「祖国と青年」7月号で、三代前の編集長だった江崎道朗さんに、中島慎三郎先生について書いていただいています。
江崎さんも冒頭で書かれていますが、昨年十月に明治神宮で結成40周年大会が行われたのですが、そこに短時間、中島先生も来られていたのです。江崎さんやお付きの方に両脇を抱えられるようにして帰られるお姿を、私もお見送りしましたが、その時にはこれが最後になるとは思っていませんでした。
そして、その40周年大会で「アジア調査」という方針が打ち出され、その手始めとして大葉勢さんがミャンマー調査を行われ、そのレポートが「祖国と青年」6月号に掲載されました。
大葉勢さんの調査の内容は、中国の経済侵略の実態についてだったのですが、読者の反響として、思いのほか「ミャンマーの人々は親日感情が強く、それは大東亜戦争に由来するものだ」との箇所への関心が高く、改めて、8月号でアジアにおける大東亜戦争の遺産に焦点を当てようと思ったわけです。
そうなると、中島先生のお姿を通して語る以外に、私たち日本青年協議会としての語り口はありません。
江崎さんが紹介されている中島先生のお話の一節を紹介します。
大東亜戦争の理想が植民地主義の打倒であるとするならば、アジアには中華帝国主義という植民地主義に苦しんでいるチベットやモンゴル、ウイグルなどを独立させることが日本の責務である。大東亜戦争は終わっていない。継続中なのだ。
私たちは徒に中国の脅威を煽るだけでなく、大東亜戦争の理想に連なる日本の使命をしっかりと自覚すべきだ――そう中島先生に諭していただいているような気がします。