アドラー心理学で心を整える

アドラー心理学をヒントに、自分の心の健康や歪みに気づく方法を考えるシリーズです。

 

【目次】

 
勇気がくじけると人生の課題に向きえない」というお話をしました。
 
その人生の課題に向かわないのが、生き方として定着しているのをコンプレックスと呼びます。
コンプレックスは人生の改善の妨げになります。
 
 
「どうせ無理だ」となる課題から逃げる劣等コンプレックスと、「本当の自分は優秀だ!」という妄想で現実をゆがめて理解する優越コンプレックスがあります。
 
コンプレックスは人間関係や人生の問題の原因になったり、不幸感と関係があります。
 
自分の中のコンプレックスに気づき、勇気がくじけていることに気付きましょう。
 
 

 

コンプレックス
 
人生の困難に直面した時に、劣等感や不安に陥いると人はその不快さから逃れようとします。
劣等感や不安からは目標に駆り立てたり、改善や準備が必要なことを知らせる役割があるからです。
勇気が満ちている人は、困難に向き合い建設的に取り組むことでその不快さから逃れようとして、困難な状況や劣等感・不安を成長への原動力として活用できます。
 
勇気がくじけている人は、劣等感や不安から逃れるために、困難から目を背けようとします。
 
「私の家族に問題があったから・・・」と生い立ちのせいにする。
「私は、xxな性格のせいで・・・」と自分の性格のせいにする。
「会社の人が認めてくれないから・・・」と他人のせいにする。
「私は優秀だから、そのうち改善する・・・」と現実から離れて、自分を納得させようとする。
 
どの考え方も、自分が変わったり努力をするようには働きません。
劣等感や不安の不快がある間、これらの考えが何度も頭に浮かんで、困難にしっかり向き合うことを避けます。
 
このような考え方や生き方が定着したものがコンプレックスです。
 
「私には能力や環境が不足しているから、改善できない」といった生き方を劣等コンプレックス、「私は優秀だから、目の前の困難に向き合う必要はない」といった生き方を優越コンプレックスといいます。
 
このような生き方は、劣等感や不安の元になっている人生の課題は改善しませんから、劣等感や不安も解消せず不快な状態が継続することが多くなります。
 
でも、コンプレックスが定着していると、本人には「当たり前」のことに感じられ、なかなか気づけません。
 
病気も言い訳?
アドラーは病気なども、言い訳のためになっていると考えていたようです。困難に向きわなくてよくなる理由として起こしているということです。
もちろん、本人は言い訳で病気になっているとは思っていませんが。
 
例えば、大事な場面の前になると、きまって頭痛や腹痛になる人がいますが、これは「目の前の困難に取り組んで失敗したときに、言い訳にできるために病気を起こしている」と考えられます。
 
この場合は「失敗を受け入れる勇気」を養うことで、改善します。
 
 
ウツや不安症などの精神疾患や、原因不明の体調不良なども言い訳のために起きている場合が多いと考えられます。
 
コンプレックスの目的
 
コンプレックスの生き方は、困難に向きわなくても済むだけではなく、他の目的を含んでいる場合が多くあります。
 
例えば、以下のようなものがあります。
  • 同情など気にかけてもらえる
  • 注目してもらえる
  • 手助けが得られる
  • わがままを通せる
  • 嫌なことを忘れられる

劣等感や不安は本来困難や課題に向き合わせるためのものですが、コンプレックスではそれが別の目的に向いてしまったとも言えます。

 
また、その目的が他者の行動や感情を変えるように働いていることに注目してください。

コンプレックスの強い人と付き合うと疲れるのはこのためで、コンプレックスが強い人からは人が離れていきます。
 
 
コンプレックスに気づく
 
自分のコンプレックスに気づくのは難しいので、苦しさが強い人はカウンセラーを頼るのが良いかもしれません。
 
「カウンセラーに行くほどではないけど、どこか生き苦しさがある」という人は、自分のコンプレックスを探してみましょう。
誰にもコンプレックスはあります。
 
「こうすれば、コンプレックスに気づける!」という簡単な方法はありませんが、以下に気を付けて自分を見つめてみましょう。
 
 
今直面している人生の課題や困難は何ですか?
前向きな気持ちで向き合えていますか?
 
それを解決するための障害に気持ちが向きすぎていませんか?
誰かの助けや同情を求めていませんか?

不満が強い場合、コンプレックスが関係しているかもしれません。
不都合や体調の悪さも、言い訳に使えるならコンプレクスかもしれません。

 
課題や困難の解決を失敗するとどうなりますか?
失敗を強く恐れているなら、課題から目を背けるコンプレックスにつながっているかもしれません。
人からの評価を恐れているなら、他人の評価をコントロールしようとしていませんか?それはコンプレックスです。
 
コンプレックスに気づいたら、「不完全な自分を受け入れる勇気」「失敗を受け入れる勇気」のメンテナンスに注意を向けましょう。