シオサイダーディープレイ~その①~
シオサイダーディープレイ~その②~
ババジが朝のしょうもないくだりを終え、9時45分ホール入場。
狙い台をおさえ開店の10時まで待つ大好きな時間。
ババジはいつも先頭で入場するが、狙い台が被る事はほぼ無い。仮にかぶったとしてもシオサイは全40台あるから候補台は数台ある。
いつも通り、狙い台に座り10時を待っていた時だった。ジジィが俺の横の台のデータを睨んでババァに言った。
ジジィ『何でこれ空いとんかな?』
俺もデータを見たが、設定上げられそうなデータではなかった。
ババァ『それ今日絶対出る波なのにねぇ』
そう思うなら自分で打てばいいやんと思いかけた俺。
いや・・・まさかなと思ったが一応試してみた。
ババジ達が島の端っこのほうに行った時、俺がおさえてる台を捨てババジ推薦台に移るモーションをしてみた。実際には捨ててない。俺がおさえてる台には俺の私物ラークのライターが置かれたままだ。台移動しようかなどうしようかな?という雰囲気を見せてみた。
すると競歩で近づいてくるババジ。
やはりそうだ。俺達の勝率が高いことに気付いたババジは、俺達の台を奪おうとしている。開店前ハイエナだ。
何という原始的なやりかたであろうか。横の据置丸出し台を推薦しときながら、俺が移ったら推薦者自ら奪いに来る。イージーな手法ではあるものの効果的かつ誰にでもできる。
古典的だが、初めて見た戦法に驚いた。イヤそれは言いすぎた。正直ダサいなと思ってた。
もしかして俺が移動するかもと思ったのだろうか、島の向こう側から大きな声で『確認したけど〇〇番台設定6らしいやん!』と聞こえてきた。
俺の横の台番号を確認すると〇〇番台だった。開店前から架空の設定告知が告げられる。
誰にどうやって確認したつもりで言っているのか知らんが、俺は『らしいやん』にウケた。
らしいやんって何だよ、せめて確定系で推薦しろよと、表情には出さなかったが、かなりウケた。
俺には通用しなかった推薦戦法。次は友人の横の台を激しく推薦しはじめたた。
友人も俺と同様に移動するモーションだけを見せた。するとババジ競歩。まったく俺と同じに思えた。
しかし俺と違ったのは、友人は目から火が出る勢いで、競歩で近づいて来たババジに対して、思いっきりガン飛ばしてババジが競歩でUターンした事だった。
それはとても美しいUターンだった。
続く