研修に教育勅語を引用する市長...??? | 伊勢崎あずまの塾 精鋭みどり塾

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「何度聞いても理解できない」 職員研修で教育勅語を引用の松井広島市長に市民団体が中止要請(広島テレビ ニュース) - Yahoo!ニュース

 

広島市の松井市長が職員研修で

「教育勅語」を引用したとして

市民団体が抗議しましたね...。

 

「いまでも通用する民主主義の

基本的な概念を述べてる、

たくさんあるんですね」

 

と述べる松井市長に対し

市民団体は

 

「教育勅語は憲法で否定されている」

「なぜ市長がわざわざ民主的として

これを説明したのか理解ができない。

何度聞いても」

 

と抗議、引用の中止を要請したと。

広島弁護士会も同様のようですね。

 

 

ではその教育勅語、見てみましょう。

 

【教育勅語 全文】

天皇である私が思うのは、私の祖先である

神々や歴代天皇が、この国を始めたのは

広く遠いことであり、道徳を樹立したのは

深く厚いことである。

我が臣民は、よく忠であり、よく孝であり、

皆が心を一つにして、代々その美風を

つくりあげてきたことは、これは我が国体の

華々しいところであり、教育の根源もまた

実にここにあるのだ。

汝ら臣民は、父母に孝行をつくし、

兄弟姉妹は仲良く、夫婦は仲むつまじく、

友人は互いに信じあい、恭しく己を保ち、

博愛をみんなに施し、学問を修め

実業を習い、そうして知能を発達させ

道徳性を完成させ、更に進んでは

公共の利益を広めて世の中の事業を興し、

常に国の憲法を尊重して国の法律に従い、

非常事態のときには大義に勇気をふるって

国家につくし、そうして天と地とともに

無限に続く皇室の運命を翼賛すべきである。

こうしたことは、ただ天皇である

私の忠実で順良な臣民であるだけではなく、

またそうして汝らの祖先の遺した美風を

顕彰することにもなるであろう。

ここに示した道徳は、実に私の祖先である

神々や歴代天皇の遺した教訓であり、

天皇の子孫も臣民もともに守り従うべき

ところであり、これを現在と過去を通して

誤謬はなく、これを国の内外に適用しても

間違いはない。

天皇である私は、汝ら臣民とともに

しっかりと体得して、みんなでその道徳を

一つにすることを期待するものである。

(『くわしすぎる教育勅語』より)

 

 

...いかがでしょうか。

 

松井市長が主張するように

「民主主義の基本的な概念」

を示す部分も多々ありますが

問題とされているのは

 

「我が臣民」

「我が国体」

「非常事態のときには大義に

勇気をふるって国家につくし」

「無限に続く皇室の運命を翼賛すべき」

 

などといった文言が

「天皇への忠誠」「愛国心」

を喚起させ、ひいては

「軍国主義」に至るとされるから。

 

 

国民が尽くすのは

国家でも天皇でもありません。

自分自身、家族、隣人といった

個人個人および社会全体でしょう。

 

だからといって軽視していい、

ということでも無論ありません。

 

盲目的に崇めるもの、

強制的に従うもの、

そういうものではないというだけ。

 

 

松井市長が言いたい内容は

何も教育勅語に依らずとも

ご自分の言葉で語ればいいだけ。

 

教育勅語をわざわざ持ち出すのは

前時代的な権威主義と批判されても

致し方ないと思いますねぇ。

 

みどり塾でした。こんにちは。