心理カウンセラーの大塚統子です。
恋愛のカウンセリングでは、「手放しませんか?」とご提案させていただくことがあります。
「大好きな人を手放すなんて無理、絶対イヤ!」と思われるかもしれません。
実は、手放すのは彼や彼女ではなく、心のクセというケースも多いのです。
今回は、恋愛がうまくいかない時に手放したい「甘えてはいけない」と思う心のクセについてのお話です。
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●「甘えてはいけない」と思う心のクセ
パートナーに「甘えてはいけない」と思っていませんか?
これは、相手を思いやる気持ちがある優しい人や、自分で何とかしようとしてきた頑張りやさんに多い心のクセです。
相手に甘え過ぎない配慮は、もちろん必要なものです。
しかし、恋愛相手のタイプによっては、逆に「甘えなさすぎ」だと、相手をさびしくさせてしまうようです。
「遠慮しなくていいよ」
「もっと頼ってくれていいのに」
「何かあったら言って」
「信頼してほしい」
などと言われることが多いとしたら。
相手は距離を縮めたいのに、「甘えてはいけない」という遠慮を二人の間に挟んでいるのかもしれません。
「甘えてはいけない」と思う心のクセは、二人が親密になったり、関係性を深めたりするのを妨げてしまうこともあるようです。
●甘えるって?
そこでよく聞かれるのが、「甘えるってどういうこと?」というご質問です。
結論から先に言えば、「甘える」の基準は人それぞれです。
ある人は、迎えに来てもらって、カバンを持ってもらって、全部おごってもらって当然と思うかもしれません。
またある人は、「会えないのがさびしい」と伝えるのを、甘えることと思うかもしれません。
またある人は、困った時に相談するのを「甘える」と思うかもしれません。
何が「甘える」なのかは、その人がどんな環境で、どんなふうに人とかかわってきたかの影響を受けています。
だから、「甘える」の基準は、自分と恋愛相手の間でも違っているのです。
●「甘えない」がすれ違いの原因に
恋愛で「もっと甘えた方がいいですよ」とお話しさせていただくのは、主に2つのケースです。
ひとつは、「甘えてはいけない」と思って、コミュニケーション不足になっている場合です。
普段から「甘えてはいけない」と自分を律している人は、自然と頼もしくなっているのではないでしょうか。
そうすると、どちらかというと人に甘えたいタイプの人が周りに集まりやすかったりもするでしょう。
そして、「自分だったらこんな風に甘えられるの嫌だな」と思ったりする経験も増えるので、ますます「人に甘えないようにしよう」と思いがちです。
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ところが、恋愛相手が「自分は必要とされている」「好きな人の役に立てている」「頼りにされると嬉しい」といった気持ちを強く感じたいタイプの人だった場合はどうでしょう。
「甘えてはいけない」が、「俺たち(私たち)つきあっている意味あるのかな?」と相手に思わせてしまうかもしれないのです。
恋愛相手は「もっと甘えてほしい」と思っているのに、「甘えてはいけない」と相手をあてにしなかったら、気持ちのすれ違いが起きてしまうわけです。
●「甘えない」がコミュニケーション不足に
また、「甘えてはいけない」という心のクセを持つタイプの方は、何かを人に話すことすらも「甘えたら迷惑をかける」と思いやすい傾向があります。
だから、自分一人で「相手はきっとこう思うだろう」「たぶんこうなんじゃないかな」と考え、自己内完結しようとしたりします。
相手への気遣いからなのですが、わからないことを相手に言わないし、聞かないままにしやすいのです。
しかし、人が考えることは同じではありませんよね。
相手とコミュニケーションをして、すり合わせていかないと、ズレが生じます。
その都度「言ってみる」「聞いてみる」のコミュニケーションは、お互いを知りあうために大切なものなのです。
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例えば、
「私は○○してみたいけど、あなたはどう思う?ずっと聞いていいのか迷っていたの。」
「甘えすぎかなと思うんだけど、○○してみたいって思うことがあるんだよね。」
「ちょっと教えてほしいことがあるの。○〇する彼女(彼氏)のことって、あなたは迷惑と思ったりする?」など。
一人であれこれと考えて心配するよりも、どう思うのかを本人に直接聞く方が確実ですよね。
ポイントは、「聞いていいか迷った」とか「甘えすぎかなと思うんだけど」とか「ちょっと教えてほしい」とかの言葉まで、省略せずにコミュニケーションすることです。
迷ったことや、不安でいたことや、あなたに直接聞きたいとためらったことも、全部伝えてみるのをおススメします。
もしかしたら、本当にわかりあうために必要なコミュニケーションは、この部分の方なのかもしれませんから。
●相手に感じさせるもの
恋愛で「もっと甘えた方がいいですよ」とお話しさせていただく、もうひとつのケースは、相手にさみしさや不足感を感じさせている場合です。
良かれと思って甘えないのは、本当に相手に幸せな気持ちを与えているでしょうか。
どう甘えるといいのかは、二人の状況によりますが。
相手が「頼りにしてほしい」と思っているのに、「私は大丈夫だから」と言って、差し出された手を握らずに待たせていないでしょうか。
相手が「あなたを喜ばせたくて」と好意でしてくれたことを、「そんなことしなくていいのに」などと、ソフトな拒絶をしていないでしょうか。
それは、もしかしたら、相手にさみしさや、「自分ではダメなのかな」といった不足感を感じさせているかもしれません。
「あなたが居てくれて良かった」
「あなたのおかげで助かった」
「あなたと一緒だと心強い」
「あなたに愛されて幸せ」
そんな言葉をプレゼントすることもできるのに、「甘えてはいけない」と思う心のクセが邪魔をしていないでしょうか。
●愛せる喜びを与える
ほとんどの方にとって、子供時代にいい子でいることは、親から愛されるために重要なものだったでしょう。
そこで、愛されるためには「甘えない」という心のクセを作りがちなのです。
しかし、大人になって親密な関係を築くには、愛を与え合う循環が大切になってきます。
自分が相手を愛するとともに、相手に愛させる、相手からの愛を受け取るという、対等な「愛の循環」があってこそ、「愛し合っている」という実感につながります。
「甘えてはいけない」が過去に作られた心のクセで、今はもう不要になっているならば。
今、目の前の人と愛し合うために、その「甘えてはいけない」と思う心のクセを手放してみてもいいのかもしれません。
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相手に愛せる喜びを与えるために、「甘えてみてもいい」と自分に許可を出してみませんか。
そして、相手に心の余裕がある時にでも、「ちょっぴり甘えさせてもらってもいいかな」と、かわいくお願いしてみてはいかがでしょうか。
「あなたのおかげで」と感謝するのが、相手を喜ばせることになるのかもしれませんよ。
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