私たちの体は、毎日食べるものからできています。
だからこそ何を選んで食べるかが、充実した人生を送るためにとても大切です。毎日の食事記録をもとに管理栄養士監修のアドバイスがもらえるアプリ「あすけん」は、2007年のリリース以来、2023年現在で累計会員数は800万人を超え、ユーザーの食事記録データは45億件を超えています。
そこから見えてきたのが、ダイエットに成功したユーザーの方々は特別な食事制限をすることなく、毎日の食事をうまくコントロールしているということ。
「あすけん」の管理栄養士・道江美貴子氏の著書『結局、これを食べるが勝ち』(ワニブックス)より一部抜粋・編集のうえ、忙しい毎日の中で選ぶ「高カロリー」でも安心なメニューをご紹介します。
出所:『結局、これを食べるが勝ち』より© 東洋経済オンライン
同じ揚げ物でも、調理法によって脂質量に差が出るのを知っていますか?
とくに天ぷらのフワッとした衣は油を吸収しやすく、とってもハイカロリー。中でも、かき揚げは食材重量の40%も油を吸ってしまうので要注意です。
一方のロースカツ定食は、定番の付け合わせのキャベツに含まれる食物繊維がトンカツの脂質の吸収を抑えてくれます。しっかり噛んで食べると、早食いを防ぐのと同時に、ベジファーストの効果も期待できます。またキャベツには、消化を助けるキャベジン(ビタミンU)や、抗酸化作用のあるビタミンCが含まれます。
酸化した揚げ物の油は体に負担なので、ビタミンCは必須。カツにレモン汁を一振りすれば抗酸化作用が増します。さらにカロリーを減らすなら、脂身が少なめのヒレカツ定食を。
出所:『結局、これを食べるが勝ち』より© 東洋経済オンライン
逆に注意したいのが、トンカツソース。大さじ1杯に塩分が1g入っているので、かけすぎに注意。キャベツにかけるドレッシングも塩分や油分を含むので意識して。
家で揚げ物を作る場合は、食材は大きくカットして、衣は控えめにすると油の吸収量を減らすことができます。から揚げは鶏肉を大きいまま揚げて後でカットする、パン粉は生パン粉よりも乾燥パン粉のほうが油の吸収量が少なくなり、カロリーカットできます。
外食チェーンなら、定食屋やそば屋がヘルシーで安心。では、しっかり食べたい日は、牛丼? 親子丼?
鶏肉を使った親子丼なら、比較的脂質が少なくおすすめです。完全栄養食品の卵を一緒に摂れるのも魅力。またキャベツやレタスのサラダをつけたり、味噌汁を野菜たっぷりの豚汁やけんちん汁に変えたりするのも効果的。とはいえ牛丼も一工夫すれば選択肢に。ミニサイズでネギ山盛り&豚汁に変更するなど、糖質減、野菜増を意識してみて。
そばは卵とわかめをトッピングするのが◎。うどん屋さんで天ぷらを頼むなら、鶏肉のかしわ天、エビやイカの天ぷらでたんぱく質をプラスしましょう。
麺チョイスの決め手は「GI値」
出所:『結局、これを食べるが勝ち』より© 東洋経済オンライン
白米よりは麺類のほうがGI(Glycemic Index[グリセミック・インデックス])値は抑えめで中程度ですが、麺の種類や調理法によってもGI値は変わります。食品は消化吸収が早いものほど、GI値が高くなります。
うどんは精製された小麦を使うため、消化吸収がスムーズでGI値は高め。一方、麺の中ではパスタはGI値が低めです。アルデンテにゆでるとGI値が低くなるので、ちょっと固めにゆでてみるとよいでしょう。
ごはんや麺類の主原料となる穀物は、精製されると色が薄くなり、繊維量も少なくなる傾向があるため、白っぽい炭水化物はGI値が高いと覚えておきましょう。そばや玄米など、茶色の食品を選ぶのがコツです。
また冷やし中華は、きゅうりやトマトなどの
野菜や、たんぱく源となるハム、卵など具材が豊富で血糖値が上がりにくく、麺だけより栄養バランスも優れています。
逆に冷やし中華で注意したいのは、タレのチョイス。ごまダレよりも、酢の多い醤油ダレを選びましょう。酢の酢酸には消化を遅らせる作用があり、GI値を下げると言われています。白米より酢飯のGI値が低くなるのも酢の効果です。
では、うどんやそばを食べるなら? かけうどんやざるそばではなく、具を一緒に食べるのが正解。わかめや山菜、きつねなど、食物繊維とたんぱく質が摂れる具入りを選びましょう。
うどん・そばとパスタでも軍配はパスタに上がります。おすすめはビタミンAたっぷりのトマトソース。生クリーム+ベーコンたっぷりのカルボナーラはハイカロリーなので要注意です。
ラーメンなら、つけ麺? 野菜タンメン? 正解は野菜タンメン。卵や筍など具だくさんの酸辣湯麺もおすすめです。つけ麺は、油の汁に麺をつけているようなものなので、超ハイカロリー。
せめて脂身の少ない焼き豚、もやし、ネギ、卵、海苔などトッピングをつけて。カップラーメンは、食物繊維を摂れる乾物のカットわかめを足した商品がおすすめ。焼き豚やサラダも加えるとより◎。
出所:『結局、これを食べるが勝ち』より© 東洋経済オンライン
そこに「たんぱく質」は入ってる?
出所:『結局、これを食べるが勝ち』より© 東洋経済オンライン
一見どれも同じように見えるおにぎり。ですが、具材によって栄養価は異なるので、頻繁に食べるならチョイスは慎重に。
具材選びのポイントは、たんぱく質食材が入っているかどうか。魚介や肉、大豆などおかず系の具材は、たんぱく質も一緒に摂れて、白米だけのおにぎりよりも血糖値の上昇も抑えやすくなります。
とくにおすすめなのが、納豆巻き。大豆を発酵させた納豆には、1パック約8gと肉に匹敵するたんぱく質が。それにもかかわらず脂質が少なく、食物繊維、カルシウム、ビタミン類も豊富です。
そのほか、記憶力や集中力の向上が期待されるレシチン、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボン、悪玉コレステロールを下げる大豆サポニン、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞を招く血栓の予防効果があるナットウキナーゼ酵素など、健康効果を期待できる成分が盛りだくさん。まさに納豆はお宝食材なのです!
外出先で納豆のパックを食べるのは難しいですが、匂いの少ない納豆巻きなら取り入れやすいので活用しましょう。
納豆の納豆菌は乳酸菌と同じように、腸内で善玉菌の働きを助け腸内環境を改善します。朝食に納豆を加えれば、快腸な1日を過ごせそう。
また夜寝ている間は血液の流れが滞りがちになるため、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓予防に有効なナットウキナーゼを摂っておくと、予防につながります。血液ドロドロが気になる場合は、夕食に1パック追加してみましょう。
納豆の薬味も忘れずに。定番であるネギに含まれるアリシンという成分は、納豆のビタミンB1の吸収を高めてくれるので、疲れ気味の時などはネギを多めに入れてみたり、同じ発酵食品のキムチと合わせるのも◎。
そのほかにおすすめなおにぎりの具は鮭。たんぱく質や不足しがちな良質な油オメガ3が補えます。
もち麦タイプのおにぎりも、水溶性食物繊維を補え、噛み応えもあるので少量でも満足感が得られるため、太りにくくおすすめです。
コンビニ弁当はカラフルさで選ぼう
コンビニでお弁当をチョイスするなら、茶色のお弁当? カラフルなお弁当? 正解は、カラフルなお弁当。色味が多いお弁当は、色の濃い野菜など食材自体が多く使われている証拠。食材ごとに持っている栄養は異なるのでいろんな栄養を摂ることができます。
一方、茶色のお弁当は、から揚げや揚げ物などハイカロリーな主菜が多い傾向があります。油が多く、肉メインで野菜少なめ、カロリーも高い傾向があると覚えておきましょう。