クリスティン・マクヴィー | Get Up And Go !

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フリートウッド・マックのメンバーとして知られるクリスティン・マクヴィーさんが、11月30日亡くなりました。 79歳。
短い闘病の後、家族に囲まれて安らかに息を引き取ったとのこと。

またひとり、ロックの歴史を彩った素敵なアーティストがあの世に旅立ってしまいました。彼女の生み出した楽曲は、質の高い洗練されたポップソングばかりです。ソングライターとしてはもちろんなのですが、シンガーとしても特別な声の持ち主でした。言うまでもなく、長年に渡ってマックを支えてきたすぐれた鍵盤奏者でもあり、才能に溢れたひとであったと思います。

60年代半ばにスタートした長いキャリアの中での、個人的に好きな曲をいくつか選んで記事にしてみました。





CHRISTINE PERFECT / I'd Rather Go Blind (1969)
エタ・ジェームスによる歌唱で有名な1967年発表のこの名曲を、クリスティン・マクヴィーはチキンシャック在籍時の69年にカバーし、シングルとしてリリースしています。クリスティン・マクヴィーの持つ声の魅力を引き出した曲とも言えます。同年に、イギリスの音楽誌 『NME』で、ベスト女性ボーカリストに選出されています。

チキンシャックというのは、60年代イギリスにおいてのブルース・ブームの時代に結成された、いわゆるホワイト・ブルース・バンドです。 彼女は67年に、キーボード・プレイヤー兼ボーカルとして加入。 69年のチキンシャック脱退後、初ソロアルバムを 『CHRISTINE PERFECT』 をリリース。 この曲はそちらにも収録されています。 フリートウッド・マックのジョン・マクヴィーとの結婚前の姓、パーフェクトを名乗ってリリースしています。

フリートウッド・マック加入後に大きく開花することとなる自身のポップ・センスを知ってか知らずか、この時代はブルース、R&Bを聴きまくっていたようです。もともと持っていた音楽的資質としては、メロディアスなポップセンスが先行するのでしょうが、このあたりが同時代のイギリスの女性シンガーたちとは、音楽的な奥行き・幅の広さと言った意味で一線を画すのではないかと思います。

このアルバムがCD化されたのが94年。 マック時代のクリスティン・マクヴィーはよく知っていても、クリスティン・パーフェクトのことを知らない人も多かったんですよね。





FLEETWOOD MAC / Say You Love Me (1975)
クリスティン・マクヴィーは70年、夫のジョン・マクヴィーの所属するフリートウッド・マックに加入。 ここからがマックの快進撃!とはいかず、いくつかのメンバー・チェンジを経ての75年のアルバム 『FLEEETWOOD MAC (ファンタスティック・マック)』 からが本格的なマックの時代に突入!となります。

77年のモンスター・ヒットアルバム 『RUMOURS (噂)』 は大好きなアルバムですが、その前作 『ファンタスティック・マック』も、同じぐらい好きなアルバムです。このアルバムから、アメリカ人のリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスがメンバーに加わり、黄金のラインナップが完成。 クリスティンを加えた3人ともがすぐれたソングライターであり、シンガーでありというラインナップ。 3人による化学反応という事なのか、クリスティン・マクヴィーもソングライターとしていよいよ開花! となります。

僕自身は、当時も今もクリスティン・マクヴィーの作る曲が、マックの中では一番好きです。彼女はポール・マッカートニーの大ファンであることを公言していますが、センスの良さはポールからの影響もあるのかもしれません。

ポールを感じる楽曲としては 「Say You Love Me」に最もそれを感じます。 曲の作り云々ではなく曲の持つ雰囲気と言うか、曲に宿る楽天性とでも言えばいいのか、わかりやすくポップなんですね。 そして温かみもあって。 いつも静かに微笑んでいる彼女の笑顔を思わせるんですよね。





CHRISTINE McVIE / Got A Hold On Me (1984)
80年代に入ると、スティヴィー・ニックス、リンジー・バッキンガム、そしてクリスティン・マクヴィーもソロアルバムを制作。 その彼女のソロアルバムを聴いて、クリスティン・マクヴィーはマックの音楽的要であり、ポップセンスは彼女にあったことがよくわかりました。

「You Make Loving Fun」「Don't Go」「Hold Me」「Songbird」「Everywhere」. .
あの時代のクリスティン・マクヴィーの好きな曲はたくさんあります。 84年のソロアルバムの中の1曲 「Got A Hold On Me」もとりわけ好きな曲のひとつです。

記事冒頭の写真のアルバム。 当時はまだアナログレコードの時代でした。 開けた大地に向かって、青い空に解き放つようにピアノを弾く姿。 このジャケットを見ながら聴くのが好きでした。














Christine McVie
July 12 1943 - Nov. 30 2022