大女と小男文学の金字塔!「パワー系181」続き | 前世が出てきてコンニチハ

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ひょんなことから知った自分の前世との、怪しき格闘記。

さて、前回の日記の続きです。
墨谷渉氏著、第31回すばる文学賞受賞作品のパワー系181。

パワー系181/墨谷 渉

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マンションの一室に構えた181センチ、88キロの巨体を誇るリカがマンションの一室に構えた、パワー系個人クラブなる摩訶不思議なクラブに現れた客の中に、測量男なる者が現れます。

彼の来店の目的は、リカと自分の体を測りそれを数字の記録として残し、対比させること。

よく分かりにくいと思うので、資本の中から彼の測量の記録を一部抜粋。


(身長) リカ 181、6cm 私 168,2cm 対比 13,4cm 

コメント 脚立がないのでイスに乗って測りました

(体重) 88,5kg 57,8kg 30,7kg パワー系過去最重量、かといって体脂肪率は低そう

(足) 26,1cm 24,2cm 1,9cm 幅と厚みも全然違う、これで蹴られたら壊れそう

(腿まわり) 46,9cm 38,7cm 8,2cm 太いし、硬い。膝蹴りとか避けたい。まさに戦慄の膝小僧

(手) 19,0cm 17,1cm 1,9cm ファーストミット並み。厚みがある

(腕まわり) 33,9cm 27,2cm 6,7cm 太い、硬い、ラリアートは避けたい。最終兵器

(肩幅) 43,5cm 41,2cm 2,3cm 肩パッドいらない

(手首) 19,5cm 17,2cm 2,3cm 私の腕時計では入りません

(首まわり) 36,1cm 33,4cm 2,7cm 両手でまわりません

(握力) 53,5kg 39,8kg 13,7kg 笑えない


測量結果の一部抜粋とそのコメントを読んでも、測量男の意図は分からないと思いますが、彼は、リカの体を測量した後、何と4年間付き合ってきた彼女と別れるのです。

以下、再び小説からの一部抜粋。

「じゃあ、どうして別れたの」


そこが、今日のテーマなんですよね、結論から言うと、リカさんの身体に比べたら、彼女への気持ちとか今までの思い出とか、これからの二人の結婚へ向けてのカウントダウンとか、どうでもよくなったんですよ。いやとうとう言ってしまいました。しかし勘違いしないでいただきたい、あなたに告白しているわけではありません。あなたに対して恋愛感情などまったくない。むしろ緊張関係がある。もっと言うと、私は彼女と別れた、というよりは、彼女との恋愛関係、恋愛感情そのものと別れた、と言っていいと思います。うまく言えてないですね、自分でもよくわからないんです。たとえ今あなたに彼氏がいても、全然悲しくはない。奪ってやろうという情熱もないし、場合によってはいてほしい、とさえ思います」

更に分からないっしょ?彼女と別れたというより、彼女との恋愛関係と別れたっていうのは、理解出来ます。結局男女関係の破局って、ここだよな。

「あなたに、場合によっては彼氏がいて欲しいというのは、そういうことなんです。前回、すでに私はあなたを充分測量してあります。それによって判明した私とあなたの身体的な差は、まあ現段階でも充分にリアリティがありますが、私が努力しても埋まらない差と言うものを確認することで、さらに次の段階へ進みます。しかし逆に言うと、この二人の関係で進められる段階というのはそこまでなんです。最終段階へ進むためには、親密な第三者、この場合あなたとなんらかの関係を持っている人間、明確なのはあなたが好意を持っている対象者ですから、交際していなくても関係としては成り立つのですが、まあひとまず定期的に性交渉のある異性としておきましょう。

~一部略~

大きくて強固な身体、同時に性器を誇る彼との性交渉との明確な差が、感情を最終段階にまで導くでしょう」



どうだ、もっと分からなくなってきましでしょー?わっははは(私が書いたんじゃないんだけどね)。
とにかく書物で頭を捻るのが好きな人、自分の価値観をぶっ飛ばしたい人にはオススメの一冊です。

私の夫のオットセイも、丁度リカと同じ身長なので(細かいミリメートルまでは知りません)、私も測量男の真似をして、彼をメジャーで測ってみたかったのです。そうしたら、測量男の心理が少し分かるんじゃないか?と思ったのと、リカがどれくらい大きいのかを実感してみたかったのです。しかしメジャーが見つからないので、まだ測量が出来ていませんかお

人の体を測量することで、一体どんな世界が見えてくるのでしょうか?