妄想劇場 マレーシア出発特別編











まだ空気が冷たい早朝のプラットホーム。

「はぁっ」冷たい指先を息で温めて、自分の腕と肩をさする。
いつもこの指と、肩をギュッとしてくれた人はここには居ない。



自分で決めたことだった。

あの人から離れて遠くに行こうって。




行き先はマレーシアに決めた。
特にマレーシアに思い入れがあった訳じゃない。

でも、あの人の温もりの無い今は、
寒い国でより寂しくなるから………。


南国特有の暑さと雑踏の中で寂しさを
紛らわせたかった。




成田エクスプレスがホームに入ってくる。


あの電車に乗ったら、もう貴方には会えない。
行き先も何も告げてこなかった。



「さようなら」
小さな声で呟く。

そういえば
「好き」も「愛してる」も「さようなら」も
直接言わなかった。




所詮そういう関係……………そう割り切っていたから。

ううん、割り切っていたはずだった。

一度声に出してしまうと、
どうしようもなくなってしまいそうだったから。

最初で最後の告白
「さようなら‥‥愛していました」
小さな声は、プラットホームに入ってきた
成田エクスプレスにかき消された。





涙をこらえて電車に乗り込む。

窓側の席。


発車のベルが鳴る。







その時…………

窓をバンバンと乱暴に叩く音。

はっとして俯いた顔を上げた。



「○○行くんじゃない!」



動き出す成田エクスプレス。

あの人は必死に追いかけてくる

もう声は聞こえない………



「あ い し て る!!!」



そんな風に口が動いた…………ような気がした。







「私も、愛していました………さようなら」












「ナナナ課長………」












遠ざかっていくホームの端で、滑って転ぶ
小さい、黄色い影が見えた…………










p.s.

皆さんご要望の
ナナナ課長とのLove Storyですた。

いま実際に成田エクスプレスっすー。
行ってきまーっす。

またマレーシアからお届けしま~っす!


妄想劇場東京ライブ特別編   











もう嫌だ!

バンッ!!!
○○は書類を机に叩きつけた。
大きな音がして何人かが振り返って○○を見る。




「○○君イライラしてないでぇ~仕方ないじゃないの、
客先の要望に答えるのが我々の仕事でしょ?
カスタマーサティスファクション、CSだよ。」
ナナナ課長がなだめるように声をかけた。



そりゃあ頭では分かっているけど………
「でも、納期の2日前に仕様変えるとか
   どうかと思いますけどね…………」
○○は口の中でモニョモニョ言う。






「なんか言いましたぁ?」
ナナナ課長の、のんびりした声が余計頭に血を上らせる!




客先の無理な要求で○○所属する企画課のメンバーは
土日返上で仕事に追われていた。

そう、あたしだけじゃない………みんな休日出勤だ。



でも………





「ちょっと頭冷やしてきます」
そう言って○○はコーヒーのベンダーのある
オープンスペースに休憩に立った。



ポケットからスマホを取り出し、
カレンダーを表示して見つめた。
この土日にはハートのマークが付いている。


そう、この土日は丸と温泉旅行に行くはずだった。
二人で初めての旅行、露天風呂付きの客室を予約して
のんびりと過ごす予定だったのに!




「お疲れ様、がんばってや」
朝イチで丸から来たそっけないLINE。
温泉旅行ドタキャンだったし………怒ってるのかな?




ふう‥‥‥○○は、ため息をついた……



その時
手の中のスマホが鳴った、丸からの着信だ。
慌てて電話に出る。



○○「もしもし」

丸「今仕事中やった?ごめんなぁ」

○○「ううん、今休憩してコーヒー飲もうと思ってたとこ。
     こっちこそ、旅行ごめんね。」

丸「うん、ええねん。本当は残念だったけど‥‥‥」

 「そうそう、コーヒーまだ飲んでないよね?」

○○「うん、まだだけどなんで?」

丸「良かったぁ。少しだけ、会社の玄関っとこまで出てこられへん?」

○○「う、うん」





○○は慌てて会社の玄関まで、階段を駆け下りる。

丸が玄関の前で手を降っていた。





○○「どうしたの!!もうこんな遅い時間だし!」

丸「俺さ、○○の仕事ん事は何も出来へんし、
  なんか○○応援できる事ないかな?って考えてん。」



○○「うん」




丸「でさ‥‥‥‥」

















丸「粕汁作ってん! 暖かいで?
   これ食って頑張ってや?」



○○は、そんな丸の優しさがうれしくて涙が出そうになる。

保温ジャーを開けると湯気が立ち上った。

大きな野菜とお肉がゴロッと転がり出て、
頑張って作ってくれたんだと思う。



丸「美味しい?」



○○「美味しい!温まるね」
○○は少し涙声答えた。





丸「本当は、ギュッとして温めてあげたいんやで?」




丸はそう言って、
 突然○○を抱きしめた。





丸「来週は、一緒に温泉で温まろうな?」











p.s.

粕汁で妄想しました。
だってーしちゃうよね!
わたしの為に丸が粕汁作ってくれるっていうね!


ナナナ課長も出てきました!
安くんも部署にいたのかなぁー。
ええわぁ。


妄想劇場 第11話

渋谷やん刑事でしたねー意外でしたねー。(笑)

でも少し横道にそれて、
今日から、もうひとつの事件が起こり始めますお。

てなワケで始まりますぅ。



妄想劇場 NOIR第一話はこちらから 
初めての方は良かったらここから読んでね




ではぁ妄想劇場スタートです!














握ったボールペンで机をトントンと神経質に叩く。

「何イライラしてんのや?」

村上が肩越しに声をかけた。






丸山は瞬間的に笑顔を作ると

「ちょっと寝不足なんですわぁ~」
と、振り返りながら頭をかく。



村上はポンと丸山の肩を叩いて笑うと
「夜遊びもええ加減にせえよ。」
と笑って言った。








イケナイ………ついついあの女のことを思い出してしまう。
折角綺麗にしたったのに……また裏切られた。
また…………しなくては………
昨晩は、あれから処理に時間がかかってしまったから、
寝不足なのは嘘ではなかった。




でも、今は何より村上の婚約者の竹本佳恵の事だ。
このまま放っておくつもりは無かった。



ちゃんと罪滅ぼしをして貰わな‥‥‥‥‥。



丸山は人間関係に希薄で興味がなかったが、
何かと世話を焼いてくれる村上の事は気に入っている。
その村上を裏切った事が許せなかった。



効率的で、有効で、
村上にも喜んでもらえるような…方法を…………。










「こんばんはぁ~
こんなとこに呼び出してすんませんねぇ。」
倉庫街の暗闇に丸山の声が響いた。


「おい!どこにおるん!
   隠れんで出てこいやぁ!」
男が声を荒らげる、
佳恵とマンションの前でキスをしていた男だ。


「そんなん、怯えんでも大丈夫です、
アナタには1つ、やって欲しい事があるだけですから。」

カチッと音がして倉庫のライトが一個だけ点灯する。
男がビクッと体を震わした。

照らし出されたコンクリート剥き出しの床に、
黒いスーツケースが1つ置いてあった。



「何なん!?」

「開けてみて下さい。」



男がスーツケースを開けると
中には写真と書類、小さな箱が入っていた。

佳恵とのキス写真をはじめ、いろんな女とホテルや部屋に入っていく写真。
そして多額の借金の借用書だった。





「クッソ、どうやって調べたんや!」
男は尖った革靴の先でトランクを蹴り上げた。
写真が床にバラまかれる。


「ヤケになるんはあきませんねぇ、
アナタを助けて差し上げよう思ってるんですよ?」

「なんやて?」

「闇賭博で作った多額の借金、チャラにしましょか?って話です。」






「1つ簡単なお仕事をして頂くだけで、
       全額私が返済して差し上げます。」






「そんなん、信じられるわけあらへんやろ!」

「トランクの一番下見てくれますかぁ。茶色い封筒見えますぅ?」

男は、封筒を手に取り中を覗いた。
札束が3束入っている。
驚いた顔できょろきょろと周りを見回し

「なんなん」と呟く。



「300万‥‥‥手付としては充分……ですよね?」





「残りは仕事が首尾よく行ったら差し上げます。」












p.s


妄想劇場第七話
話がわからなくなっちゃった方は
7話を読むとわかるかも。


追記
ちょっとわかりやすくしときましたー。
すんませんー



またまたなんか悪いこと考えているみたいですー。
佳恵ちゃん狙われてんのか?村上先輩の婚約者大丈夫~?

そして何をしようとしているのでしょうか~?

新たな事件の幕が開きまする!


この丸山は昨日の粕汁丸ちゃんとちゃうからねー。




安君嬉しそう!

今夜はストロベリーナイトやぁ~!
刑事の丸ちゃんやぁ~!
湯田くんやぁ~!ワッショーイ!