「3秒ルール」というものを聞いたことがありますか?床などに食べ物を落とした時に、3秒、あるいは5秒以内に食べれば不潔ではない、というあの説です。
落とした食べ物を拾って食べる時にちょっと言い訳のような感じで、使ったことのある方も多いのではないでしょうか。実はこの〇秒以内に食べれば大丈夫、という説は日本だけでなくアメリカなど諸外国にもあるということを知っていましたか?
今回はこの3秒ルールの科学的根拠について、医師に解説していただきました。
■ 3秒ルールを検証した実験がある!?
ところで、この説は科学的に根拠のあるものなのでしょうか。実はこのルールを本気で検証したいくつかの実験があります。
それらをまとめると、湿気を含む食べ物(例えばこぼれおちた麺類や果物など)は細菌がつきやすく、ビスケットなどの乾いた食べ物、あるいは糖度の高いジャムや塩気の多い加工肉類などは細菌に汚染されにくいという結果が出ています。
結果に関しては予想通りという感じもありますが、なかなかおもしろい実験ですよね。
■ トイレよりも汚いのはパソコンのキーボード!?
また、床に落とした時間の長さも大切ですが、やはりどこの床に落としたか、も大きな問題となってくるともいわれています。
例えば、カーペット敷きの床に落とした場合は細菌がつきにくく、フローリングの床ではより細菌が落ちた食べ物につきやすいいった素材ごとの差もあります。
また、自宅のある程度掃除の行き届いた床に比べて、いろいろな人が出入りする公共の施設などの床には不安が残りますよね。
さらに、一般に汚いと思われがちなトイレの便座には意外と細菌が少なく、なにかをつまみながら操作をすることも多い電話の受話器やパソコンのキーボードのほうがずっと細菌が多いといったこともいわれています。
もちろん、生肉・生魚を扱うキッチン近くは、食中毒の原因菌が多いですから特に注意が必要ですね。
■ 医師からのアドバイス
このように考えてみると、3秒ルールも非常に奥の深いものです。あまり見境なく落としたものを拾って食べてしまうのも考え物ですが、きれいそうな床にちょっとビスケットなどを落とした程度なら、実はそれほど気にしすぎることもないのかも知れませんね。