松戸市3月議会に「市立東松戸病院廃止」にむけた議案(2年後に松戸市福祉医療センター東松戸病院と梨香苑を廃止するもの)が上程されました。関根ジローの会派「立憲民主党」や連携する「政策実現フォーラム」は、本議案に反対したものの、賛成多数で廃止が可決されてしまいました。

 

松戸市ではコロナ第5波や第6波において※、救急搬送を受けてくれる病院が見つからず「救急車での長時間の待機」「不搬送」「数時間もかけて市外の病院まで搬送される」等が数多く散見されました。

 

コロナ禍でたびたび医療がひっ迫している中で、公立病院を廃止する本郷谷市長の判断は誤りです。むしろ、コロナ禍においては廃止するのではなく、PCR検査体制の充実や感染者の受け入れを更に積極的に行っていくべきです。

 

関根ジローの仲間市議である戸張ともこ市議が会派「立憲民主党」と「政策実現フォーラム」を代表して、東松戸病院撤退について下記の反対討論を3月議会で行っています。

 

第5波の救急搬送状況はコチラ⇒https://ameblo.jp/sekine-jiro/entry-12727499354.html

 

第6波の救急搬送状況はコチラ⇒https://ameblo.jp/sekine-jiro/entry-12730934073.html

 

↓↓↓

 

立憲民主党の戸張ともこです。

 

只今、健康福祉常任委員長よりご報告のありました、議案第89号「松戸市病院事業の設置等に関する条例等の一部を改正する条例の制定について」、会派「立憲民主党」と「政策実現フォーラム」を代表して、反対の立場で討論を行います。

 

まず、この条例が可決されれば、2年後に「松戸市福祉医療センター東松戸病院と梨香苑」は廃止となるわけですが、そもそも30年前の開設時には、医師会・歯科医師会・薬剤師会・旧市立病院の先生方と、市議会議員・市職員も加わり、約1年半にわたり検討を重ね、承認され、1993年10月「松戸市政50周年の年」に保険・医療・福祉を一体化して、理想的な地域福祉医療を展開していくための「高齢化に備えた施設」として国からの払い下げ価格は50億5200万円余り、改修新築に26億5000万円が投じられ開設されたことは、皆さまご案内の通りです。

 

多くの人と時間をかけて検討され建設された東松戸病院の廃止に関しては、充分な議論がされないのは理不尽です。現状について、昨年の3月議会に経過報告がありましたが、そこでは廃止の方向性は示されませんでした。

 

しかし昨年8月21日、市内2つの病院のうち、許可病床181床の市立東松戸病院が廃止との新聞報道が突如なされ、それまで地域にも議会にも何も知らされていなかったので、誰もが驚き、議会にも市民にも衝撃が走りました。

 

当時の委員会で報道のことを質問しましたら、「誠に遺憾だ。自分たちも知らなかった。」と病院側は答弁しました。そんなことがあるのでしょうか。にわかに信じがたいです。

 

また、廃止の方針がどこで決まったのか、不透明であり政策実現フォーラムDELI議員が開示請求をし、昨年12月議会の一般質問で、執行部は「この8年間くらいの間ずっと会議録を作成していなかった」という、信じられない事実が判明しました。

 

市の最高幹部が集まって市政運営の基本方針や重要施策を決めた議事録が無いなどありえないことです。それならば、東松戸病院の廃止案も撤回できるのではないでしょうか。

 

そもそも、このコロナ禍でたびたび医療がひっ迫している中で、自ら公立病院を廃止すると言うことになれば、反対の声が上がることは容易に想像できたはずです。

 

その後、昨年9月22日に市議会で全員協議会が開催され、東松戸病院は平成5年に国より払い下げを受けており、経年劣化も進み、建物の耐震性にも問題がある。建て替えるには55億円以上の費用が見込まれる。しかし、建て替える積立金はなく、採算的にも黒字転換することは病院の性質上、市立では難しいと説明があり、廃止の方針が初めて示されました。

 

同年11月には合計5回の地域住民説明会が開催され、今年2月3日までホームページ上でパブリックコメントが行われ、寄せられた意見の46.6%は東松戸病院の存続を望むものでした。松戸市はパブリックコメントのご意見46.6%の東松戸病院の存続を望む声を真摯に受け止めていると思えません。また、この間、市民の皆さまとも丁寧な議論がされたとは到底思えません。拙速に結論を急ぐべきではないと考え、今委員会で継続審査を申し入れましたが否決となりました。

 

このコロナ禍において、入院が出来なくなることは、もとより発熱していても受診が出来なくなるなどあってはならない事です。感染して自宅待機という自宅放置されている方が沢山おります。救急搬送されず、亡くなった中学生の方など、松戸市でも起きる可能性は大きいです。

 

千葉県が、平成25年に、2025年問題を見据えて行った推計によると、東葛北部保健医療圏においては、必要病床数に対して、約、2156床の不足とされています。感染拡大時には、たびたび医療がひっ迫している状況で、千葉県は流山市や稲毛市に臨時の医療施設を開設するなどして患者を受けています。また、市内の医療機関には発熱外来の拡充を求めている最中です。

 

そんな中で、自らの公立病院を廃止するなど言語道断であります。

 

民間のPCR検査会場がようやく松戸駅前にも2か所拡充がされました。検査の充実こそ感染予防の一丁目一番地です。東松戸病院では、施設の構造上の制約から、オミクロン株など感染症の強い変異株の陽性者の入院は受け入れることが出来ないとお聞きしました。それであれば、せめてコロナ禍が収束するまでは決定を先延ばしにして、より積極的にPCR検査発熱外来等コロナ対応をしていくべきだと考えます。現状から目をそらし根本的な対策をしないと第7波は激烈悲惨な状況を迎えてしまうと心配です。本気の対策が間に合うか、心配だと警笛を鳴らす医師もおります。

 

最後に跡地問題です。

 

跡地活用が「売却ありき」である姿勢がぬぐえませんでした。近隣住民は、病院存続を望んでいます。私の所にもファックス等いただいています。それならば市が積極的に売却先への交渉を働きかけていくべきだと思います。

 

老朽化による建て替え費用を積み立ててこなかった責任。施設の悪化を先延ばしにした責任は大きいと思います。守るべきは市民の命と暮らしです。

 

今、松戸市が多額の調査費だけ、つぎ込んで実現できるのか確証もない不透明な事業にお金を使うのであれば、多くの命を救う確実性のある事業への投資こそ生きた税金の使い道だと強く指摘して反対討論といたします。