昨日のロンドン五輪のメモは何だったかといいますと、次の「ニュースの時間です!」のネタ帳だと思っていただければけっこうです。
これをお読みの方でマンガ家を目指している人もいないとも限らないので、今日は「ニュースの時間です!」の作り方を少しお教えします。
まず、何に一番時間をかけるかと言いますと、ストーリーを作りあげる(業界ではこれを「ネーム」と言います)ことです。2ページで話を落とさないといけませんからね。短いというのは、それはそれで難しいんですよ。
1、題材・テーマを決める
題材を選ぶポイントは次の2点のいずれかです。
①今問題になっている事件の本質を分かりやすく解説する
②本誌で取り上げないような身近なレベルの話題を提供する
今回の「ロンドン五輪」という視点は②ですね。もちろん昨日のメモだけでは材料は不十分ですので、もう少しいい話がないか探ってみます(もうだいたい見つけました)。
2、使用キャラを決める
次に重要なのが、どのキャラクターを起用するか、です。誰と誰を組み合わせるかで、面白味が全然変わってきます。マンガとしての面白さは、ほとんどここにかかっています。そして、どうしてもストーリーがうまく転がらない、マンネリ化してると感じた時には、新キャラを投入します。
「ニュース――」の場合、まったくのオリジナルキャラというのはほとんどいません。同人誌的なノリで楽しんでもらいたいという意図もありますので、だいたい何かのキャラの影を色濃く反映させています。
唯一の例外が、私、青木協子と番組でパートナーを組んでいる男性キャラ。かわいそうに、彼には未だに名前すらついていません。
3、ネームを起こす
脳内で妄想をめぐらせてみて「これでいける!」と思ったら、実際に紙に起こしてみます。その過程で細かいネタを入れたり、セリフの微調整などもしていきます。
慣れていないと、脳内ではうまくいっているつもりでも、紙に起こしてみたら「なんじゃこりゃ!」ということがよくありますので、初心者の方はネームを何本か描き直すつもりで、具体的に描きながら考えていく方がいいと思います。
この時点でチェックするのは、①ストーリーがきちんと流れているか(展開に無理がないか)、②キャラがきちんと生きているか、の2点です。
とにかく、「ニュース――」のように時事問題を扱っていると、説明の筋を通すためにこの2点がどうしてもおろそかになってしまうのです。
4、実際に描く
実際に描く段階に入ったら、もう完成したも同然ですね。
私みたいに月に一度、しかも2ページしかペンを持たないと、なかなか思うように手が動いてくれなくて、動き始めたときには描き終わっている……というのを毎月繰り返しています。
「ニュース――」の場合、ワク線、主線だけは手で描きます。そこから先はPhotshop Elementsですべて処理します。Comic Studioも持っていますが、それを使うほどの大作でもないし、カラーにする時にはどうせPhotshopに落とすので、私はPhotshopで一本化しています。
昔と比べると、トーンをちまちま貼ったりしなくなってよくなったし、画像を簡単に加工できるようになったので、ずいぶん楽になりましたね。