![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230119/20/secondflight-0814/d5/69/p/o0983071915231965581.png?caw=800)
1月7日の記事、「ユー・アー・エヴリシング」に関連した記事として読んでいただけたらと思います。
70年代、日本でも人気となったフィラデルフィア・ソウル。とりわけ、日本で人気の高かったアーティストとして挙げられるのが、前回記事にしたスタイリスティックスと、今回とりあげるスリー・ディグリーズです。女性3人によるヴォーカル・グループというのは、歌だけでなくフッション、踊りの振り付けを含めて、ヴィジュアル的にもとても魅力的なスタイルなんですよね。スリー・ディグリーズは、フィリー・ソウルを代表する歌姫たちと言っても良いと思います。
スリー・ディグリーズの歴史は古く、結成は1963年となっています。 現在に至るまで、メンバーチェンジによって延べ15人が在籍したというグループです。 70年代半ばに、ギャンブル&ハフというソングライター / プロデューサー・チームの設立したフィラデルフィア・インターナショナルというレーベルに参加してから大ブレーク。 この時代のメンバー、ヴァレリー・ホリデイ、シーラ・ファーガソン、フェイエット・ピンクニーの3人が、グループ全盛期のメンバーとしてよく知られています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230120/20/secondflight-0814/59/80/p/o0956062715232375287.png?caw=800)
Valerie, Sheila & Fayette
1974年に「荒野のならず者」という邦題のついた曲がヒット。この曲は日本でも大ヒットしました。 ラジオでよくかかっていました。 テレビの歌番組にも出演してこの歌を歌っていたのも記憶しています。 ギャンブル&ハフのペンによる曲です。
このギャンブル & ハフ・プロデュースのアルバム『荒野のならず者 (The Three Degrees)』 こそが、フィラデルフィア・インターナショナルからのデビューアルバムであり、シングル 「荒野のならず者」 の大ヒットによって、スリー・ディグリーズは世界的に大ブレークとなったという事です。
ところで、西部劇のタイトルみたいな邦題を持つこの曲の原題は 「Dirty Ol' Man」です。この曲の和訳を見ると "汚い中年男" となっていて、歌詞の内容はと言えば "節操のない男ね“ とか "ちょっかい出すなら他の誰かにして!" とか、女性が男に言い放つ なんだかすごい内容。 さらにこの男は所帯持ちらしい。 曲の主人公である女性は、どうやら いやらしい中年オヤジに言い寄られている様子。 極めつけは "見るのはいいけど触らないで!” だって。 いったいどういう曲なんだ?!
当時は意味もわからず聴いていた、ただのガキタレでした (゜.゜)
Dirty Ol' Man
いやぁ、久しぶりにスリー・ディグリーズの動画を見ましたが、凄い魅力。 歌が良いのは言うまでもありませんが、ゴージャスでセクシーで、褐色の肌が野性的。 昭和的ガキタレの表現を使うなら 鼻血ブー!です。昭和男は今よりずっと純朴でした。 当時のまじめなお兄さんたちは、みんな彼女たちに犯られてしまったんですね。
すいません 変な方向の記事になってしまいました (^-^;。軌道修正します。日本では洋楽と言う枠を超えて人気となったスリー・ディグリーズ。 日本での人気のピークは、1974年に東京音楽祭で来日して、参加曲「天使のささやき」が大ヒットとなったあたりでしょうか。 これもギャンブル&ハフの曲。 これはいい曲ですね。 たまに無性に聴きたくなる時があります。疲れている時に聴くと、別の世界に連れて行ってくれるんですよね。
ギャンブル&ハフが、スリー・ディグリーズの育ての親のように言われるのは、フィリー・サウンドの特徴のひとつである、ストリングスやブラスによるオーケストレーションが、グループの持つゴージャスな魅力を引き出し、それを輝かせたからではないでしょうか。
When Will I See You Again
最後にもう1曲。 これはギャンブル&ハフ・チームによる曲ではありません。 1974年の来日時、スリー・ディグリーズは日本のスタッフの手によって3曲録音しています。「天使のささやき」の日本語ヴァージョン。 安井かずみ/作詞、筒美京平/作曲 による「にがい涙」。 もう1曲は 松本隆/作詞、細野晴臣/作曲、矢野誠/編曲という 「Midnight Train」です。
個人的に最も気に入っている曲は 「Midnight Train」ですね。驚きの作家陣に加え、演奏はキャメル・ママです。キャラメル・ママというのは、ティンパン・アレーの前身バンドです。メンバーは細野晴臣 (ベース)、鈴木茂(ギター)、松任谷正隆(キーボード) 等で構成されたユニット。当時 荒井由実をバックで支えていた演奏陣です。
レベルが高いんですよね。演奏技術だけでなくセンスがいいんですね。 センスというのは歌謡曲臭のしない洋楽的センスという意味です。これは日本産のフィラデルフィア・ソウルといっても良い曲です。素晴らしい!
Midnight Train
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230119/19/secondflight-0814/a7/d0/p/o0961096715231960482.png?caw=800)