SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2023 | Get Up And Go !

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2024年1月5日
さいたまスーパーアリーナ


- セットリスト -
(第1部)

1.愛の世代の前に
2.壁にむかって
3.HELLO ROCK & ROLL CITY
4.BIG BOY BLUES
5.いつかもうすぐ
6.もうひとつの土曜日
7.愛しい人へ
8.DANCE
9.東京
10.MONEY

(第2部)
11.MAINSTREET
12.さよならスイートホーム
13.終りなき疾走
14.青春の絆
15.19のままさ
16.ラストショー
17.ON THE ROAD
18.J.BOY
19.明日なき世代
20.家路

- アンコール -
21.SWEET LITTLE DARLING
22.今夜はごきげん ~ HIGH SCHOOL ROCK & ROLL ~ あばずれセブンティーン
23.君が人生の時






1月5日(金) さいたまスーパーアリーナで行われた浜田省吾のコンサートに行ってきました。
昨年9月に始まった今回のコンサートツアー
”Welcome back to The Rock Show youth in the JUKEBOX" というタイトルがついています。演奏された曲は、すべて1976年のデビューから1986年までの10年間に発表された曲で構成されています。「青春のジュークボックス」というテーマに沿って行われた見事な Rock Show でした。カメラを積んだクレーンが数台動いていたので、いずれ正式に何らかの形で作品化されるのではないでしょうか。

今回はライブレポを兼ての、"青春の浜田省吾" と言った内容の私的な記事になりますが、よろしかったらお付き合いください。


浜田のすべての作品の背骨を貫いていると言ってもいい曲、「愛の世代の前に」でライヴはスタート。ステージの背景に、ピカソの「ゲルニカ」を映し出すという演出です。反戦、抵抗のシンボルである絵画を頭にもって来るところは、浜田省吾らしいなと思いました。 現在の世界情勢を憂いてのことだと思います。 ただ今回のライヴ、全体では社会的なメッセージ性は希薄です。

過去のツアーで近いものとして思い当たるのは、アルバム『Down by the mainstreet』が作られた1984年頃の、アメリカの青春ミュージカルの雰囲気を持ったライヴでしょうか。メッセージ性よりもエンターテイメント色が強い Show であるということです。おそらくはソングライターとして次のステップを踏み出す前に、原点に回帰してもう一度足場を固めることを考えたのではないでしょうか。





とは言え、”路地の陰で少女が身を売る" "子供たちは校舎の中で押し潰されていく" なんていう歌詞を持つ「東京」などは、当時よりも現在のほうがはるかにリアルに響いてきて、やっぱり浜田省吾は社会派アーティストだよな、なんて納得してしまうのです。"世界はまるでフィナーレを迎えている悲劇のステージ” と歌う「明日なき世代」なども、やっぱり今歌うべき曲だよな、と頷けるんですよね。

前回、浜田省吾のライヴに参加したのは、2016年10月。場所は同じさいたまスーパーアリーナ。もう7年も前のことです。浜田省吾自身MCで、スーパーアリーナは2016年以来だと言っていました。この日は1万8千人の観客だそうです。

2部構成のライヴ。1部終了後の休息時間に、昨年リリースされたミニアルバム『The Moonlight Cats Radio Show Vol.3』 の映像と音が、ステージ上スクリーンに流されました。上映と言ったほうが良いかも。20数分の映像ながら、これが侮れない内容。ビートルズナンバーを、浜田省吾とツアーバンドが演奏する場面の映像です。かっこいいんですよね。多くの観客がトイレにも立たず、1曲終わるごとに拍手をしていました。オープニング時のMCで、「今日はイベントになります」と言っていましたが、これも "青春のジュークボックス" のテーマに沿った内容というわけです。





そして2部では、センターステージに移動しての演奏となりました。アリーナ中央に設置されたステージ上での演奏です。センターステージは2011年以来だそうです。

センターステージと言っても想像しにくいと思うのですが、例えるならば、相撲会場の土俵上での演奏というのが近いのかもしれません。360度、客で埋まっている状態です。それにしても、見る側としては新鮮ですが、演奏する側は360度からの大歓声ですからね。緊張するのではないでしょうか。同時に大きな高揚感も得られそうですが。



※ わかりにくいけど○印のとこがセンターステージね ( ^^)

僕が初めて浜田省吾のライブに行ったのは1981年。アルバム『HOME BOUND』がリリースされた、ブレーク前夜と言ってもよい頃です。今回はその『HOME BOUND』からは、「終わりなき疾走」「東京」「あばずれセブンティーン」「明日なき世代」「家路」の5曲が演奏されました。青春期の思い出が詰まった曲たちです。

大学では浜田省吾が好きだという友人と出会い、彼がいつも誘ってくれたおかげで、そこから卒業までに6回ほど浜田省吾ライブに行くことになりました。僕にとっての浜田省吾は、”青春のジュークボックス" と言うよりも、"青春のBGM” といったところでしょうか。

MCで浜田が「みんなカセットウォークマンの世代だろ」なんて言ってましたが、まさにその世代なんですよね。「MAINSTREET」をウォークマンで聴きながら、青春映画の主人公に成りきって街を闊歩する。 あるいは自分で選曲したカセットテープを女性に渡して、浜田が言うように「これが僕という人間なんだよ」とか、今思えば赤面するようなことをやっていましたからね。若さとは恐ろしいものです。

「いつかもうすぐ」「壁にむかって」「愛しい人へ」「青春の絆」「「ラストショー」「19のままさ」「君が人生の時」. . . . 。
好きな曲、想い出の曲はほとんどやってくれました。「路地裏の少年」がなかったのが少し残念でしたが。

昔ね。ロックが好きな友達の中には、浜田省吾のことを "愛と青春のハマショー" と言う人がけっこういたんですよね。明らかに揶揄するような言い方をする奴に、 "愛のない青春って何なの? 君は金だけの人間?" と言い返したことがあります。

というわけで "青春のBGM” 浜田省吾をいくつか。


終わりなき疾走
"俺は見つけたい。金で買えないものを”
浜田自身が "本当の意味でのデビューアルバム"と言っている『HOME BOUND』の冒頭に収録。やがて訪れる 「浜田省吾の時代」を暗示させる曲です。




壁に向かって
個人的には「路地裏の少年」と同じぐらいに好きな曲です。若さゆえの葛藤、行き場のない怒り、そして空回りのエネルギー。”からだかがめて奪い取れ” という歌詞には影響を受けました。




愛の世代の前に
1981年のアルバム『愛の世代の前に』の冒頭に収録された曲です。 父親が被爆者で被爆二世である彼は、核兵器をテーマにこの曲を8月6日に書いたそうです。
2022年のライブ映像です。鍛えられた体と衰えを知らぬ歌声。 浜田省吾はまだまだやってくれそうです。