美しさが女性ホルモンに左右されるワケ
私たち女性の不調の原因でよくいわれるのが、女性ホルモン。それには自律神経や免疫系が深くかかわっているのです。まずは女性ホルモンについて学んでいきましょう!
好調期と不安定期は、女性ホルモンが鍵に!
女性ホルモンといえば、エストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)。大きく分けるとこの2つがあり、月経を区切りにそれぞれが増減を繰り返して、月経のリズムとなります。
【エストロゲンとは】
子宮や卵巣の働きを高め、妊娠しやすくなるようにするホルモンがエストロゲン。月経後に分泌が高まり、肌にハリと艶が出るため、別名、美のホルモンとも呼ばれています。
エストロゲンには髪の成長を促し、骨を強くし、コレステロールの蓄積を防ぎ、皮下脂肪の産生を抑える働きがあります。さらにこのホルモンはそれだけにとどまらず、気分を明るくしたり、記憶力を維持したりする作用も。
【プロゲステロンとは】
受精卵が着床しやすい状態になるように働きかけ、妊娠したときには胎児と母体を守る大切な動きをするホルモンが、プロゲステロンです。体内の水分を保持したり、食欲を増進させる働きがあるため、分泌が高まる排卵後から体がむくみやすくなったり体重も増加しやすい傾向に。
プロゲステロンには乳腺の発育をうながす作用もあります。月経前に乳房の張りが気になる人も多いはず。イライラしたり、落ち込んだりと、精神的にも不安定になりやすくなる人もいます。
女性ホルモンのリズムをつかむことが大事!
では、女性ホルモンがどこから出ているのか? それは卵巣です。そこにホルモンを出すよう指示しているのが、脳の視床下部になります。ストレスや環境の変化などで脳機能が影響を受けしまうと、ホルモンのコントロールにも影響が。
月経周期が乱れたり、月経が止まったりすることも。それはエストロゲンの分泌を急激に低下させてしまい、不妊の原因や、骨粗鬆症になる可能性も。
女性ホルモンの働きを知って、「好調」と「不安定」な時期のリズムをつかむことが、快適に過ごせる秘訣です。
女性ホルモンは、バランスが重要
では、女性ホルモンだけを意識すれば快調でいられるかというと、そう簡単ではありません。ほかにも自律神経、免疫系とのバランスが重要になってくるのです。
女性ホルモンを含む、3つのバランスが不調改善の鍵
私たちの体にはホメオスタシス(恒常性維持機能)というものがあり、体の状態を常に一定に維持してくれています。このホメオスタシスを維持しているのが、ホルモン(内分泌)系、免疫系、自律神経の3つです。それぞれの役割を知って、体のバランスを整えていきましょう。
【ホルモン(内分泌)系】
女性ホルモンをはじめ、ホルモン分泌をコントロールする器官です。ホルモン分泌の乱れは、自律神経の働きにも影響を与えます。
【免疫系】
体内に侵入してきたウィルスや細菌などの異物を攻撃します。免疫力が低下すると、異物に対して防御ができなくなり、体調を崩すなど、病気を予防できなくなります。
【自律神経】
心臓、血管、胃腸、子宮などをコントロールする場所です。自律神経が乱れると、不調に傾き、婦人科系のトラブルを引き起こすきっかけにもなります。
では、自律神経を乱すのはどのような日常の場面なのでしょうか。
女性ホルモンも影響!? 自律神経を乱す「6つ」の生活習慣と日常シーン
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、どちらかの神経が強く働き過ぎたり、弱まったりすると、各器官に様々な症状があらわれるように。自律神経を乱す日常のシーンを知って、体のバランスを整えていきましょう。
1. 精神的なストレス
2. 肉体的な疲労・睡眠不足
3. 不規則な生活
4. 女性ホルモンの変化
5. 気温の変化
6. 体質や性格からくるもの
自分の意志でコントロールできないのが自律神経。現代人は交感神経が優位に働きがちといいます。規則正しい生活を心がけ、日常でリラックスできる時間を作ることも必要かもしれません。
■Profile
監修:中村 裕恵(なかむら ひろえ)
東京女子医科大学卒業。
勤務医時代より代替医療の研修を行い、2003年統合医療ビレッジ内クリニック院長に就任。2007年10月トータルヒーリングセンターを開設( )。