一体そんな昔の話、どんな経路で頭の中から出てきたのででしょうか。人間の脳の構造は不思議です。
私は読書感想文とか、この手の税の作文みたいな、自由に書いて良いと言いながらも、こちら側がどんなものを書くかを期待している作文の宿題っていうのがでぇきれぇ。
だってそうでしょ。
好きに書けって言ったって、例えば読書感想文なんかは、戦争はいけないとか動物を愛護しろとかトイレットペーパーは一回30センチまでとか、毎朝ラヂヲ体操しますとか塩分控えめにしますとか、生徒にこういうこと書いて欲しいっていう意図が見え見えなんだもの。
誰も戦争が良いなんて思ってないですよ。でも間接的に押し付けて書かせようってのはどうかと思うね。
戦争なんかアカンねんって書かせれば、生徒が平和主義者になるなんてことはまかり通ってもなーい!
加藤セイウチ、アラフォー世代ですが、今だに反抗期です
![ドクロ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/152.gif)
ま、そんなわけで、「税の作文」もあまり書きたくなかったのです。だけどその学年に全員強制だったので、はてコマタ。
それで父に、こんな宿題あるんだけど、ってことをちょこっと話してみたわけです。
そうしたら父が、
「政治家が外遊などで税金の無駄使いをしてとんでもないから、そういうことを作文に書かなきゃ駄目よ」
とアドバイスをくれました。
さすが我が父!待っていたよ、こういうヒネたネタを。
父のくれたネタを更に露悪的にふざけて書いて、ふてくされた顔で作文を無事提出。
そして後日、そのアホ作文が学校の代表のひとつとして、全国税の作文コンクールに出されることになりました。
友達から聞いた話なのですが、当時私のアホ作文が職員室で話題になったのだそうな。
ある意味そうかも知れません。だって大人(センセー)たちだって源泉徴収されていたんだから、ポリティシャンの税金無駄使いにはコンニャローって内心思っていたはず。
私は父からネタのアドバイスをもらっていたから、センセーたちの大人目線と作文の内容が一致していたのですな。
だけどこちらにはカンニングめいた後ろめたさがあったので、褒められても嬉しくなかったです。
私の作文は話題になったと言っても、満場一致で代表選手の一人に選ばれたわけではありません。
「うーん、作文出してみるか、加藤」
どの先生が言ったのか覚えていないのですが、男の先生が躊躇いながら、アホ作文の投稿を決定。
そりゃあ、躊躇うよね、学校には世間体ってものがあるんだから。
それからどれ程経ったのか、「全国税の作文コンクール」の結果が返ってきました。
一等の金賞に選ばれたのは、なんと同じ学校のM子。
当校の誉れよとばかりに、M子は朝礼で受賞作品を小太りな体を動かさずに読み上げました。
M子の作文の内容は私のとは実に真反対に、税金がいかに効率よく無駄なく社会の役に立っているかを余すところなく書き上げ、あまつさえ我々も将来税金を一円の狂いもなくビシーッと支払わなければなりません。税制バンザイ、キョーイク委員会バンザイ、日教組バンザイ!みたいな内容でした(真面目はM子はもちろん日教組バンザイなんて書いてませんよ)。
結構コムズカシイ内容を、怜悧な文章でまとめ上げてた普通科のM子(私は英語科)。白い頬に張り付いたおかっぱ頭には、まだまだあどけなさが残っていたね。
で、このM子さんですが、何故かぶりっこM子と、私のような違うクラスの人間にまで嫌われていました。
ジュースを飲む時に小指が立ってるって、よくイタズラっ子にそれを真似されていました。
私ももちろんしました。でも実は私、M子が小指立ててる姿を見たこともなければ、M子と個人的に話したこともないので、彼女が本当にぶりっ子だったのか、嫌な奴だったのか知らないのです。
丸顔に埋まった小さな目はつぶらだったし、そんなに性悪な印象はないのだけど、、、。
確かM子は学年一図書室で本を借りていたらしく、「本と私」みたいな作文も朝礼で読み上げていたくらいだから、単純に夢見がちな文学少女だっただけなんじゃないかなぁ。
M子の二つの作文だけで判断するなら、M子はぶりっ子というよりは、
「本当に良い子」
だったような気がします。
良い子過ぎて、一部の大人が喜ぶような行動を取ったから、同い年の子らには「ぶりっ子」と写って、反感を買っていた可能性高しだ、M子。
実はM子は影で援助交際してたとかだったら、セイウチもウキウキワッキーなんだけど、そんな感じもしないなぁ。
ここで日記のタイトルの、何故ぶりっ子は嫌われるのか?に戻りますが、改めて考えると何故なんですか?
目上の人間に点数を稼ごうとする根性が浅ましいということなのか、それによる利点を得ることが悔しいということなのか?
その点M子だったら、私のバカな質問にも、読んでいた本(もちろん純文学。アララギ派とかマントヒヒ派とか派閥に入ってるやつ)を静かに閉じ、たちどころに答えてくれたに違いないのに。
因みに私の税の作文は、参加者全員に与えられる「佳作」でした。
そして記念品として蛍光をペンをいただきました。
皆様の税金で。