ドーハの悲劇 あれから20年・・・ | Get Up And Go !

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先日、駅の売店で見かけて買ってしまいました。
『Number』 の 「ドーハの悲劇・20年目の真実」。 「ドーハの悲劇」 については、これまでスポーツ専門誌やテレビなどで何度も特集が組まれたりしていたし、もう語り尽された感もありますが、やはり買って読んでしまいました。もう、あれから20年経つのかって・・・

あまりに強烈な記憶として焼き付いているので、そんなに昔のことのようには思えませんよね。悲劇・・・ 確かにあれは悲劇だったなぁ と今さらながらに思います。


ドーハの悲劇。 知らない人のために簡単に・・・
いわゆる "ドーハの悲劇" が起きたのは、中東のカタールで行われた、アジアの代表を決めるためのサッカーW杯カップ最終予選でのこと。現在のようなホーム(本拠地) & アウェイ(敵地)で行う予選と違い、当時はセントラル方式と呼ばれる、一国に参加チームを集めてのリーグ戦によって行われていました。

初戦 引き分け(対 サウジアラビア)、2戦目 1-2 の敗戦(対 イラン) となり後がなくなった日本は、3戦目の北朝鮮を3-0で破り息を吹き返し、4戦目の韓国も1-0で撃破。 この時点でリーグ首位に立った日本は最終戦でのイラク戦を迎えることになります。そのイラク戦も2-1で、勝利寸前。試合時間も過ぎたロスタイムに相手のゴールを許し引き分け。僅かな得失点差で3位に転落した日本は、あと一歩のところでW杯出場を逃しています。


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私、サッカーに関しては、代表の試合しか観ないような、真のサッカー・ファンからすれば許せないような輩かも知れませんが、J - リーグが発足したあの頃は、ブームだったこともあってスタジアにもよく観戦に行きました。ほとんどが周囲の人間の誘いによるものでしたが f^_^;

そのJ - リーグ・ブームも手伝ってか、あのW杯予選は国民的な盛り上がりもかなりのものでしたよね。実際のところ、代表チームはオフト監督のもと着実に力をつけ、92年にはアジア・カップも初めて制し、期待も高まっていたと思います。

それまで、ワールド・カップなんて日本のサッカー・ファンからすれば別世界の出来事でした。それが次第に 「行けるかも」 となり 「行ける!」 に変わっていった頃です。そんなわけで不肖ヤン吉も、テレビで最終予選のすべての試合を観戦することとなったのです。(;^_^A


最初に思い出すのは、イラン戦でのゴン中山でしょうか。初戦引き分けで、この2戦目のイラン戦も終盤まで2-0で敗色濃厚。。その沈滞ムードの中での試合終了間近、中山が信じられない角度からのゴールを決め反撃。でも凄いのはそのプレーの後。相手からボールを奪うと、全力でセンターまで走り、チームに 「まだ終わってねぇぞ!」 とばかりに喝をいれたあの行動です。

試合は負けましたが、私はあれがチームに再び闘志を甦らせた呼び水のようなものであったと信じています。当時はサブで知名度もまだ低かった中山でしたが、テレビで観ていた国民の多くが 「この男は何なんだ!?」と驚いたはずです。


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次の試合。強敵であった北朝鮮戦でもゴンはゴールを決め、カズも2ゴール。チームは完全に甦った感じです。そして、当時日本にとっては常に大きな壁であった韓国もカズのゴールで撃破。カズが英雄になった瞬間です。あの勢いからすれば当時誰もが 「ワールカップに行ける!」 と信じたのではないでしょうか。

10月28日。最終戦はもう死闘です。相手も必死。「負けたら戦場行きだからな」 と言われていたという、サダム・フセインの国・イラクです。ラモスの言葉を借りれば「後半は目の色が違っていた」 とのこと。カズが先制ゴールを決め、同点にされた後の修羅場の中、またしても決めたのはゴンでした。そして勝利目前のロスタイムで・・・
あの瞬間。時が止まるってこういうのを言うんだろうなと。

油断とかそういうのではないと思います。テレビで見るかぎりでも、暑さの中 疲労しきった状況で、選手たちは100%以上の力を出していたと思います。今 思えば力が及ばなかった。あそこまでたどり着いたことがむしろ驚異的のようにも思えます。










2002年、日韓共催ワールド・カップ。中山が途中出場でピッチに登場したとき、実況が 「日本の魂」 と叫んでいました。、「良いことを言うなぁ」 と思ったと同時に、「そうだよ、俺たちの代表チームには魂があるんだ! 」 と誇らしい気持ちになりました。

でもドーハ戦士たちには、その 「魂」 みたいな選手がゴロゴロいたんですよね。ラモス、柱谷、井原・・・ ラモスは 「神が与えた試練」 みたいなことを言ってますが、それでもやはり見たかったなぁ と思うのです。
オフト率いるドーハ戦士たちがアメリカで戦う姿を。


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