キーボーディスト、としての誇り7 | KeyboardだってROCKだぜ

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引き際を見誤った、金髪ロックキーボーディストの日常。

シリーズ(?)7回目。

キーボーディストに限らずですが、単に『弾く』だけなら誰でもできます。練習さえすれば、相応の技術を身につけることができるので。
キーボーディスト=ピアノを習っていた方なら【ハノン】や【バーナム】で基礎練習をされた経験がありますよね。進歩の度合いには個人差がありますが、やればやっただけのものが身につくという成果が必ず出ます。

ですが、“そこまで”じゃありません。問題なのは“そこから”。誤解を恐れずにいえば、『ピアノとキーボードは別物』だからです。『ピアノが上手いから、キーボードも上手い』わけではないし、逆もまたしかり。そこから先は応用力とセンスが問われるところ。あとは上手さの『質』も。

音楽性により左右されるところではありますが、いわゆる“バンドサウンド”や“バンドアンサンブル”におけるキーボードの役割はさまざま。また、昨今流行り(?)のサポートキーボーディストを迎えるバンドがあったとして、キーボードに何を求めているか。
ここ、意外に軽視されていたりもするんですよねー。「白玉だけ弾いてくれればいい」とか。なんだよ、俺たちゃ空間のパテ埋め要員かよ!みたいな。
確かにね、シンセの白玉は最強です。なんたって押さえている間は、停電にならない限り永遠に鳴り続けますから。他の楽器には真似ができない、シンセならではの特徴です…あ、オルガンもでしたね。

ですが“白玉”侮るなかれ、意外に難しいです。ピアノからの転向組の方には特に。離鍵のタイミングがわからなかったり、ピアノにはないテクニックが求められたりもします。
加えて音色づくり。PCM波形のループが目立たない音にしないと、持続させている音が不自然に聞こえます。目立つ音ではホントに目立ちます。わかりにくい表現かも知れませんが音が死んじゃうんですよ。そもそもが不自然なものですし。なので地味なテクニックとして、その持続音の中でも、様々な操作子で表情をつけたり、音作りの段階でディレイを薄く使って目立たなくしたり。

これらが単に『弾く』のとは違う部分です。そしてそれができるかできないかが大きな分かれ目。それができてこそのキーボーディスト(※個人的見解です)。

とはいえもちろん色んなスタイルがあります。ひとくちにキーボーディストといっても、
●ピアノやオルガンを主体に、要所でシンセを導入する。
●ピアノとオルガンだけで勝負。
●シンセサウンドをメインに、そこにピアノやオルガンを絡める。
●モノシンセでリードしか弾かない(さすがにこれはないか・笑)

ざっと思いつくところを列記しましたが、自分はどのスタイルに近いか、あるいはどのスタイルを目指すか、ですね。セッションキーボーディストともなれば、全部そつなくこなせるのが理想的ですが。『そつなく』って言葉はあまり好きじゃありませんけど。
またはバンドならば、かの【TOTO】のように、ツインキーボードで役割分担をするなんてやり方もありますし、そういう現場も少なくありません。

ただ、個性は自分が作るものではなく、自然に培われていくものなので、そこを見誤るとかなり遠回りになります。得意分野を伸ばしていくか、弱点を克服していくかというところも関わってきます。
で、俺ですか?
個人的にはピアノスキルの底上げがここ数年のテーマです。あーもっと上手くなりたい。聴衆がうっとりするような、表情あふれるピアノが弾きたいです(^^;
というわけで、さっきまたトレーニング用の教本をポチッちゃいました。

…まだまだ奥が深いぞ、キーボード!
…積めばいいってもんでもないw