妄想劇場10話

なんか暖かかったり寒かったり
皆さんお体は大丈夫?
あたしは昨日の帰りに風呂よって帰ったー。
温泉&サウナ。安定のおっさんぷり。


はともかく、
前回は大変でしたね。

今回はつなぎ的な回ですが
とうとう彼が何者かわかりますよ!




妄想劇場 NOIR第一話はここ。
初めての方はココから読んでくださいませ




では妄想劇場スタート。








カウンターに空のグラスを置く。

「なぁ最近アイツ見ぃへんけどどないしてん?」

長髪で髭の男が聞いた。


「それがぁ~あの娘最近、店ずっと休んでん」
「連絡もなくって心配してんよぉ。」
厚化粧のママがカウンターの向こうで答える。




男は眉間にシワを寄せて、
胸ポケットから煙草を取り出すと1本咥え、
そのまま火をつけるでもなく無言で考え込んだ。



















「ねぇ、渋谷ん……アンタ警察なんやろ?」

「あの娘探したって~やぁ~。」





男は、渋谷すばる。
こう見えて○○署の刑事。


昼間っから飲み屋街をブラブラして、
目をつぶる代わりに違法な店から
袖の下を貰うようなロクでもない刑事だ。

だが、
ゴロツキから女の娘を助けたりして、
ここいらの店からは信頼されている。






「………………でな、………………やってん」
「聞いとる?」
ママが渋谷の肩を揺すった。



「あ? ああ聞いとるよ。」
渋谷は上の空で返事をすると、





「今日は帰るわ………」
そう言って、カウンターにポケットから出した
しわくちゃの千円札を1枚置いた。


「ちょっとアンタ!全然足りへんで!」
店のママが渋谷の背中に向かって叫ぶ。


「ツケやツケ。」
渋谷は振り返らず言うと、そのまま店を出ていく。








アイツに連絡がつかなくなって、もう2週間や。
店のママもわからん言うてたし………


アイツ何処で何してんねん…


渋谷は咥えたままのタバコに火をつけた。












p.s

渋谷ん刑事さんでした。


で、勿論、この行方不明の女の子が、
安が丸に言ってたあのキャバ嬢で、
そして監禁されて殺された女ですよ。

繫がって行きますヨ。

渋谷ンまだ知りませんこの事を…………

さぁどうなる!?





妄想劇場 NOIR 第九話

今回すこし盛り上がりどころですよ!
前半のクライマックスシーンです。
ぜひご覧くださいませ!


妄想小説 NOIR第一話はココ。
もし良かったら初めての方はココから読んでくださいませ。








妄想劇場前半のクライマックススタート。









これが多分最後のチャンス。





「‥‥‥‥‥‥‥‥………!!!!!」






しかし喉からは、
ヒューヒューと息が漏れるような声しか出なかった。


でも、此処でアイツにやられるわけには行かない。



女には会いたい人がいた。
あの人に安心してもらえるようになりたい………
男なんてちっとも信用していなかったけど、

あの人がアタシの事を本気で心配してくれているのは
分かっていた。



「お前、こんな事続けてたらアカンで。な?」
「何時でも、俺んとこ来ればええねんで。」
粗野で無骨な人だったけど、目が優しかった。



好き………だった。







なのに………此処で…………終わる訳にはいかない!

最後の力を振り、声を出そうとする。



「………………って……た…………す…………て………」


「た…………す………け…………て!!!!!!」
「誰か…………助けて!!!!!!!!!!!!」



大きな声を出して、何度も何度も何度も何度叫ぶ
広い部屋に声が反響して、金属を叩いたような音が響く。
外を通りかかる人が居れば、確実に聞こえるはずだ。


「助けて!変な奴に監禁されてるの!…………誰か!!!!」
力を入れた腕に巻いた包帯から血が滲む。


「助けて!!」
「た…………すけ………て」

限界だった、もう声が出ない。




そう思った時、外から物音がした。
何かを叫びながら、この建物のドアを叩いている。
誰か居る!?もう一度力を込める

「助けて!!!!!閉じ込められてるの!……………」




ガン ガンッ ガン

外からドアを壊そうとする音が響く………


助かる! これであの人の所に行ける!

そう思って涙が出た…………
乾いてひび割れた唇に涙が滲みる。



ガコンッ!
大きな音がして重い扉が開く

ギィィ……………

ドアが開いて女の方に駆け寄る足音

安心感で気が遠くなる…………

良かった

助かる

あの人に………














「残念やなぁ~」








嫌になるほど聞き慣れた声…………


「なぁ~何で、何度もそうやって裏切るん?」
「なぁ~?何で?折角俺が綺麗にしたってんのに………」

女の目が絶望で大きく見開かれる。



その目を見つめる丸山は泣いていた。
手袋をはめた手にいつものナイフを持っている。







「なぁ~何でいつも俺を置いていくん?」

涙をボロボロ流しながら、女の髪を撫でる、
頬を撫で、唇をなぞり、首筋を撫でる。

「なぁ…………なぁ………なんでなん?」


右手に持ったナイフで後から首筋をかき切った。
血飛沫が飛んで女と周りのビニールシートを濡らす。



最後の瞬間女の耳には、

「…………………」

泣きながら誰かを呼ぶ声が聞こえた。



あたし…………じゃない……ち……が…う……

でももう、声は出なかった。













p.s

という訳で、まずは前半のクライマックスシーンでございました。
なんとなく人間関係やなんやかんやが、
少しづつ分かってきましたでしょうか?
とうとう犠牲者出ちゃいましたが………



えーまだまだ続きますー。
よろしくお願いいいたしますね。







妄想劇場NOIR第八話です。
さてさて村上先輩婚約者も気になりますが
こっちの方も気になりますねー。さてさて今回は?


妄想劇場NOIR 第一話はココ。
もし読んでない方ははじめっから読んでねー。



妄想劇場開幕ー。












ガチャッ
カツ カツ カツ………
暗く湿った空間に
2日ぶりに外の空気が流れ込んでくる。



「昨晩は来られんでゴメンなぁ。」
丸山は女の口のガムテープを剥がす。


女は少し目を上げて丸山の顔を見たが、
特に反応はない。
虚ろで死んだような目。


「怒ってんの、それとも寂しかったんか?」


そう言って笑うと、丸山は女の髪を撫で、
埃っぽく絡んだ髪の毛を丁寧に指で解く。
愛情の感じられる優しい手つきだ。




いつもの様に、
コンビニのビニール袋から水と食事を
取り出して口移しで食事を与え、
水で濡らしたハンカチで口の周りと顔を丁寧に拭いた。



「綺麗やで」




目を細めて嬉しそうに微笑みかける。







「じゃあ、始めましょうかぁ?」



そう言うと、小さな小刀を手に女の腕を取った。

刃が女の肌に吸い込まれるように入って、
小さな血の玉が浮かぶ。
そのまま、細い流れになって滴り落ちる。
パタ パタ パタ 軽い音を立てて
ビニールプールに滴り落ちた。

もうすでにプールの底のキャラクターの顔は
乾いてドス黒い血で覆われていた。




女の目は絶望を浮かべてプールの底を見つめている。






丸山も同じ様にプールに滴り落ちる血を見つめて、





「汚れた血」と呟いた…………











ガチャン




丸山は去っていった。
また1日、2日は帰ってこないだろう。


丸山が出ていって10分 20分ほど経っただろうか………
女はだるい体を少し起こして、目を開ける。




そして驚くべき出来事に気がついた、
丸山が、あの男が、
口をガムテープで押さえていかなかったのだ。



ここが何処かは分からないが大きな声を上げれば
誰かが来てくれるかもしれない。
あの訳の分からない男から逃げることが……出来るかもしれない。


ここに連れてこられて1週間、いや2週間?
もう既にどれだけ時間が経ったのか分からないが
絶望の長い長い時間の末に、ようやく訪れたチャンスだった。





女は大きく息を吸い込んで
叫んだ…………











p.s

監禁されている女の人に脱出のチャンスが
到来っすおー。

さー逃げられるのか、逃げたとして丸山の運命は?