Pop LiFe , Pop FiLe #30 | Get Up And Go !

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Power Pop File #1
現在ではパワー・ポップという言葉は普通に使われています。ですが70年代には聴いた記憶はないんですよね。ハード・ポップという言葉は使われていましたが。70年代のイギリス、アメリカで発生した音楽の形態のひとつです。

ロックの持つ衝動と、ポップ・ミュージックの持つ高揚感とが組み合わさった音楽。ギター中心のビート・サウンドが体に直接的に訴えかけ、メロディの抑揚がハートの部分にも訴えかける音楽。定義づけというわけではありませんが、個人的にはそのように捉えています。


SWEET / Fox On The Run (1976)
この曲は日本でも大ヒットしました。 この曲によってスイートを知ったという人は多いと思います。ラジオで初めて聴いた時、かっこいい曲だと思いました。音楽雑誌でハード・ポップという言葉を使っていたのを憶えています。

71年のデビュー時は、ローティーン向けのポップ・ミュージック。さらにはグラム・ロックの影響下、プロのライターを起用して、いわゆる売れ線のポップ・ロック・バンドとして人気を得ていきます。 当人たちはハード・ロックを指向していたため、やがて制作側に反旗を翻し? ハードな方向へと舵を切っていきます。

「Fox On The Run」の収録されたアルバム『Give Us A Wink (邦題:甘い誘惑) 』を聴くと、ほとんどハード・ロックに近い音です。ポップなイメージを払拭しようとしながらも、メロディにはキャッチーさがあり、そのあたりが当時のスイートの魅力でしょうか。





CHEAP TRICK / If You Want My Love(1982)
チープ・トリックは日本で人気に火が付き、それによって本国アメリカでも人気となったバンドです。70年代後半、日本ではかなりの人気がありました。

ボーカルのロビン・ザンダーとベースのトム・ピーターソンが、バンドのヴィジュアル担当。野球帽に蝶ネクタイのギター / リック・ニールセンと、冴えない中年男風のドラム / バーニー・カルロスは現場組。 見た目の面白さも人気となった要因のひとつだと思います。

音楽的にも優れています。バンドの頭脳であるギターのリック・ニールセンと、見た目は優男風のイケメンながら、野性的なボイスを持つロビン・ザンダー。音楽的にはビートルズからの影響が大です。

「If You Want My Love」は、トム・ピーターソンがバンドを脱退し、人気に陰りが見え始め頃の曲です。ですが曲は凄くいいです。これはパワー・バラードですね。とりわけビートルズを感じさせる曲です。





BADFINGER / Know One Knows (1974)
最後に、5月10日に記事にしたバッドフィンガーの曲を再び。バッドフィンガーも、現在ではパワー・ポップの先駆けと言われているバンドです。パワー・ポップの源流は、60年代初期のビートルズやザ・フーにあると言われていますが、70年代に音楽の形として確立させたのは、イギリスではバッドフィンガー、アメリカではラズベリーズの、この2つのバンドがまず挙げられるかと思います。

マネージメントとの不当な契約による搾取。アップルへのプロモーションに対する不満などもあって、70年代も中頃になると、ワーナー・ブラザースに移籍します。「Know One Knows」は、74年にそのワーナーからリリースされたアルバム『Wish You Were Here (邦題:素敵な君)』に収録された曲です。プロデュースはクリス・トーマスが担当しています。ゆえに悪い内容ではないんですね。内容に見合った収入を得られなかったことが、バンドを悲劇に向かわせてしまったわけです。

曲中の日本語の語りは、当時イギリスでも人気のあったバンド、サディステック・ミカ・バンドに在籍していた加藤ミカによるものです。