不安や苦しさが消えないのは「気の持ちよう」ではなく、
未処理の感情が身体反応として残り、影響し続けているから。
それをどう扱えば、心が本来もつ自然な回復プロセスを活かせるかを整理します。
前回までの記事では、
不安や苦しさが「気の持ちよう」や「考え方の問題」ではなく、
身体反応・自律神経・脳の働きとして立ち上がることを整理してきました。
(参考記事 1-10:心が自然に整っていくポイント)
それをふまえて、今回から感情消化メソッドの説明していきます。
初回は、感情消失メソッドの考え方を説明していきます。
考え方は、とてもシンプルです。
- 中断されていた 感情・身体感覚の処理プロセスを再開させ
- そのプロセスが 自然に収束するのを邪魔しない
ただ、それだけです。
メソッドでは「自然に収束せる」ためのいくつかの工夫がされています。
これから数回の記事ででは、
- 感情消化メソッドの考え方
- 未処理感情の特性
- メソッドによる心の改善
- メソッドによるその他の変化
を説明します。
まずは、感情消化メソッドの
心の反応の捉え方を整理しておきましょう。
感情が動くとき、内側ではおおまかに次の流れが起きています。
- トリガー(出来事・考え・記憶)
- 感情・身体感覚の立ち上がり
- それへの反応(抑圧・回避/感じ切る)
感情や身体感覚は、
出来事への気付きや考えをトリガーとして自然に立ち上がります。
そのとき、
無意識に抑えたり、避けたり、考えで上書きすると、
感情の流れは途中で止まり、未処理感情として残ります。
一方で、
その流れを邪魔しなければ、
反応はやがて自然に収束して、
未処理感情は解消されます。
心の性質:
1‑3 未処理感情を生む抑圧と回避
1‑4 感情・身体感覚の処理プロセス【身体心理学】
ネガティブな感情の多くは、
実は未処理感情です。
ですから、ネガティブ感情は全て対象になります。
また、感情は、身体感覚の変化と状況の変化を、
脳が自動で解釈して感情として認識させるので、
未処理感情が作られた時と、今実感している感情は違う場合があります。
このメソッドは、
心身が比較的落ち着いた状態のほうが
進みやすくなります。
このメソッドでは、
身体感覚の変化を観察しますが、
興奮していたり、疲れが強い場合は変化がわかりづらくなるからです。
また、警戒モードでは、
抑圧や回避をしやすくなるためです。
心の性質:
1‑5 気分と自律神経の関係【ポリヴェーガル理論】
― 抑圧・回避を防ぐ ―
感情消化メソッドでは、
次のような姿勢を大切にします。
- 評価しない
- 結果を求めない
- 考えを追わない
- 注意を向け続ける
これらは、
感情を抑圧・回避を防ぐための基本姿勢で、
マインドフルネスが教える、心の姿勢でもあります。
また、脳は、「○○しない」が苦手です。
「○○し始める」に気づいたら、
「身体感覚の変化を観察する」ということに
注意を向けなおすことで、「○○しない」に戻します。
(詳しくは、今後の記事で説明します)
心の性質:
1‑3 未処理感情を生む抑圧と回避
― 感情・身体感覚の処理プロセスを再開させる ―
トリガーとは、
未処理感情を再開させるきっかけです。
- 人の言動
- ふと浮かぶ考え
- 思い出すと嫌な気分になる記憶
など、思い出して感情や身体感覚が動くものが、
トリガーです。
未処理感情は「消えている」のではなく、
処理が途中で止まった状態で残っています。
そのため、
トリガーに意識を向けるだけで、
感情・身体感覚の処理プロセスは再び動き出します。
(詳しくは、今後の記事で説明します)
心の性質:
1‑2 未処理感情の蓄積が生活の質を落とす
― 感情処理を収束させる ―
再開した感情・身体感覚は、
変えようとせず、評価せずに観察します。
評価や考えで邪魔しなければ、処理プロセスが収束まで進み、
未処理感情が解消されます。
再開した感情・身体感覚のうち、
感情としては感じることは少なく、
身体感覚の変化の方が感じられることが多いです。
感情は、身体感覚の変化とそれまでの状況の変化を
脳が自動的に意味付けして解釈して認識されます。
メソッドの中では、考えや意味づけを止める努力をしているので、
感情としての解釈がされづらくなるためです。
(詳しくは、今後の記事で説明します)
心の性質:
1‑4 感情・身体感覚の処理プロセス【身体心理学】
― 複数の未処理感情を消化する―
時間をおいて、同じトリガーに意識を向けると
再び反応がでることは多くあります。
これは未処理感情の消化が進んでいないわけではありません。
ひとつのトリガーに、
複数の未処理の反応が重なっていることも多いからで、別の未処理感情が出てきています。
再び感じ切ることで、未処理感情が減っていきます。
数度繰り返すとトリガーに反応しなくなります。
そのトリガーで再開する未処理感情が無くなったということになります。
― 考えを緩める ―
強い反応が続く場合、
1‑8で説明した考えに強い感情が密着している状態で、その考えの影響力が強くなっています。
その場合は、問い直しで考えを緩めます。
問い直しは、
もとの考えを反対の意味にしたり、主語を変えて、意識を向けて、身体感覚の変化を観察するものです。
これを行うと、考えのリアリティが低下して、影響を受けづらくなります。
(詳しくは、今後の記事で説明します)
心の性質:
1‑8 考えが苦しさを生む仕組み【RFT】
1‑9 ACTから見る「苦しみ」の正体と向き合い方
今後の記事として検討させていただきます。

