最近、久しぶりに離婚で失敗するケースを目の当たりにしました。数で言えば5,000人に1人の割合と非常に稀なケースです。

 

離婚したい!私の気持ちは絶対に変わらない!話し合いはする気がない!別居したまま5年を経過させ裁判する!

 

知識がある方は分かると思いますが、これでは5年後に離婚ができないのは明らかです。

 

また、離婚したいと一方的に主張しても結婚も離婚も一人の意志では出来ないので、相手方と話し合い合意または話し合いの決裂まで行かなければ裁判所に行っても時間を無駄に経過させるだけなのです。

 

離婚したいならば相手方に離婚を同意させればいいだけなのですが、何故か、このような方の場合は離婚に同意させるのではなく、離婚に同意させないような一方的な主張をしてしまうのです。(本人は気付いていないのですが・・・。)

 

ホームページ記載の通り、調停に6か月、不調で終われば別居2~3年、そこから裁判、または、調停が終わり即裁判をして数年別居してから再度、裁判、少なくても弁護士費用は300万円、2回裁判したら二人で500~560万円程度かかります。

 

5年も無駄な時間と約600万円かける意味はあるのでしょうか?

何故、1か月弱で離婚が確定できるのに5年もかけるのか・・・??

 

一体、何をしたいのか??

 

ただ感情的になって何も見えなくなっているケース(性格の歪みで感情的になり、他者を否定する傾向が強い)もあれば、金銭目的で離婚を引き延ばすケースもあります。

 

子どもがいるケースでは金銭も考えられるのですが、子どもがいないケースで女性側が30歳以下の場合は、自分の人生を無駄にしていることにすら気付いていない場合が多いです。

 

特に30歳半ばなどの場合は、子どもを産むことも考えれば5年も経過させたら40代になり出産のリスクは避けられません。

 

男性の5年と女性の若き頃の5年は比較にならないのです。考え方によっては、離婚する意思がある男性(継続する意思がない)は、一日も早く離婚してあげなければ女性が可愛そうという考え方もあります。

 

ちなみに、50代~70代の場合は、離婚を引き延ばし1円でも多く財産を分与しようと考える方もあります。。。

 

今の時代、調停や裁判をする人も殆どいません、自分たちの財産を無駄に争い弁護士に支払い散財する人もいません。調停や裁判をするというのは、感情的になる性格で客観的に物事を見ることができないと考えられているからです。

また、裁判で離婚すると戸籍謄本に裁判離婚と記述されてしまい、この人と結婚すると危ないかもしれない(この人は冷静に話せない人?)と思われるというのもあります。社会通念上から考えてもそのような不安を抱くと思います。

それぐらい、裁判で離婚するというのは普通ではないのです。

 

 

 

8割以上は30代~50代までの離婚相談なのですが、70代の離婚相談は月に5件、80代は3件程度あります。

 

70~80代の離婚相談者の場合の多くが、40年前の浮気や不貞、これまで何年も喧嘩を繰り返し我慢してきた積年の想いを抱いて相談に訪れます。

 

他8割の方々と同様に全く問題が解決されずに時間だけ流れてしまった点が共通点です。

 

【高齢者離婚にある問題要素】

1.性格の不一致を解決せずに、その場限りの和解をしてきた。(その時だけ謝る、このようにする等のきっかけの対処のみ)

2.不貞や浮気などの異性問題を許すまたは悔しさや不信感を抱きながら時間を経過させてしまった。(根本解決しなかった)

3.子育てや家事などの夫婦協力で成せることに不満を抱きながらも子育てを終えてしまった。(振り返ればただの同居人)
4.口論にならなければいい、離婚さえしなければ円満でなくとも構わないと考えていた。
5.離婚したかったが経済的に困窮するので我慢して暮らしてきた。

上記の理由を述べた上で、全ての人が言うのは”この人と同じ墓に入りたくない” ”せめて人生を終えるときぐらい自由になりたい” ”後悔したまま死にたくない” といいます。

 

そして更に、もっと早く気付けばよかった。人生の時間を無駄にした。と嘆く方が多いです。

 

問題を放置して高齢になると、避けられない現実と無念を抱いて人生を終えることへの恐怖心を抱くのです。

 

もしも、40年前に気付いていたら40年もこんな思いをして生きなくて済んだ。相談を受けていると、この言葉は本当に重いと常々感じます。そして、この現実に気付かぬまま、問題を放置することを選ぶ方々が可愛そうだと感じながら見送ることもあります。

 

 

3月~昨日までの離婚相談の方々、離婚には合意しているが条件面で折り合いがつかないという方々、北は北海道、南は岡山県から約70名、全組、無事に穏便に離婚できました。

 

・調停で話し合ったが不調に終わった方々で当所にお越しになられた方は約3割

 

・弁護士に調停と裁判をすすめられたが離婚後の面会交流も考え穏便に離婚したいと希望してお越しになられた方が6割

 

・裁判まで至って離婚請求が棄却された方・両家で喧嘩になり収集がつかなくなった方・調停と裁判で弁護士費用が支払えないためお越しになられた方々が1割

 

夫婦それぞれプログラムを行い、取り決めに必要な考え方や両者間のわだかまりを解消し、話し合いも無事に終え、公正証書作成も完了し離婚届を提出し受理されました。

 

離婚は争わなくても出来ます。

自己主張を優先させ相手を否定することをやめ、現実だけを見ると解決は早いです。

また、子がいる家庭では、互いの認識を婚姻期間中に共有するのは重要なことです。