
ERIC CLAPTON LIVE IN SAN DIEGO with Special Guest J.J.CALE
3月30日はエリック・クラプトン、79歳の誕生日です。誕生日に合わせてだと思うのですが、昨日29日より、2007年のアメリカ・サンディエゴでのライヴをとらえた作品が劇場公開されています。 2週間限定公開だそうです。既に2017年にDVD化された作品ではありますが、これは映画館で観たいとの思いから、昨日観てきました。
ちょうど一年前の来日公演は、近年のクラプトン・ライヴの中でもとりわけ評判の良いものでした。1987年以来長く見てきて思うことは、クラプトンといえども出来の良い日、悪い日があるということ。バックの演奏陣は常に一流なので、演奏全体では一定のクオリティを保たれてはいますが、バラツキはあるということです。そういう意味で言うと、この『LIVE IN SAN DIEGO』は、21世紀のクラプトン・ライヴの中でも最高の演奏と言っていいと思います。
作品タイトルには "With Special Guest JJ CALE" と加えられています。クラプトンがずっと敬愛してきたJ.J.ケールをゲストに迎えて、数曲を共演しています(映画では5曲)。
J.J.CALE は、クラプトンのライブ定番曲「Cocaine」の作者です。クラプトンがレコーディングしたことによって有名になった曲です。 2006年には、J.J.CALE & ERIC CLAPTON という名義でアルバムもリリースしています。その時のレコーディング・メンバー、スティーヴ・ジョーダン (Dr)、ウイリー・ウィークス (Bass)、デレク・トラックス (Gu)、ドイル・ブラムホール Ⅱ(Gu) らが、今回のライヴの中心メンバーです。
映画化にあたっては30分ほど短縮されています。それでも映画館で観たかったのです。今回観た立川のシネマシティという映画館は、音が極めて良い劇場として知られているんですよね。
スティーブ・ジョーダン(Dr) とウィリー・ウィークス(Bass) のリズム隊は最高で、さらにデレク・トラックスのスライド・ギターもまた現代最高のプレイです。部屋で観ていよるよりも(聴いていてるよりも)もろにグルーブ感が伝わってきて、思わず体が踊り演奏後には拍手したくなりました。やはり映画館の大きなスクリーンと迫力ある音で観るべき映画なのかな、と思います。

エリック・クラプトンの歌と演奏はいつも以上に最高のものです。あれだけの歌とギターをバックで支えるとなれば、メンバーもテンションが上がって最高の演奏が引き出されるのではないでしょうか。
そして忘れてはならないのが、デレク・トラックスのスライド・ギターです。「Anyday」「Layla」といったアルバム『LAYLA』からの楽曲では、デュアン・オールマンを彷彿とさせるところもあります。この時点でまだ27歳。 ベテラン勢の中にあっても、プレイに関しては貫禄十分、圧巻のプレイです。現代最高のギタリストのひとりであるのは間違いないですね。
そして「Wonderful Tonight」。 このライヴのセットリストの中にあっては浮いている印象さえありますが、そこを強引に雰囲気を変えてしまうのが名曲の力です。
昨年、パティ・ボイドがトークショーで、「エリックの最も好きな曲」としてあげていたことを思い出しました。
