皇統、皇位継承問題、女性宮家問題を考える講演会にぜひご参加を | 世日クラブじょーほー局

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 かつて小泉政権下で、「皇室典範に関する有識者会議」が設置され、皇位継承について、「女性・女系天皇容認、長子優先、女性宮家の創設」などを柱とした報告書が出された。その会議のメンバーは、皇位継承や、皇室の歴史、伝統などの専門家と呼べる人物はおらず、座長の吉川弘之氏(元東大総長)にしてからが、ロボット工学が専門という具合であり、座長代理の園部逸夫氏(元最高裁判事)や岩男壽美子氏(武蔵工大教授)などにいたっては敵意ある人選さえ疑わせた。中には「なぜ自分が選ばれたかわからない」と漏らす者もいたという。こういうメンツにして、この報告書とは、出来レース以外ではなかっただろう。

 この報告書に至るまでに、ジェンダーフリー思想の蔓延化、男女共同参画政策の推進など世論の周到なる宣撫工作の土台の上に、いよいよ真打ち登場としての件の報告書だったろう。これははっきり言って、露骨に皇室廃止を目指す宣言書であって、それが国政のど真ん中で、しかも白昼堂々と(表面上は)議論され、オーソライズされた。

 村山政権以来、政府内部に入り込んだマルキストらの執念と、女性天皇誕生が、郵政民営化の延長線上でしかなかった浅はかな“カイカクナルシスト”小泉首相との合作だったといえる。小泉首相の軽佻浮薄か確信犯的反日ぶりというのは、天皇が執り行う宮中祭祀の中で最も重要な儀式である新嘗祭に参列した際、「暗くて見えないから電気を付けろ」とのたまったことでも明らか。しかし彼らの野望は、当時ご懐妊中だった秋篠宮紀子妃殿下に親王殿下ご誕生という天佑によって潰えた。忘れもしない当時国会審議中に、その報に接した小泉氏はニコリともしなかった。その心中は、「嗚呼カイカクならず、残念無念」だったろうか。

 しかし、またぞろ小泉改革リターンズだ。羽毛田宮内庁長官(当時)が女性宮家創設を「火急の案件」として野田首相に要請し、政府は検討に入っているが、それに伴い、内閣府官房参与に、園部逸夫氏を起用している。園部氏は件の有識者会議の座長代理を務め、著書「皇室法概要」において、

「天皇の退位については、皇室典範第四条が、…天皇の崩御のみとしていることから、認められないと解されている。このことについては、憲法第十三条の<生命・自由および幸福追求権>および同第ニ十ニ条の<職業選択の自由>との関係で問題になりうる。」と書いている。(中川八洋著「小林よしのり『新天皇論』の禍毒」より)

 また共産党系の憲法学者の奥平康弘氏は、雑誌『世界』(04年8月号)で、

 「政治家たちに誘導されて典範第一条を改正して『女帝』容認策を勝ち取ることに成功したと仮定しよう。この策は、天皇制のそもそもの正統性根拠であるところの『万世一系』イデオロギーを内において侵食する因子を含んでいる」と書いた。

 これらのプロトタイプはコミンテルンの32年テーゼで、天皇制打倒が究極目標だった。GHQでさえ躊躇した皇位継承問題に手をつけるなど革命以外の何ものでもない。 

 先日、薨去された三笠宮寛仁親王殿下は、有識者会議当時、雑誌への寄稿で、女性・女系天皇に対し反対の意向を表明された。皇族方は政治発言は控えられる中で、その総意を代弁されたものではなかったか。しかし朝日社説はそれを「発言はもう控えては」などとたしなめた。もう充分だろう。下心はみえみえだ。

 ここにきて、皇統・皇位継承論争にニューカマーの参戦である。谷田川惣著「皇統は万世一系である」(日新報道)だ。といっても、初版は昨年の6月で、当方が知らなかっただけだが。この御仁、肩書きは“ライター”。以前は、さる出版社の編集次長までやられたということだが、天皇や皇室に関して専門的に学ばれた経歴はない。趣味が高じてここまで知識を増やされたということだろうか、恐れ入る。

 本書は、主に当代髄一のプロパガンディスト小林よしのり氏の主張の一々について検証し、論破していくものであるが、その背後にいる古代史の権威や、大学教授などをも向こうに回して、保守主義の立場から冷静沈着かつ理路整然と議論を展開しておられる。むろん谷田川氏のバックに誰かが付いていることはなく、さながら巨人ゴリアテに挑む若きダビデの如し。氏は講演会もこなされるようだが、「ユーチューブ」を見る限りあまり饒舌というわけではなく、お顔から拝察するに、どちらかというとおとなしい性格の方ではないか。しかし事ここにいたっては、止むに止まれず立ち上がったということだろう。その内心に秘められたるものは、水島総氏の推奨文にもあるが、ただただ、天皇陛下と皇室への恋闕の情だろう。

 本書は、皇統が男系で維持されてきたことを明らかにし、女性・女系天皇推進論を論難していくにあたり、まず「まえがき」で、谷田川氏自らの「男系を維持するためにあらゆる方策をとる」という立場を明らかにした上で、小林氏が主張する「いますぐ男系維持を放棄して、女系継承にする」という主張(しかも相当の確度で陛下の大御心もその方向であるかのようにチラつかせる)が、もし大御心と違った場合には、取り返しがつかず、陛下に対してとんでもない仕打ちを行うに等しいとし、

 「念のため女系も容認しておく準備が必要」という立場も排除しないとする。

 もとより陛下のご真意は現時点では誰にもわからないのであり、これは頷けた。また、皇祖神が、アマテラス(女性神)なので、女性・女系天皇で問題ないとの主張に対して、

 「『天壌無窮の神勅』を万世一系で受け継いだのが『過去の歴史の成果』であって、歴代天皇の御意志である」「皇統について、天皇は唯一の当事者である」

などまったく目からウロコでした。皇統・皇位継承問題を理解する上で、良き導き手となりますので、ご一読をお薦めします。

 さて、今回世日クラブに講師としてお招きする八木秀次氏は、男系女系議論の火付け役といえます。有識者会議に参考人として招かれたが、一貫して男系維持の立場の議論をリードし、今般の女性宮家創設問題にも積極的に発言されています。直近のコンフィデンシャルな情報も聞けるはずです。これを機会に天皇、皇室への理解を深めていただきたく存じます。

お申し込み先こちら>>> http://senichi-club.net/info/?p=276 <<<

皇統は万世一系である/日新報道

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