ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロードの長く曲がりくねった道のり | Get Up And Go !

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ザ・ビートルズ
THE BEATLES

『 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード / The Long And Winding Road 』


1970年6月、全米で2週間1位を記録。アルバム 『LET IT BE』 に収録。ポール・マッカートニーによって作られたバラード・ナンバーです。

今回はビートルズの名曲を。題して「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード の長く曲がりくねった道のり」。でもこれじゃ長すぎ。そんな訳で略して・・・

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 物語
ということで(最初からそれにしろってか)。ビートルズの数多い名曲の中でも、この曲ほど長く曲がりくねった道のりを経たナンバーはないでしょう(しつこい)。崩壊していくビートルズのそれまでの活動を例えた曲とも、あるいは心の離れてしまったジョン・レノンへのポールからの呼びかけの曲とも言わています。

この「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 とアルバム 『レット・イット・ビー』 誕生に際しては有名な経緯があります。

もともとは 『ゲット・バック』(原点に返る)というコンセプトのもと、装飾を排したアルバム作りを試み録音されたものでしたが、出来上がったテープは散漫な出来であったため、メンバーは自分たちの手による完成に興味を示さず、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンはアルバムの完成をフィル・スペクターの手に委ねます。そうして完成されたのがアルバム 『レット・イット・ビー』 です。


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アルバムはスペクターの手によって、オーケストラと女声コーラスがオーヴァー・ダビングされ、本来のコンセプトとはまったく違ったものになります。その最たるものが、ポールがシンプルなピアノ・バラードとして作り上げた 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 です。

ポール・マッカートニーは豪華絢爛に化粧を施された 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 に対し、激しく嫌悪したそうです。


ウイングス・USA・ライヴ!
次の 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 は、1976年発表のウイングスによる全米ツアーを記録したライヴ盤 『WINGS OVER AMERICA』 によるものです。このライヴ・アルバムは当時かなり聴き込みました。ウイングスの全盛期、メンバーも最高だし70年代のライヴ・アルバムを代表する1枚だと思います。

このライヴで、ポールはビートルズ解散後封印していたビートルズ・ナンバーを解禁します。「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 はシンプルなピアノ・バラードとなり、抑えた管楽器のアレンジも秀逸。「ポールはこんな風に演りたかったんだな」 と誰もが納得したんですけど。この時は・・・






ヤァ!ブロード・ストリート
次に聴いたのが、ポールが脚本、主演、音楽を手がけた1984年公開の劇場用映画 『ヤァ!ブロード・ストリート』 のサントラ盤に収録されたヴァージョンです。個人的には、これはちょっと・・・です。確かにスペクターのほどこした化粧とは違うけれど、「ポールさん、シンプルなのが好みだったんじゃないの?」 と言いたくなるアレンジです。まぁ 映画音楽として考えれば、ありとも言えますが、ちょっと作為的すぎるのでは。このアレンジに対しては、当然のことながら賛否両論でした。





レット・イット・ビー ・・・ネイキッド
そして2003年にリリースされたのが 『ネイキッド』 のヴァージョンです。素のままの 『ゲット・バック・セッション』 のテープから、あらたに作り直したのがこのアルバムです。因縁の 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 は、本来意図したシンプルなピアノ・バラードとなり、ポールにしてみたら悲願達成といったところなのではないでしょうか。

しかしポールの執念は凄い!現在でもフィル・スペクターによる正規のヴァージョンを認めていないポールは、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 を本来自分が意図したヴァージョンにするために、『ネイキッド』 を制作したのではないか。そんな風にも思ってしまいます。

1997年。イギリスの音楽賞・Qアワードの授賞式でポールはフィル・スペクターと遭遇。スペクターが受賞の際、「スペクターが合唱団を重ねる前に帰って、新曲を録音しなくちゃ」 と、ジョンも真っ青の強烈なジョークを飛ばし会場を後にしたそうです。






でもって本題です。
ポールがソロになってからのヴァージョンはまた別にして、ビートルズのどちらのヴァージョンがあなたは好きですか?ってことです。音楽評論家などは 『ネイキッド』 のヴァージョンを支持するひとが多かったような。でもフィル・スペクター好きで有名なある評論家は 『ネイキッド』 ってそんなに良いか? とアルバム 『レット・イット・ビー』 でのスペクターの仕事を評価しています。
僕もフィル・スペクター・フリークですが、どちらも好きです。でも拳銃を突きつけられて「どっちかにしろ!」 と言われたら(スペクターにじゃないですよ)、フィル・スペクターによるヴァージョンを選びます。

って訳で、最後はこちらの 「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」 にさせていただきます。

















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