー、ダンカン・スミス、ワイミー、ミラー(シニア)、ロゼリン・サンチェスほか
(監督)マイク・”マウス”・マッコイ