本物の師弟問答 | 『自分と家族の健康は、自前で築く』整体カウンセラーのブログ

『これは、Aですか?  Bですか?」

 

 

と後進の者が尋ねるとき、本物の師からは、
大体次のパターンで答えが返ってきます。

 

 


。。。

と、そのパターンを紹介するその前に、

本物の定義をしておきましょう。

 

本物とは、あなたの成長を信じ、
あなたの成長に自らの名誉も地位も力も、

顧みない立場の者のことです。

責任をもって、育てようと覚悟した人のことです。

 

あなたの賞賛を求めたり、あなたにおべっかを使うのは、
教育産業の商売人かもしれないけど、本物ではないのです。

 

さて、そんな本物の師と、後進の者の対話です。

 

 

 

 

『これは、Aですか?  Bですか?』と、師に尋ねる後進の者。
 

師、応えて曰く、

ある者には、
Aに決まっている!」と一喝。

 

別の者には、

Bしかないだろ」と一言。

 

また別の者には、

「こんなことも分からないのか?

どちらでもない。Cぢゃ」と喝破。

 

また別の者には、

。それは私も決めかねている。

 君は、どう思うんだい?」と投げかける。

 

また別の者には、

。君はどうして、そう考えるんだい?

 それぞれ理由を言ってごらん」と。

 

また別の者には、

。(立ち去る)」

 

また別の者には、

。(ニヤリと微笑むだけで、立ち去る)」

 

また別の者には、

「かくかくしかじか」と理由説明を付けて詳述する。

 

また別の者には、

「知らん」とだけ。

 

 

 

本物の師とは、だいたいこんなものです。

このパターンを使います。

使い分けます。

 

 

 

さて、

この師、9枚舌なのでしょうか。

それとも、ただ誤魔化してる詐欺師なのでしょうか。

あなたは、どう思いますか?

 

「早く質問に答えろよ。意地が悪いだけじゃないの?」

「権威主義だから、意に沿わない人には答えないんでしょ?」

と思うかもしれません。

 

これは、答だけを求められる戦後日本の学校制度にハマった人なら、

疑わないし思い込んでいることでしょう。

私も昔はこうリアルに思っていました。

 

しかし、先に書いた通り、師たる者の最大の役割は、

後進の成長への貢献です。

これ以外はないのが、師たる存在です。

 

答などは、師と一緒にいれば、同じ時間を過ごしていれば、

否が応でも分かってきます。

時間の問題です。

だから、大したことではない。

 

しかし、成長だけは、時間の問題ではない。

スイッチが入る、もしくは切り替るなどしないと、

成長は永遠に来ないのです。

 

下手に答を与えてしまうと、「これぞ、最高真理!」と崇めたてまつり

思考停止して、退歩させてしまう。

これこそは、先達として最も避けるべきものですね。

思考停止人間の製造だけは、避けたい。

もちろん、何でもオリジナルにしてしまう、

筋の入っていない我流人間も避けたいですが。

 

 

 

自分がついている師が本物かどうか、

一つの問答だけでは見極められません。

 

しかし本物であれば、

本物の師はあなたのためを、本気にいつも思っているので、

全ては方便なのです。

 

あなたが、自分の脚で歩み、

実績と自信と責任を負う力を付けさすための方便なのです。

 

 

 

自分で歩かせるために正解を行ったり言わなかったり、

正反対の答を言って確認させたり疑わせたり、

考えさせたり、観察させたり。

色々とあなたの本気を、本当の力を起こそうと、揺さぶっているのです。

 

すべては、あなたが自立した存在になるために。

自分の評価を捨ててね。

 

これが、本物の師がやろうとしていることです。

 

なので、表面の言葉などは、取るに足らないことなんですよね。

それより導かれる方向が大事です。

 

 

 

こうした師の愛を受けたならば、

低いままでは終わりたくないですよね。

少なくとも、師が信じたよりは、

ほんの少しでも先へと行って終わりたい。
他人はどう評価するか知らないけど、自分自身では本物の、

松明を受け継ぐ者・弟子ありたい。
 

それが、大恩ある師への何よりのはなむけとなる気がしています。

ご縁とは本当にありがたいものです。

 

 

 

(感謝)

 

 

 

吉田直樹  拝