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エリック・クラプトン & イヴォンヌ・エリマン
ERIC CLAPTON & YVONNE ELLIMAN
『プレゼンス・オブ・ザ・ロード / PRESENCE OF THE LORD』
今まで知ることのできなかった
生きる道を ようやく見つけることができた
私が与えられるものが
多くはないことをわかっているが
心の扉を開くことはできるから
みんな 秘密を知っている
真実を知っている
神の導きの中で
生きる道を ようやく見つけた
I have finally found a way to live
Just like I never could before.
And I know I don't have
I don't have much to give Lord
But soon I'll open up any door
Everybody knows the secret
Everybody knows the score
I have finally found a way to live
In the presence of the Lord.
初出は1969年発表、エリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッドらによるスーパー・グループ、ブラインド・フェイスのアルバム 『BLIND FAITH (邦題;スーパー・ジャイアンツ)』 収録された名曲としておなじみのナンバーです。
今回は75年発表のエリック・クラプトンのライヴ・アルバム 『E.C.WAS HERE (邦題;エリック・クラプトン・ライヴ』 収録のヴァージョンを、名曲/名演としてとりあげたいと思います。
![$Get Up And Go !-EC WAS HERE.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20130402/22/secondflight-0814/d9/04/j/t02200220_0500050012485196298.jpg?caw=800)
若き日のクラプトンは 「苦悩」 の人です。
音楽性/人間性の問題からバンドを脱退したり解散したりはまだ序の口。アメリカ音楽への憧憬から自分がイギリス人であることや、ブルースへの傾倒により自分が白人であることへの劣等感を持ったり、。またライバルであり友でもあるギタリストの死(ジミ・ヘンドリックス、デュアン・オールマン)により、生き残ったことへの負い目を感じたり。そして止めとしては、親友(ジョージ・ハリスン)の妻への激しい恋ごころ。ここまで揃えばドラッグ漬けにもなるか. . . 。
しかしこの人は友達にも恵まれているようで(芸は身を助けるということね)、THE WHOのピート・タウンジェントらの助けにより長い隠遁生活からライヴで復活。 私生活の面でも親友の妻(言うまでもなくあの「レイラ」のパティ)との恋も成就させ、そして名盤 『461 オーシャン・ブールヴァード』 へと繋がっていきます。
このライヴは、そんな頃の74,75年のライヴを記録したものです。
この 「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」の歌詞の持つ意味は、クラプトンにとってブラインド・フェイスの頃とは少し違います。
この頃のクラプトンの代名詞であるレイドバック・サウンドやパティ・ボイドとの幸福な生活は 「ようやく見つけた生きる道」 であり、「神の導き」のように思えたはずです。
この名演のアレンジ。物語への静かな導入に始まり、厳しかった季節の回想(ハードなロック)へと展開し、そして安息の地へとたどり着く。ちょっと出来すぎな物語です。
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E.C and "Layla"
この曲への貢献度の大きさとしては、ディック・シムズのオルガンがあげられます。「Lord (神) 」 という言葉の響きに合うオルガンの音色による抑えたプレイは、歌ものバラードはこうやって弾くんだという見本のような演奏です。
もうひとつはイヴォンヌ・エリマンによるソウルフルな歌唱です。ドラマチックな展開に、さらにエネルギーを与えた素晴らしい歌声です。
このアルバムを初めて聴いた高校生の頃、音楽誌 「ミュージック・ライフ」 で彼女の写真を見て 「クラプトンのバンドに日本人がいる」 と思ったのを記憶しています。実際にはハワイ出身の日系ですが、のちにソロでもヒットを出し広く知られる事となりました。アルバム 『E.C WAS HERE』 では、こちらもブラインド・フェイスでおなじみの 「キャント・マイ・ウェイ・ホーム」 でも素晴らしい歌声を聴かせてくれます。
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2011年11月。イヴォンヌ・エリマンは36年ぶりに来日をし東京でライヴを行っています。12月にはクラプトンは、スティーヴ・ウィンウッドと共に来日し、「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」 をふたりで演奏しています。