ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実 | Get Up And Go !

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「ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実」。 現在公開中のドキュメンタリー映画です。ジョン・レノンの命日である12月8日に、池袋のシネマ・ロサにて観てきました。公開初日でした。

上映後には、ビートルズ研究家として知られる藤本国彦氏のトークショーも行われました。藤本さんの話されたことも含めて、この映画についてを記事にしてみました。 映画の内容がインタビュー中心なだけに、語り過ぎてしまわないように、そのあたりは少し抑えつつということで。
(★ネタバレ注意)

ジョンレノン 音楽で世界を変えた男の真実
(原題 : Looking For Lennon)

● 監督・編集 : ロジャー・アプルトン
◯ 監修 : ピーター・バラカン / 藤本国彦
(2018年 / イギリス)








ジョン・レノンを描いたドラマやドキュメンタリーはいろいろと観ましたが、今回はジョンの幼少時代、学生時代、ビートルズとしてデビューする以前の音楽活動時代に焦点を当ててのドキュメンタリーです。 “音楽で世界を変えた男” ジョン・レノンはどういった過程を経て形成されたのか。そこを探ろうという映画です。

ジョン自身が「子供時代が人物を作る。それは純然たる事実だ」と言ってます。 映画には幼なじみや美術学校時代の友人、まだアマチュアだった頃のバンド、クオリーメンのメンバー等が、当時のジョンについてを語っています。トークショーで藤本さんが仰っていたのですが、アップル公認の映画やヨーコ許諾のもとに作られたドキュメンタリーでは語られることのない、ジョンにとってはマイナスイメージになりかねないエピソードが本作にはあり、そこにこの作品の価値があるのだと思います。





例えばDVです。ジョン自身が 「僕はすぐに手が出る人間だった。口じゃうまく言えなくて、すぐに殴ってしまう。男とケンカして女も殴った」と、70年代のインタビューで語っています。 映画ではかつての友人たちが、ジョンの女性に対する暴力行為についてを証言していて、それが裏付けられたような形であらためてショックを覚えました。

またジョンは「だから僕は平和を訴えているんだ。愛と平和を求める人間ってのは、いちばん暴力的な人間なんだ」ともかつて語っています。 それは「ジョンがチャリティをたくさん行った理由は、若いときの悪行を償うためだ」と言う証言ともつながっています。





かと言って単純に粗暴な人間というわけでもなく、友人たちからはジョンの持つ繊細さも指摘されているんですね。このあたりが、天才にありがちな振り幅の大きさということなのでしょうか。ジョンとの付き合いづらさもかつての仲間たちが証言しています。 また一度信頼した人間に対しては仲間としてどこまでも大切にするということも。それがジョン・レノンという人間なんですね。

粗暴さと繊細さという、表面的には真逆にも見える2つの要素が共存する姿の中に、ジョンの本質があるのだと思っています。「イマジン」に代表される愛と平和を歌うジョン・レノンも、「コールドターキー」でヘロインの禁断症状を歌うジョン・レノンも、どちらも “ジョン・レノン” というひとりの人間の中に存在しているということ。「イマジン」のイメージばかりが巨大化してしまった自分を見て、「俺はそんな人間ではないよ」と、ジョンはあの世で言っているかも知れません。 これは僕個人の見解ですが。



THE BEATLES / Julia (1968)



映画では母ジュリアの事故死のことや、ポール・マッカートニーとの出会い、若くして亡くなった親友・スチュワート・サトクリフの話もエピソードとして出てきます。ジョン・レノンのファンにとっては見応えのある、そして新しい発見もある作品だと思います。
一番知りたいのは、この映画を観たポールの感想かな。
(^^) ♪