子のこっそり行動にオカン悪寒

コロナ禍で学校行事もキャンセルか縮小の今。

今年のガル男が通う高校の文化祭は、もちろん親が見に行くことは出来ない。

この文化祭が部活引退の最後のお披露目の場という部もいくつかあり、例年ならフィナーレの演技では生徒も親も涙を流す、そんな感動の場面となるのだが・・・今年はそれもなし。

そんな限られた条件の中とはいえ、開催が決まった文化祭へ向けて、子どもたちが知恵を出し合って準備を進めている。

ある日の夜、洗面所へ行こうとムスコのガル男の部屋の横を通り過ぎると、黒いものを背負っているような風景が一瞬見えた。

「ん？今見えたんなんや？」

と2，3歩下がって部屋の中を覗くと、ガル男がランドセルを背負って、嬉しそうにしている姿が。

・・・・、そんなわけっ

と、もっぺん背中にあるもんをよ～く見ると、やっぱりランドセル。

ランドセル見て、ガル男をみて、ランドセル見て、オカン目をそらして寒くなる

ここ、シベリア？

どうした、どないしたガル男!!!

いや、きっと、きっと理由はある、あるに違いない。

抜け落ちた日本文化を今必死にかき集めて追いつこうとしているとか、いやだとしたらランドセルでなくてよくねぇか、ほな、なんや、そういうご趣味でらっしゃるのか・・・、いや待て、今や海外でも大人が「ソ～、ク～ル！」とか言ってランドセルを使っている人もいる世の中、ランドセルは小学生が使うものという固定観念が間違っているのでは、そう常識っていったい・・・

脳がバグってもうてこりゃ禅問答

あかんアカ～ンと脳の再起動をかけてオカン、ガル男に聞く

「ナニしてんの？」と。

「あ～文化祭でコナンやるからさ、ランドセル何個か必要で、肩のベルトの位置調節してた～」

と。

冷えたカラダに体温一気に戻るオカン。

「そうかそうか～」と安心していると、ガル男が言う。

来年はあれだな～コロナが終わってれば、おつまり系のことやれたらいいなぁ～

「おつまり？おつまみのこと？なんか、食べ物を出したいってこと？」

というと

「違うよ～、文化祭、食べ物は出せないから、違うよ～」

と否定される。