妄想劇場 NOIR 第九話

今回すこし盛り上がりどころですよ!
前半のクライマックスシーンです。
ぜひご覧くださいませ!


妄想小説 NOIR第一話はココ。
もし良かったら初めての方はココから読んでくださいませ。








妄想劇場前半のクライマックススタート。









これが多分最後のチャンス。





「‥‥‥‥‥‥‥‥………!!!!!」






しかし喉からは、
ヒューヒューと息が漏れるような声しか出なかった。


でも、此処でアイツにやられるわけには行かない。



女には会いたい人がいた。
あの人に安心してもらえるようになりたい………
男なんてちっとも信用していなかったけど、

あの人がアタシの事を本気で心配してくれているのは
分かっていた。



「お前、こんな事続けてたらアカンで。な?」
「何時でも、俺んとこ来ればええねんで。」
粗野で無骨な人だったけど、目が優しかった。



好き………だった。







なのに………此処で…………終わる訳にはいかない!

最後の力を振り、声を出そうとする。



「………………って……た…………す…………て………」


「た…………す………け…………て!!!!!!」
「誰か…………助けて!!!!!!!!!!!!」



大きな声を出して、何度も何度も何度も何度叫ぶ
広い部屋に声が反響して、金属を叩いたような音が響く。
外を通りかかる人が居れば、確実に聞こえるはずだ。


「助けて!変な奴に監禁されてるの!…………誰か!!!!」
力を入れた腕に巻いた包帯から血が滲む。


「助けて!!」
「た…………すけ………て」

限界だった、もう声が出ない。




そう思った時、外から物音がした。
何かを叫びながら、この建物のドアを叩いている。
誰か居る!?もう一度力を込める

「助けて!!!!!閉じ込められてるの!……………」




ガン ガンッ ガン

外からドアを壊そうとする音が響く………


助かる! これであの人の所に行ける!

そう思って涙が出た…………
乾いてひび割れた唇に涙が滲みる。



ガコンッ!
大きな音がして重い扉が開く

ギィィ……………

ドアが開いて女の方に駆け寄る足音

安心感で気が遠くなる…………

良かった

助かる

あの人に………














「残念やなぁ~」








嫌になるほど聞き慣れた声…………


「なぁ~何で、何度もそうやって裏切るん?」
「なぁ~?何で?折角俺が綺麗にしたってんのに………」

女の目が絶望で大きく見開かれる。



その目を見つめる丸山は泣いていた。
手袋をはめた手にいつものナイフを持っている。







「なぁ~何でいつも俺を置いていくん?」

涙をボロボロ流しながら、女の髪を撫でる、
頬を撫で、唇をなぞり、首筋を撫でる。

「なぁ…………なぁ………なんでなん?」


右手に持ったナイフで後から首筋をかき切った。
血飛沫が飛んで女と周りのビニールシートを濡らす。



最後の瞬間女の耳には、

「…………………」

泣きながら誰かを呼ぶ声が聞こえた。



あたし…………じゃない……ち……が…う……

でももう、声は出なかった。













p.s

という訳で、まずは前半のクライマックスシーンでございました。
なんとなく人間関係やなんやかんやが、
少しづつ分かってきましたでしょうか?
とうとう犠牲者出ちゃいましたが………



えーまだまだ続きますー。
よろしくお願いいいたしますね。