シオサイダーディープレイ~その①~
ババァとババァとジジィが先頭でしょうもない話を続ける。
後ろで並ぶ俺達は、聞きたくもねぇ話が耳に入ってくる。俺達は両手いっぱいに嫌悪感を抱いた。
ババァは、昨日いくら負けたからという話から入り、パチ屋のバイトが時給1000円くらいだから私は何人分のバイト数人の日当を払わさせられたという事を、もう一人のババァに報告する。
もう一人のババァは肩掛けバックに詰めた個別包装の菓子をバリバリと食べながら『私は来月分まで払っとうよ』と月給払いを報告。
そしてジジィは下ネタがお好き。ジジィ的には鉄板ネタなのであろうか、金玉の事をメロンと呼ぶ。ハッキリ言って面白くない。寸法が違いすぎて想像しにくく結びつかない。
そしてメロンネタにもっていくアプローチがまた強引。丸い物の名詞が出ると速攻でメロンネタに運ぼうとする。くだりとか関係ない。メロンネタ言いたくて言いたくてしょうがないようだ。
このメロンネタはすべってる以前に、聞き飽きた感があり、ババァ達も全然笑わないのだが、
稀にババァが『私そのメロンいただこうか?』と助け舟を出すと、もう一人のババアが昼ドラでもそんな笑い方ねぇわ!というキテレツ且つ痛烈な笑い声を響かせる。
毎朝の並びの時間、このような話をを聞かされる俺と友人。
俺は嫌悪感を飛び越えて、『ババァ助け舟はよ』と心の中で、遊ぶ方向に持って行ったが、一緒にいた友人は嫌悪感を飛び越えても、やはり嫌悪感ド真ん中な御様子。
友人『ババァ共は許せるけどジジィは割り込むからムカつくわ』
ババァを許せる包容力があるならジジィも許してやれよと思ったが、友人にとっては割り込みが許せなと言うが、おそらく本心は割り込みよりメロンネタのほうがムカつくのであろうが、そこをツッコむと、我慢している友人の心が爆発してしまう可能性がある。
俺も気が小さいタイプだが、この友人はもっと気が小さい。しかしキレやすい。
もしキレたとしてもサバイバルナイフやバタフライナイフの様なブチ切れ感はないが、十徳ナイフで一番不必要な小さいハサミくらいはある。
ジジィ『メロンネタ』
俺(助け舟はよ)
ババァ『そのメロンいただこうか?』
ババァ『摩訶キテレツな笑い声』
友人(イライラ)
このように毎朝、開店時間までを過ごした。
開店時間までは苦痛であったが、開店さえしてしまえば俺達は設定判別打法を駆使しているから安定して設定5以上に座る事ができた。
半月ほど通うと、ババジ達は俺達の勝率に気付き始める。
ここからババジ達のダーディープレイがはじまった訳だ。
続く