挙動の初歩、基礎 | 仙台空手道クラブ志道館のブログ

仙台空手道クラブ志道館のブログ

「仙台いずみ空手サークル」の団体名称で、平成25年1月から平成27年4月まで活動してきました。
平成27年5 月からは団体名称を【仙台空手道クラブ志道館】と改めて、全空連スタイルの空手道を稽古していく団体に生まれ変わり、活動しています。

私のブログでは通常、プロ野球がシーズンオフになってから、空手道の身体技術のことを書いています。しかし今日はそのルーティンをやぶって、空手道の身体操作の根本的なところに触れるようにします。


難しい身体操作を要求しているわけではないです。どうかソコのところを、わかって下さい。難しい身体操作を習得するには、時間も期間もかかります。あるいは生まれつきの運動神経という、その先天的な要素がかなり影響します。

同じ練習量をやっても、ソレをやる全員が、同じ速度で習熟していくわけではありません。難しいことをやるならば、習熟スピードに個人差が生じることは当たり前です。


いっぽう、とても初歩的なルーティン動作について・・・ソレがいつまでたっても身につかないっていう期間が長期間にわたるならば、それは真剣さを疑問視されても仕方ありません。

それは「 できない 」のではなくて、『 やろうとしていない 』のです。真剣にやろうとしていない人に、どれだけの熱量をもって挙動改善稽古に付き合おうとも、事態が前に進んでいくことはありません。


難しい身体操作を習得するには、時間も期間もかかる。最初の頃は、出来ないことが当たり前です。出来ないから、稽古で挙動練習をしているのです。

いっぽう、それなりの経験年数を積んできて、帯色もそれなりになっているのに、この活動ジャンルならば日常的に行なうに近しい初歩動作が身につかないとなれば、、、それは改善への取り組み姿勢の問題です。つまりは自己改善への、ソコに向かっての真剣さの有無というべき問題です。



それなりの帯色になったならば、

真剣に受けとめて、真剣に自己挙動の改善に取り組んでほしい。



当会は、その人にとって困難なことを、無理やりやらせようとする空手道場ではありません。生まれつきのご事情が大きく原因して出来ないことや、その人にとって無理があることは、もう徹底的にやらなくていいです。

いっぽう初歩や基礎という位置づけのものについては、さすがに「 出来ない・・ 」では済まなくなります。厳密にいえば出来なくても問題ないのですけど、その場合は帯色が現状の色で止まります。初歩や基礎について見て見ぬフリをして、帯色ばっかり上げていくのはナンセンスであるからです。





極め。残心。


それらは日本武道における、精神文化の象徴です。一撃必殺。そして誇ることなく、事後に備える姿勢。


極め。

そして、残心。



加撃を【極め】たら・・

極めたほうの手を引き手にして、気合いの発声やや長く伸ばして、その【極め】の姿勢をとりつつ残心する。

【上画像引用】JK  Fan  NEWS様記事


引き手の位置は、わきの下や腰横です。ただ引き手を戻せばいいっていうものではなく、引き手と引き腰を連動させます。

当会は引き手をとる位置を、正中線腹部や正中線胸部であると教えたことはありません。
ただ手腕だけを引いて戻せばよい、、などと教えたこともなく、腰を土台にした軸回転で上半身ごと引き手姿勢になるのだと、ずっと教え続けてきています。

念のためもう一度だけ書きますが、帯色がそれなりに至っていない稽古会員は、この挙動が出来なくてもまったく問題ありません。教わったから、たちどころに出来るようになる・・・っていうことは、あんまりありません。
出来なくても、出来ないことが当たり前です。ソコはまったく問題ありません。



逆突きは、、
腰を低く落としめにしつつ、その腰を土台とした上半身の軸回転で、下半身でつくった力を拳先に伝えていきます。
【上画像引用】JK  Fan  NEWS様記事


上半身が前のめりになり、上半身の体重をおっかぶせて伝えるような突き方(?)を、空手道ではあんまり行ないません。そういう、突くというよりは「 のしかかる 」と表現するのがピッタリくる挙動のことを、少なくとも当会では空手道の技だと表現することはありません。
もちろんボクシングでいうところのフリッカージャブみたいな突き(?)を、当会が推奨したこともありません。



逆突きの相打ちですが・
この2選手ともに、しっかり腰を軸回転させて、【極め】挙動による中段突きをしています。これが突き技です。下半身で発現・つくったチカラを、低めにした腰を土台として、上半身の軸回転で拳先へと伝えていきます。
【上画像引用】JK  Fan  NEWS様記事



でも私には、反省があります。

当会稽古会員へ空手道の身体操作を教えようとするならば、当会の実態をふまえた画像選択をしなければ、技術改善の実効性があがらない。
『 野球だよ、野球~♪ 』が活動コンセプトである当会ですから、プロ野球選手の挙動を事例紹介しなければ、改善の実効性があがらない。

そういう反省にたって、タイガースの主砲・大山 悠輔(おおやま ゆうすけ)選手の打撃シーン画像をアップします。


大山選手ほどの立派な体格があっても、バットを腕力で振っていませんよ。腰を土台にした上半身の軸回転で、下半身で発現・つくったチカラを、バットへと伝えています。
足裏をふんばり、地面から力をもらっています。
【上画像引用】デイリースポーツ様記事

チカラとは、腕力や筋力そのものではありません。チカラとは、身体操作の合理性によって最大化させていくべきものです。
ただ力いっぱい叩けばよい、、っていうものではありません。



下半身で発現・つくったチカラを、低めにした腰を土台として、上半身の軸回転でバットへと伝えていく。足裏で地面を、しっかり踏んばる。
【上画像引用】スポニチアネックス様記事


大山 悠輔選手のような体格に恵まれたパワーヒッターでも、その体格に頼ったバッティングをしていないのです。天才打者といわれる次元に至ったスーパースターでも、やっていることは 【 基本に忠実 】 なバッティング。

当会稽古会員の皆さんは、どうかココのところを、わかって下さい。基本を軽視して自己流に走ってしまったら、もう今以上の上達も昇級昇段もないのです。

空手道の画像では理解しにくくても、プロ野球選手のバッティング画像を使って説明すれば、ほとんどの当会稽古会員は理解できるだろうと思います。だから私は親身になって、プロ野球選手のバッティング画像を探してアップまでしました。

それなりの帯色に至っている稽古会員には、すみやかに挙動改善してほしいのです。だから今日のブログではカープの試合情報をお休みして、心底ていねいに初歩と基礎を説明してきました。

引き手。残心。
そして「正しさ」に近づく努力をする逆突き。

私たちは、公認段級審査会に行っても認めていただける挙動と身体操作を、身につけていかなくてはなりません。
どうかわかってほしい、、と期待しています。




今日のブログはここまでです。
ではまた。