第4回:潤いを食べて補う
〜豆腐と白きくらげの潤いシュウマイ〜

 

 

 

 

水分制限が必要な方でも、「潤いが足りないのでは…?」と不安になることがあります。
けれど実際には、水をたくさん飲むことだけが“潤い”ではありません。

薬膳の考え方では、「潤いを育てる食材」を少しずつ取り入れることで、喉や肌、粘膜を守ることができるとされています。白きくらげや豆腐、梨、はちみつなどは、まさに「体の内側から潤いを補う」助けとなる食材です。

今回はシリーズの締めくくりとして、白きくらげと豆腐を組み合わせた“点心”レシピをご紹介します。しっとりやさしい味わいで、乾燥や花粉の時期にもぴったりです。

 

 

  白きくらげの魅力

 

 

 

 

白きくらげは「潤いの女王」と呼ばれる食材。肺や喉、腸をしっとりと潤し、薬膳では「陰を補う食材」として知られています。乾燥による喉の不快感や咳、肌のかさつきをやわらげる働きがあり、秋から冬にかけて特に取り入れたい素材です。

 

さらに、水溶性食物繊維が豊富で腸内フローラを整える効果も期待できます。便通を助け、腸から全身の健康を支える力があるため、腎臓の働きを助ける生活習慣づくりにも役立ちます。しかもカリウムが少なめなので、腎臓病の方にも比較的安心して使えるのが大きなポイントです。

 

 

  白きくらげが手に入らないときは?

最近はネット通販や中華食材コーナーでも見かけるようになりましたが、もし手に入りにくい場合は黒きくらげで代用可能です。黒きくらげも水溶性食物繊維が豊富で、カリウムは少なめ。食感がやや異なりますが、炒め物やスープにも応用しやすい優秀な食材です。

ニコネットで購入する場合

 

・少量でお試しするなら
https://www.yodobashi.com/product/100000001007253165/

・たくさん使いたい方
https://yakuzendou.com/items/621b245de3bbd14e8d36982a

 

 

豆腐と白きくらげの潤いシュウマイ

〜乾燥に負けない、のど・肌を守る薬膳点心〜

 

(1人分:5個)約100 kcal・塩分 約0.7g・カリウム 約115 mg

注意クコの実・ポン酢は計算に入れていません。

 

材料(30個分)

  • 鶏ひき肉 … 300g
  • 木綿豆腐 … 150g(さっと水切り)
  • 白きくらげ(乾燥) … 10g(約65g・戻して石づきを除き、みじん切り)
  • 玉ねぎ … 中1/2個(約75g・みじん切り)
  • しょうが … 1/3片(約5g・みじん切り)
  • 塩 … 4つまみ(4g)
  • 砂糖 … 小さじ1
  • 片栗粉 … 大さじ2
  • しゅうまいの皮 … 30枚

☆お好みで

  • クコの実 … 30粒(水で戻す)
  • ポン酢…適量

 

作り方

  1. ポリ袋に鶏ひき肉と塩を入れ、粘りが出るまでよく練る。
  2. 豆腐・白きくらげ・玉ねぎ・しょうが・砂糖を加えてさらに混ぜ、最後に片栗粉を加えて全体をまとめる。
  3. ②を大さじ1ずつスプーンですくい、しゅうまいの皮で包み、あれば上にクコの実をのせる。
  4. 蒸気の上がった蒸し器で15分蒸す。
    (またはフライパンに油大さじ1/2と水40mlを入れて③を並べ、蓋をして中弱火で10分蒸し焼きに。蓋をとり最後に強火で水分を飛ばし焼き目をつける。)

注意クコの実は彩りなので、カリウム制限のある方は省くと安心です。

 

🌿薬膳ポイント🌿

白きくらげ:肺・喉・肌を潤す → 乾燥や花粉症シーズンに◎

豆腐:余分な熱を冷まし、体をやさしく潤す

鶏肉:気を補って疲労回復

クコの実:粘膜や目を守り、抗酸化サポート



まとめ

 

ここまで4回にわたり「水分の摂り方」をテーマにお届けしました。

 

1.     必要な水分量の考え方

 

 

2.     水分の種類と工夫

 

 

3.     運動と水分・塩分の関係

 

 

4.     体の内側から潤すレシピ

 

腎臓病の方にとって、水分は「摂りすぎても不足しても負担」となる難しいテーマです。けれども工夫次第で、毎日の生活に無理なく取り入れることができます。最後のレシピも、単なる料理ではなく「体を潤すケア」として楽しんでいただければ幸いです。

 

 

 

 

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