
作品データ :
原題 CATS
製作年 2019年
製作国 イギリス/アメリカ
配給 東宝東和
上映時間 109分

1981年にロンドンで初演され、その後ブロードウェイや日本をはじめ世界中で空前のロングラン・ヒットとなったアンドリュー・ロイド・ウェバー作曲によるミュージカルの金字塔「キャッツ」を、『英国王のスピーチ』『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督が実写映画化。都会の不思議な「ゴミ捨て場」を舞台に、踊りと歌を繰り広げる個性的な猫たちの姿を生き生きと描く。英国ロイヤルバレエ団でプリンシパルを務めるフランチェスカ・ヘイワードが映画初出演にして主演を飾るほか、『ドリームガールズ』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたジェニファー・ハドソン、10度のグラミー賞受賞を誇るテイラー・スウィフト、『007』シリーズのジュディ・デンチら豪華キャストが共演する。
ストーリー :
ロンドンの片隅にあるゴミ捨て場に迷い込んだ白猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)。若く臆病な彼女はそこで、人間に飼いならされることを拒み自由に生きる、猫たちの集団“ジェリクルキャッツ(Jellicle cats)”に出会う。ぐうたらな猫、 ワイルドな猫、鉄道猫、娼婦猫、手品師の猫、お金持ちでグルメな猫、勇敢な兄貴肌の猫、不思議な力を持つ長老猫…。多種多様で個性豊かな猫たちとの出会いを通して、自分らしい生き方を見つけようとするヴィクトリア。そして、満月が輝く今宵は、天井に上って新たな命を生きることを許される、たった一匹の猫が選ばれる特別な夜。一生に一度、一夜だけの特別な「ジェリクル舞踏会(the Jellicle Ball)」の幕が開く…。
▼予告編
▼メイキング映像 :
■私感 :
私は1999年から2000年にかけてニューヨークに長期滞在した(cf. 本ブログ〈November 29, 2016〉)。その際、ブロードウェイ・ミュージカル『キャッツ(Cats)』を2回~1999年10月と2000年4月~鑑賞。
2000年の再見は、日本から来た「お客さん」を案内してのもの。鑑賞後の「お客さん」(女性)いわく、「劇団四季の『キャッツ』何度も観てきたけれど、本場の味を知ってしまうと、それがまるで〈学芸会〉クラスであることが、よく分かったわ」。そう、“生”演奏一つとっても、彼我の差はあまりに大きすぎる。“島国根性”とは言い得て妙、およそ“日本人”たるもの、自らの「世界観」的たたずまいを不断に相対化すべし!
私は本作を観る前から何となく分かっていた。別段素晴らしいわけでもなく、バカバカしいわけでもなく、マアこんなもんだろうな、と。
そもそも映画なるものに、舞台ミュージカルのような、出演者と観客が空間を共有する形での生き生きした人間的なつながりなどは期待しうべくもない。映画『キャッツ』に基本的に問われるべきは、個性的な猫~人面猫or猫人間?~たちがワイワイお祭り気分で歌いまくり踊り狂う“白昼夢”を受け身の観客がどれだけ楽しめるか、である。
私に言わせると、舞台ミュージカルの『キャッツ』は(『ライオン・キング』もそうだが)根本的に「オコチャマ向き」で、ひ弱なストーリーではあっても歌や踊り自体を勝手に想像して一応楽しめる作品だ。この点、私がこれまで鑑賞した他の有名なブロードウェイ・ミュージカル、例えば『オペラ座の怪人』『シカゴ』『美女と野獣』『キャバレー』『王様と私』『レ・ミゼラブル』『屋根の上のバイオリン弾き』の場合は、どうだろうか。そこでは、あくまでも興趣に富むストーリー展開に伴う歌や踊りの劇的シーンが大々的に繰り広げられる。私にとって、それら~とりわけ『キャバレー』~は、能動的に、まさに身を乗り出して無理なく存分に楽しめる作品だ。
映画版を本場のミュージカル版と比較対照したところで、所詮は埒(らち)もない世間話!要は、映画版に接するのなら、どこまでも頭ではなく、心や肌で観てみましょう
それにしても、長老猫のオールドデュトロノミーに扮したジュディ・デンチ(Judi Dench、1934~)、御老体に鞭打っての演技ぶりは、いかがなものか!?彼女がいかに名優であるか~『007』シリーズ(3代目「M」役)はもとより、『Queen Victoria 至上の恋』(1997年)、『恋におちたシェイクスピア』(1998年)、『アイリス』(2001年)、『ヘンダーソン夫人の贈り物』(2005年)、『あるスキャンダルの覚え書き』(2006年)など、その確かな演技力&存在感で私の目を奪い続けてきた!~を篤と承知の上で思うのだが、これはミスキャストじゃないのか―。