「祖国と青年」1月号、今月の主張 | 月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

月刊誌『祖国と青年』応援ブログ

青木聖子とその仲間たちが、『祖国と青年』や日本協議会・日本青年協議会の活動を紹介したり、日々考えたことを綴ったりします!
(日本協議会・日本青年協議会の公式見解ではありません。)

 「祖国と青年」1月号の巻頭言は、「憲法改正、若者からの発信を」と題して、大葉勢清英さんが書かれていますので、以下、ご紹介します。

 

 

 憲法改正を支持する若者の意識

 

  昨年七月の参議院選挙では、自民党が各世代とも多くの支持を得たが、特に十八・十九歳から三十代の若い世代からは四〇%以上の支持があった。この点について、マンガ家の小林よしのり氏は、「参院選は自民党が勝ち、改憲勢力が三分の二に達した。あまりにも予想通りの結果である。ただ、意外だったのは若者の四割が自民党に投票したということだ。マスコミが虚像を膨らませたシールズ・ブームが完全に否定された。若者はシールズにむしろ反発を覚えていたようだ。それが分かったことは大収穫で、嬉しい誤算だった」(BLOGOS昨年七月十一日)と語った。


  憲法改正に関する若者の意識はどうだろうか。産経新聞・FNNが昨年六月に行なった世論調査では、憲法改正について、六十代以上は反対(五〇・五%)が過半数に達したが、十代・二十代では賛成(四八・五%)が反対(三六・六%)を上回った。


  また、朝日新聞が参議院選挙投票日の七月十日に行なった出口調査では、憲法を変える必要があるかどうかとの問いについて、全体として「変える必要がある」(四九%)が「変える必要はない」(四四%)を上回る中、三十代では「必要がある」(五五%)が「必要ない」(四二%)をさらに大きく上回った。


  昨年一月の共同通信の世論調査では、参議院選挙後に憲法改正を進めることに、全体として「賛成」は三七・五%、「反対」は五〇・三%と反対が上回っていたが、二十代は五一%が「賛成」だった。


 このような憲法改正に関する若者の意識の現れに大いに注目したい。これからの日本を支える若い世代が、いかに憲法に関心を持ち、憲法論議を興していくかは、憲法改正に向けた国民的論議を高めていくうえでの大きな要件の一つである。

 

 若者による活発な憲法論議をめざす動き

 

  若者から活発な憲法論議を興そうとする取り組みは、すでに昨年から各地で起こり始めている。


  全国の若手経営者の集まりである公益社団法人日本青年会議所(JC)は昨年度、「憲法意思確立委員会」を設け、インターネットサイトと全都道府県における憲法事業と合わせて、広く国民に憲法改正の是非を問う模擬国民投票事業(全国一斉! 国民投票シュミレーション)を推進。JC版日本国憲法草案と現行憲法を比較し、前者への改正について賛否を問うという内容で、昨年七月十日の時点で「賛成」約六万一千四百票、「反対」約三万一千三百票と改正賛成が大きく上回ったことを中間発表した。


  また、二十代のKAZUYA氏、三十代の神谷宗幣氏(龍馬プロジェクト全国会会長)らはインターネット動画や講演などで特に若者向けに憲法改正を語り、二十代のシンガーソングライター・山口采希さんは『正論SP日本国憲法一〇〇の論点』(産経新聞社)で案内役を務めるなど若い世代の活躍も注目される。


  九月には、美しい日本の憲法をつくる国民の会が全国縦断キャラバン隊を全都道府県に派遣し、例年以上に多くの若者が参画した。私も隊員の一人として参画したが、埼玉では十代・二十代・三十代の若者が街頭で訴える場面もあり、「ビラ配りや街頭演説に励む若者が多いことに、驚きました」と取材に訪れたある記者は語った。各地の集会では、若者からの提言が為され、憲法改正を訴える若者たちが登場するDVDも上映されるなど、若い力が発揮され、参加者の勇気を鼓舞した。


  一方、四月には若者から憲法論議を興そうと、有志により「NIPPON憲法PROJECT」が発足し、十代~四十代のための企画として、TOKYO憲法トークライブが開催された。若者同士が結束して若者ならではの感覚で憲法企画を開催することは画期的なことで、本会もこの動きに着目し、その内容を本誌六月号に掲載させていただいた。


 ここで登壇した二十代~三十代の若者たちは、「憲法について考えるためには、私たちはまず自分たちの国の歴史、文化、伝統、慣習といったものを考えなければなりません」「日本の国柄とは何か。私たちは『和の国柄』をキーワードにしています」「日本の伝統や文化の香りを、憲法に込めたい」などと口々に語った。日本の輝かしい未来を築く若者たちが、条文の話をする以前に、日本の国柄や歴史に基づく憲法を持って堂々と進んでいきたいと表明したことは印象的だった。ある登壇者は、「日本が好きだという若者を増やすことが大事」と述べたが、激変する厳しい世の中を生きるに際し、その拠り所となる日本人としてのルーツ、しっかりした精神の土台のようなものを若者たちは求めているのではないか。活力ある日本の未来を開くためにも、憲法に謳うべき国柄や歴史、伝統とは何かを議論するのはこれからの一つの重要なポイントになるだろう。


  また、十一月には同じく第二回TOKYO憲法トークライブが開催された。その内容も本誌十二月号で掲載させていただいたが、第二回は、登壇者のたかまつななさんのように、「今すぐの改正には反対。若者がもっと憲法に意識を持つための主権者教育に力を入れるべき」という考えの方や「議論を聞いて憲法について考えたい」という方も参画し、また、スマホなどを使用して一般の参加者もオンラインで意見表明できたこともあり、若者ならではの活発な憲法論議の場となった。若者が冷静に筋道を通して憲法について語り、考える議論の場そのものを創出することが求められている。


 国会で始まった憲法審査会の議論を推し進め、今年中に改憲発議を実現するためには国民世論の盛り上がりが不可欠である。本年も、若い世代による活発な憲法論議を促進する様々な活動とも連携しつつ、本誌連載「シリーズ 若い世代が語る憲法改正」などのさらなる充実を期すなど、若者からの憲法改正の発信に力を入れていきたい。