12月も下旬に入り、来年の恵方についてお尋ねされることも多くなりました。
恵方とは、その年に幸運をもたらす『歳神さま・歳徳神』がいらっしゃる方角であり、来年の恵方は『西南西』となります。
歳徳神は諸説ありますが
『波利采天女(はりさいてんにょ)』
という女神と言われております。
波利采天女は娑伽羅竜王(さがらりゅうおう)の第三王女にして、牛頭天王(ごずてんのう)の后、また八王子(八将軍)の母と伝わります。
波利采天女は娑伽羅竜王(さがらりゅうおう)の第三王女にして、牛頭天王(ごずてんのう)の后、また八王子(八将軍)の母と伝わります。
仏教では清瀧権現(せいりゅうごんげん)善女竜王(ぜんにょりゅうおう)という龍の女神も、娑伽羅竜王の第三王女で、牛頭天王の后、また八王子の母とされていて由来が同じため、異名同体と言われております。
沙伽羅竜王は、法華経に登場する八大竜王の一柱で龍宮の王とされる仏教の守護龍神です。
龍宮は別名を水晶宮(すいしょうきゅう)と呼ぶことがありますが、波利采天女の『波利』も水晶の意味を持ちます。
牛頭天王は、仏教の聖地・祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の守護神であり、牛頭天王のお祭りを祇園祭と呼びます。
八坂神社の祭神ですが、仏教では薬師如来が本地仏に当てられています。
牛頭天王と波利采女の間に生まれた八王子(八将軍)は八王子権現とも呼ばれる方位神です。
天台宗・比叡山の鎮守、山王権現の八柱の眷属神と伝わり、本地仏は千手観音とされております。