映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2020年2月10日(月)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、18:30~鑑賞。

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

作品データ
英題 In This Corner (and Other Corners) of the World
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東京テアトル 
上映時間 168分


こうの史代の同名漫画を長編アニメ映画化しロングランヒットを記録した『この世界の片隅に』 本ブログ〈March 05, 2017〉 に約30分の新たなシーンを追加した別バージョン(長尺版)。主人公すずとリンとの交流、妹すみを案じて過ごす中で迎える昭和20年9月の枕崎台風のシーンなどが追加された。新しい登場人物や、これまでの登場人物の別の側面なども描かれ、すずたちの心の奥底で揺れ動く複雑な想いを紡ぐ。片渕須直が監督を続投し、ボイスキャストも前作同様、主人公すずをのん、すずの夫・周作を細谷佳正、周作の姪・晴美を稲葉菜月、周作の姉・径子を尾身美詞、すずの旧友・哲を小野大輔、すずの妹・すみを潘めぐみ、すずと仲良くなる女性リンを岩井七世がそれぞれ担当。

ストーリー
18歳で広島から呉の北條家に嫁いだすず(声:のん)は、夫・周作(声:細谷佳正)とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が次第に悪化し、配給物資が減り、人々の生活は困難を極めるが、彼女は何とか知恵を絞って工夫を重ね、日々の暮らしを紡いでいく。ある日、すずは迷い込んだ遊郭でリン(岩井七世)と出会う。そして、境遇は異なるが、嫁いで来て初めて知り合った同世代の彼女に心を通わせていく。やがて、周作とリンとのつながりに気づいてしまうが、それをそっと胸にしまい込むすず…。昭和20年3月、軍港のあった呉は、大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして、昭和20年の夏がやってくる…。

▼予告編



English subtitled trailer