意味深なタイトルつけましたが…
第1回目はこいつ、【YAMAHA SY99】(1991年発売)。
当時付き合いのあった楽器店から、『かなりお安くできます』と甘い言葉をかけられて、ついつい買ってしまいました。
「衝動買い」というにはいち庶民にはややお高い、当時定価42万円(からかなり値引きして頂きました)。
そういえばこれより数年前、この楽器店さんに【KORG Polysix】を修理見積で預けたら、直後に店舗移転があってそのどさくさで紛失されてしまったことがありました。どこへ行った俺のPolysix。あの『どんな音作りしても内蔵エフェクトの“Ensemble”をかけるとあら不思議ストリングスになる』感じが懐かしい😢
という恨みつらみは置いといて、と。
この【SY99】、YAMAHAが“SYシリーズ”を核としていた頃のフラッグシップ機にあたります。
先駆けて【SY77】という61鍵モデルが発売されてましたが、それにPCM(YAMAHAさん言うところのAWM)の波形を追加、さらに同社のサンプラー【TX16W】の波形を読み込んで音源波形として使用できるという、当時としては画期的な機能を有したシンセでした。
そしてなにより特筆すべきは鍵盤数が76鍵!気になる本体重量は19.6kg(※DX7が14.2kgだったので、それと比して『(筐体サイズの割に)軽い!』と思ってしまう)
『シンセといえば49or61鍵』という当時のスタンダードを凌駕した鍵盤数。それが導入の決め手のひとつでもありました。
これより前の“Xシリーズ”(←わからない方はググってください)の時にあった【DX5】や、YAMAHA100周年記念モデルとして限定100台でリリースされた【DX7Ⅱ Centennial】(某大先輩キーボーディストいわく『アラブ成金仕様』)を彷彿とさせる鍵盤数。思い返せば、これが自身初の76鍵機でもありました(というよりこれ以降導入したシンセのほとんどが76鍵です)。そういう意味では自身のターニングポイントになったシンセでもあります。
音源は【RCM音源】。【Realtime Convolution & Modulation】というよくわからない方式の略称です。ざっくりいうと【AFM(DXシリーズのFM音源を進化させたもの)】と【AWM(他メーカーでいうところのPCM)】を、音色を作るときに色んな組み合わせで使えるんです。
“FM音源”については、かつてDX7(きっとそのうち書きます)で散々いじり倒してきた音源方式。ですがこの【AFM】ではそうやって創出した波形にフィルターがかけられる、と!つまり波形をつくる段階で倍音を出すだけ出しておいて、あとでそれを削ることができるというわけで。DXシリーズの弱点のうちのひとつを見事に補ってきたわけですね。やるなYAMAHA!
機能的な話は、詳しく解説しているサイトが他にも山ほどあるのでそちらを参照して頂くとして(手抜き)。
当時としては内蔵エフェクターのクオリティがとても高く(特にリヴァーブやエキサイターは秀逸)、そして画像にもありますがホイールが3つ(PITCH/MODULATION 1/MODULATION2)あったり、プレイアビリティの高いシンセでした。
(※当時自身は『ピッチベンドっつったらホイールだろ!』派だったこともあり、所有機の左側面パネルは梨地加工が施されていたのにツルツルになってます=親指ベンドの時に側面に手を添えるから)
画像ではいまいちわかりにくいですね💧
自身がそれまでやっていたアマチュアバンドに見切りをつけ、プロ活動に転じる時期に導入した機材でもあるので、そういう意味でとても思い入れが深い楽器です。
音色的には、現在市場にある楽器たちと比べるほどのものではありませんが、この佇まいと存在感は今でも色褪せていません。
色んな現場を一緒に旅したし、某トランポ業者のバイト君のせいで鍵盤折れたりフライトケース 蹴飛ばされたりしましたが、それらもこの愛機の歴史として。
フロントパネルの機種名の上に貼ってある“アイルトン・セナ”のヘルメットシールはまあご愛嬌で。時代を物語ってますね😅
(2024年現在も、ほぼ全戦F1観てますが何か)
真面目な話、【AWM】セクションの波形群はおいといて、【AFM】は今でもじゅうぶん使えます。古の“DXエレピ”に近い音も作れますから。
とにかく出音がいいので、当時の門下生チームのうち2人が真似して買ったりね。当然そのあとはレクチャーしなければなりませんでしたが😅(さらにいえばそのうちの1人については、楽器店から自宅まで運んであげました。面倒見の良い師匠w)
そんなことも含めて、おそらく自身の思い入れの強さとしては、かなり上位にくるシンセです。
余談ですが当然鍵盤は“FS鍵盤”。エレクトーンを習っていたこともあり、『やっぱタッチはFSだよね!』と。このカクンと板バネの反発が抜ける感じがなんとも心地よいです。この頃の他メーカーのシンセといったら(略
そのへんも追々書くことになる…かな。
次回もお楽しみに🎵