星流の二番目のたな

デジモンフロンティアおよび
デジモンアドベンチャー02の
二次創作(小説)中心に稼働します。

注)『デジモンフロンティア02~神話へのキセキ~』は
管理人が勝手に想像するフロンティアのその後の物語です。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。


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先日のユナイトの後書きで書こうと思ったのですが、万が一「フロ02しか読んでないよ」という方がいらしたら不親切なので別記事立てました。
 
結論から申し上げますと、ユナイトが完結するまでフロ02の更新を中断させていただきます。
理由は以下の3点。
1.残り話数はユナイトの方が少ない
 フロ02が残り7~9話くらい、ユナイトが残り4,5話くらいです。
2.最終決戦同時平行はしんどい
 最大の山場である以上、最終決戦はより丁寧に満足いく仕上がりにしたいと思っています。それゆえに、同時に2つやるのはしんどいです。
3.メインであるフロ02には一点集中で取り組みたい
 2に近い理由ですが、フロ02はメイン小説として書いているので、その最終決戦は力を入れて書きたいと思っています。そのため、ユナイトを先に終わらせて一点集中。
 
とまあ色々と言い訳がましく書きましたが、要するに「2作品ともより良い出来にするための順番設定です!」ということです。この作者、自分からハードル上げてます、はい(汗)
フロ02を楽しみに待ってくださっている方には申し訳ないのですが、ご了承くださいませ。
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 怪鳥が落ちていくのは、屋上の京と空にも見えた。戦場はもうビルの向こうで、ここからはほとんど見えない。
「もう少し近くに移動しましょう」
 空の意見で、二人は階段に走る。
 不意に、京の抱えているノートパソコンの着信音が鳴った。
「待ってください! メールが」
「え? でも今は」
「多分急ぎのメールです。この着信音、泉先輩専用だから」
 京は慣れた動作でノートパソコンを開いた。
 着信1件。
 From欄の名前は『泉光子郎』。
 件名なし。本文なし。
 添付ファイルあり。ファイル名は「新規ファイル」。
 普段の光子郎はこんな雑なメールなんて送ってこない。時間に迫られて、大慌てで送ったのが分かった。
 添付ファイルを開く。表計算ソフトに、膨大な数値と数式が入力されている。
 その最後の行に、計算結果として座標らしき数字が出ている。
 今、光子郎が急いで送ってくる座標といえば一つだけ。
 デーモンの本拠地の座標。
 突き止めてくれたんだ。頼れる先輩の成果に、京はぐっとこぶしを握る。
 このことを早く伝えないと。
「あの、メールで座標が」
 言いながら顔を上げるが、そこに人影はなかった。屋上を見回しても、京以外の人間はいない。
「私……誰に話しかけようとしてたんだっけ」
 呆然としながら、京がつぶやく。
 その目を、今届いたばかりのメールに向ける。
 From欄の名前は『不明』に変わっていた。
 
 
 
―――
 
 
 
 怪鳥の墜ちた場所は、炎の余熱が残っていて、歩くと靴を通して温かさが伝わってくる。
 その中心に、少年は倒れていた。体は傷だらけで、身動きすらしない。虚ろに開いた目と、呼吸による微かな胸の上下だけが、まだ生きている証だった。
 大輔のかたわらに降り立ったエアロブイドラモンは、沈痛な面持ちで大輔を見る。大輔は黙ってパートナーの腕に触れた。
 拓也と泉も駆けつけ、目の前の光景に息を飲んだ。
 その場にいる誰も、少年のそばに寄ることができなかった。近づいたところで、どんな言葉をかければいいのか分からなかった。
 足音に振り返ると、輝二がまっすぐに歩いてきていた。淡々としているような、それでいて泣きそうな、複雑な表情をしていた。
 輝二は大輔達の横を抜け、倒れている少年の横に膝をついた。
 音に反応して、少年の口が動いた。
「だ……れ。こう、じ……?」
「ああ。俺だ」
 少年の腕が動いた。輝二を探すように、手が地面を探る。もう、目はほとんど見えていないらしい。
 その手に、輝二が自分の手を重ねた。ほっとしたように、少年が息を吐く。
 輝二が、自分と同じ顔をした少年に問いかける。
「せめて答えてくれ。お前は、俺の何なんだ」
「おれは、おまえ、の……ふ……」
 小さくなっていく声に、輝二が耳を寄せる。
「ぁ……」
 少年の唇から、ため息のような音がこぼれて。
 もう、動かなくなった。
 
 大輔は歯を食いしばり、爪が食い込むほどこぶしを握り締めた。やりきれない思いを言葉にして吐き出す。
「これが、スカルサタモンの言ってた『物語をねじまげる』って結果かよ。命を何だと思ってるんだ。俺達の世界も、拓也達の世界もめちゃくちゃにして。こんな展開、あってたまるかっ……!」
 自分達の野望のために、過去に干渉してきて、子ども達を世界から消して、少年を利用して。こんなの、許されていいはずがない。
 輝二は少年の手に触れたまま、うつむいている。それを見つめて、泉がぽつりと言う。
「彼が人間だったのなら、きっと私達みたいに本当の名前があったのよね」
 泉の言葉にうなずいて、拓也がつぶやく。
「結局、俺達はあいつのこと何も分からなくて、ただ倒すことしかできなかった」
 京や、太一達デジタルワールドから駆けつけた仲間が来るまで、大輔達はその場で立ち尽くしていた。
 
 
 
―――
 
 
 
 少年の死を聞くと、太一達も重苦しい表情になった。
 何やら考え込んでいた賢が、「あの」と声をあげた。
「これはあくまで仮説なんですが、デーモンを倒せた場合、この時間軸で起きたことは全部なかったことにできるかもしれません」
「どういうことだ?」
 ヤマトが聞くと、賢が言葉を続ける。
「今、僕達と拓也くん達が同じ時間軸にいるのは、デーモンが二つの世界を無理やり融合させようとしているからです。その融合させる力がなくなれば、世界はまた離れて、元の二つの世界、二つの時間軸に戻るかもしれない」
 伊織がはっとした。
「つまり、僕達と拓也さん達が出会わなかった世界になる。デーモンの部下の襲撃も、仲間の消滅も起こらなかった世界になる!」
「その世界でなら、あいつも生きてる可能性がある!」
 輝二の言葉には、珍しく熱がこもっていた。
「僕が言ったのは、あくまで仮説です。世界の融合なんて現実に起きたことがないし、何が起こるか確証はありません。ただ、信じてみる価値はあると思います」 
 賢は仮説だと言ったが、大輔達の心には確かな希望が芽生えていた。

 次に、京が声をあげる。
「みんな聞いて。デーモンのいる座標が分かったの。調べてくれたのが誰なのか、もう思い出せなくなっちゃったんだけど、仲間の誰かが送り届けてくれた」
 敵の本拠地への道を開く座標。その事実に全員が顔を引き締める。
 京が説明を続ける。
「この座標をデジタルゲートに入力すれば、デーモンのいる時空間にたどりつける。……ただし問題は、その時空間は世界を融合させる力が強く働いている場所だってこと。私達の消滅も加速する。デーモンにたどり着くまでに敵が妨害して時間を稼いでくるかも」
 一拍置いて、太一が口を開く。
「つまり、時間との勝負ってことだな。俺達全員が消える前に、デーモンを見つけて倒す」
 迷わずに、最後まで走り続ける。それが自分達に残された唯一の手段だ。
 大輔は仲間達を見回した。
 
 大輔とエアロブイドラモン。
 京とヒポグリフォモン。
 伊織とウパモン。
 ヒカリとテイルモン。
 賢とリーフモン。
 太一とアグモン。
 ヤマトとガブモン。
 拓也。
 輝二。
 泉。
 
 残っているのは7組と3人。
 仲間達が繋いでくれた希望を、自分達が形にしてみせる。
 そして、本当の物語を取り戻す。
 
 
 
◇◆◇◆◇◆
 
 
 
普段は小説を書いてからサブタイトル決めるんですが、この回は構想の時点でサブタイトルを決めていました。
このサブタイトルは本作のテーマでもあります。
「デジモンユナイト」は、オリジナル作品に対する「ろくでもない物語」です。
そもそも、02とフロという完結した作品のif展開を書こうという時点で、オリジナル作品に劣る物語になるのは分かっていました。星流が同じストーリーで頑張ったって、プロフェッショナルにかなう実力はございません。
となれば、いっそ「こんな展開あんまりだ!」と言われるような、原作ストーリーをガン無視した作品を書こうと思いました。オリジナルの展開をグッドエンディングとした場合の、バッドエンディングみたいな立ち位置です。
読者のみなさまはグッドエンディングを知っているからこそ、この展開の重さを実感するだろうと思います。
今回の「物語を正しい形に修正したい」という大輔達にも感情移入されるだろうと思います。
 
これから大輔達は、本当の物語を取り戻すために、デーモンとの戦いに挑みます。
最後までお付き合いいただきますと幸いです。
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  ヒポグリフォモンとバードラモンは、パートナーのいる屋上から距離をとった。パートナーを攻撃に巻き込むわけにはいかない。

 スカルサタモンがヒポグリフォモンに接近して杖を叩きつける。ヒポグリフォモンが辛うじて避けると、杖の当たった道路が盛大に割れた。

「《メテオウィング》!」

 バードラモンが上空から炎を落とすが、敵は肉を持たないだけあって、身軽に飛び回っていく。

「俺はお前らより素早さも攻撃力も上なんだよ! その爪一本だって俺には触れられない!」

 スカルサタモンが高笑いする。

 直後、背後から現れたかぎ爪が彼の胴体をむんずとつかんだ。

 敵をつかんだヒポグリフォモンは、体をひねった勢いで敵を地面に叩きつける。その速さに、空気の切れる甲高い音がした。

 スカルサタモンを見下ろして、ヒポグリフォモンが淡々と言う。

「この体に慣れるのに時間がかかりましてね。ようやく準備運動が終わりました」

 ヒポグリフォモンの速度はスカルサタモンのそれを上回る。その事実に、スカルサタモンは一瞬動揺の表情を見せた。

 が、すぐに上空に飛び、杖の先の宝玉を敵に向ける。

「《ネイルボーン》!」

 放たれる黄色の光線は、当たれば敵を戦闘不能に追い込む一撃必殺の技。かするだけでも十分に威力を発揮する代物だ。

 それを、スカルサタモンは連続で打ち出していく。

 ヒポグリフォモンがいくら素早くても、その体格と大きな翼で避けきるのは不可能と思われた。


 が、次第に焦りの表情を見せ始めたのはスカルサタモンの方だった。

 ヒポグリフォモンは攻撃を食らうどころか、戦いの中でその速度を上げ続けていた。その姿をはっきり視界にとらえることはできず、ただ白い姿が縦横無尽に駆け回っているように見えた。

 必死に狙おうとする中で、スカルサタモンが手を滑らせた。

 その一瞬をヒポグリフォモンは見逃さなかった。

 口内に高温の空気を溜め、敵を目がけて吐きだした。

「《ヒートウェーブ》!」

 熱風が、スカルサタモンの体を包む。熱による空気の揺らぎで、その体は絶え間なく揺らいで見えた。骨が高温に溶かされていく。
「《メテオウィング》!」
 バードラモンの打ち出した炎がスカルサタモンを地上に叩き落とした。
 
 
 
―――
 
 
 
 一方、パートナーの元に向かう大輔。
 エアロブイドラモンの姿が間近になったところで、大輔は声を上げた。
「エアロブイドラモン!」
 ヴォルフモンが大輔の腰をつかんでぶん投げる。エアロブイドラモンが翼を広げ、大輔を背中で受け止めた。
「大輔、危険だぞ」
 パートナーの言葉に、大輔は真剣な表情で前を見据える。
「分かってる。でも、俺も一緒に戦いたいんだ」
「そうか」
 簡潔な答えを受け止めて、エアロブイドラモンは頷いた。
 エアロブイドラモンが翼をはばたかせ、一気に加速する。翼の先端と鼻先の角が輝き、V字を描く。
「《Vウィングブレード》!」
 放たれた光が怪鳥の翼を切り裂く。黒い羽根が舞い、怪鳥がバランスを崩す。
 すかさず、アグニモンとフェアリモンが追撃する。
「《サラマンダーブレイク》!」
「《トルナード・ガンバ》!」
 二人の回し蹴りで、怪鳥をビルに叩きつける。窓ガラスが割れ、壁面にひびが入った。
 怪鳥の動きは鈍くなってきている。強いのは事実だが、数はこっちの方が多い。長期戦になれば、先に消耗するのは敵の方だ。
 このままいけば、進化解除させられる。
「よし、もう一回だ!」
「おう!」
 大輔の声に、エアロブイドラモンも威勢よく答えて接近する。
 翼を広げて、再び《Vウィングブレード》の力をためる。
 が、放つ前に怪鳥が首をもたげた。勢いよく羽ばたいて突風を巻き起こした。
 広げていた翼にもろに突風を受け、エアロブイドラモンは吹き飛ばされる。
「っ!」
 体が上下左右に回転し、大輔は必死にパートナーの背にしがみつく。
 体制を立て直した時には、怪鳥から大きく離れていた。
「大丈夫か、大輔!?」
「ああ。それより、あれは」
 大輔の視線の先には、奇妙な赤い円があった。ビルの中程から屋上にかけて、斜めに描かれている。
 円の淵から二つの黒い壁がせりあがり、半球状にビルを覆っていく。大輔には、ビルを食べようとする黒い口に見えた。
 そして、ビルの窓からは助けを求めて身を乗り出すスーツ姿の大人が四人。このままだと黒い半球に飲み込まれる。
 エアロブイドラモンがすぐさまビルに向かって飛んだ。
 その間にも、アグニモン、ヴォルフモン、フェアリモンが一人ずつ抱えて地上に避難させる。
 黒い口はもう半分閉じている。エアロブイドラモンはその隙間から飛び込んだ。
 突然やってきた怪獣に、男性は唖然として固まっていた。エアロブイドラモンが手を伸ばすと、おびえて一歩下がる。
「いいからつかまれ!」
 大輔の声に、慌ててエアロブイドラモンの手にしがみついてきた。
 視界が暗くなる。半球がもうじき閉じる。
「大輔、伏せろ!」
 エアロブイドラモンはぎりぎりまで体勢を平たくして、すり抜けた。
 直後、半球が閉じる。半球の消失と同時に、半球内のビルも消失した。
 エアロブイドラモンが、男性を道路に降ろす。
 改めて、大輔は渋谷の街を見回した。大輔達が上空で戦っている下で、大人達の必死の救助作業が行われていた。真昼間の渋谷にいた人は多く、まだ怪我人が大勢いる。
 自分達がデジタルワールドではなく人間世界で戦っていることを痛感した。
 持久戦に持ち込めば、怪鳥は助けられるかもしれない。でも、周りの人達が戦いに巻き込まれていく。救助活動も遅れていく。犠牲が増えていく。
 大輔が迷う間にも、怪鳥が救助隊員目がけ、かぎ爪を振り上げる。
「やめろーっ!」
 ヴォルフモンが怪鳥の目に切りつけた。怪鳥が悲鳴を上げ、仰向けに倒れる。

 すかさず、ヴォルフモンが怪鳥の胸に乗った。

「――許せ」
 光の剣を逆手に握り、怪鳥の口に突き立てようと振り上げる。
「っ! エアロブイドラモン、止めてくれ!」
 エアロブイドラモンがヴォルフモンをつかみ、怪鳥から引きはがした。
 ヴォルフモンがキッと大輔をにらむ。
「甘ったれるのもいい加減にしろ! こうしなきゃ……あいつが人を殺してしまう」
 ヴォルフモンの目には、涙が光っていた。
 何とか助けてやりたい気持ちはヴォルフモンも同じだ。
 大輔はこぶしを握って答える。
「分かってる。でも、ヴォルフモンにだけは、やらせちゃいけない気がしたんだ」
 理由なんかない、ただの直感。でも、どうしてもヴォルフモンの手を汚してはいけないと思った。
 怪鳥が起き上がり、再び上空へと飛ぶ。それを見上げながら、大輔は自分のパートナーの背に両手を置いた。

「……エアロブイドラモン、頼む」
 全力を出せるように、大輔はエアロブイドラモンの背から降りる。
 パートナーが無言で飛び立っていく。その体に、白炎をまとう。
「《ドラゴンインパルス》!」
 竜頭の衝撃派が、怪鳥を貫いた。
 怪鳥が白炎に包まれながら、地面に墜ちていく。

 大輔は奥歯を噛み締めた。それでも、決して目をそらさなかった。



―――
 
 
 
 がれきの中から、スカルサタモンが起き上がった。体は崩れかけているし、杖に寄りかかってはいるが、まだ立てる。
「あいつら、火事場の馬鹿力出しやがって……ここは一旦退いて」
 言いかけたところで、周囲が陰った。怪訝そうに上を見る。
 怪鳥の巨体が真上に迫っていた。更に、スカルサタモンめがけて落ちてくる鋭利なかぎ爪。
「なっ――!」


 巨体が叩きつけられた轟音と、盛大な土埃が広がった。
 その下からデータの屑がこぼれ散ったことに、気づいた者はいなかった。

 
 
◇◆◇◆◇◆



間が空いてすみませんでした。疲れがたまっていたこともあるのですが、一番は……今回の展開を書くのがしんどかったからです(汗)

諦めるという選択を大輔達にさせるのもしんどいし、彼にとどめを刺すのもしんどかった。
彼の物語は、次回もう少しだけあります。

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