ロックショウ | Get Up And Go !

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昨日(5/17)、TOHO シネマズ六本木ヒルズにて上映された 『ポール・マッカートニー & ウイングス ロックショウ 』 を観てきました。まもなくDVD化発売されるのを記念しての上映会です(ロンドンでは5月15日にプレミア上映されたらしい)。この映画が最初に公開されたのが1981年。私個人は実に32年ぶりです。歳を取るとすぐに感慨にひたってしまうのですが、やはり感慨にひたってしまいました。というわけで今回は、『ロックショウ』 について個人的な思い出を絡めながら記事にしてみました。

この映画はビートルズ解散後の1971年に、ポール・マッカートニーによって結成されたバンド、ウイングスの76年の全米公演をとらえたロック・ドキュメンタリーです。ツアーのクライマックスとなった6月10日、シアトルのキング・ドームに6万7千人を集めてのステージを中心に収録されています。

「ヴィーナス・アンド・マース ~ ロック・ショウ」 での光の反射する美しいシャボン玉による演出に始まり、バリ・ライトやレーザーを駆使した視覚的効果も素晴らしい中で演奏されたビートルズ・ナンバーを含めた全30曲は、圧巻のロック・エンターテイメントです。今回リマスターされた最新デジタル映像によって、ロックするポールの表情はより生々しく迫ってきます。
と まぁ お決まりの紹介文はこのへんにしておきます。『ロックショウ』 の内容に関してはすでに多くのブログ記事が書かれているだろうし、DVD発売に向けてさらに増えていくでしょうし。






『1981 ロック・ショウ』 の思い出
1981年、大学時代に新宿でこの映画を観ました。平日だったこともあり、客は10人にも満たないガラガラの状態でした。というよりあの頃、日本でのポールの人気は底にあったのではないかと思います。

映画公開の前年、1980年1月の来日公演は、入国の際に成田の税関で大麻不法所持によりポールは現行犯逮捕。公演は中止になりました。76年の来日の際にも、麻薬所持の前科により来日許可がおりずに中止になっています。私、80年のチケットは知り合いのツテをたどって入手していたのですが、とても信じられない気持ちでした。。そして時間が経つにつれて多くのファン同様、怒りがこみ上げてきたんですね。76年の時は、世間は概ねポールに対して同情的だったのですが、あの時はマスコミはもちろん多くのファンからの批判にもさらされていました。ポール&リンダ夫妻と親交のあった水上はるこさん(元ミュージックライフ編集長)まで辛辣に批判していたのをよく憶えています。


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ある意味、"ビートルズのポール" は日本でも 「神」 だったんですね。私にとっても本当に 「神」 のような存在でした。その聖域は破られ、当然 "裏切られた!" の声が堰を切ってあふれ出したのです。あの頃の音楽界は、テクノやパンクから派生したニューウェイヴも出現し、ポールのようなオーソドックスなポップ・ミュージックは古く感じられてもいたので、それも逆風となったのかもしれません。同年にリリースされたポールのアルバム 『マッカートニー Ⅱ』 などはポールが時代に迎合しているようで当時は嫌いでした。

でも『ロックショウ』 はやはり観にいったのです。「えっ今さらポールかよ!」なんて言う音楽仲間もいたのですが、まぁ 惚れた弱みってことです。戦後の日本のジャズメンたちが 「アメちゃん、戦争に負けて悔しいけどやっぱり俺ジャズ好きだよ」 と言っていた気持ちがわかります・・・・ あっ コレちょっと違いますね (・・。)ゞ


『マッカートニー Ⅱ』 も今ではポールの音楽の一部として受け入れています。オーソドックスなポップ・ミュージックと書きましたが、アメリカン・カントリー、ヴォードヴィル調、ハード・ロック・・・・何だって自分の音楽として普遍的な音楽に仕上げてしまう。それがやはりポールの魅力なんだな と今回の映画を観てあらためて思いました。そして現在のほうが雑念なく音楽映画として堪能し、純粋に楽しんでいる自分を感じたのでした。

で 当時はざらついたフィルムで観た映像がこんなにもクリーン・アップされて、音響も比較にならないぐらいの素晴らしさ。生きてて良かった! と やはり比較にならないぐらいすわり心地のよい座席に身を沈めながら、オジサンは遠い目をして感慨にひたるのでした。 








WINGS / Silly Love Songs from "ROCKSHOW" (1976)
1976年、ポール・マッカートニーは、ビートルズ以来10年ぶりの全米ツアーを行う。そして 「誰が何と言おうとオイラ ラヴソングを歌い続けるかんね!」 宣言とも言えるこの曲は、ツアー中の5月に全米1位を獲得。1976年 ビルボードの年間シングル・1位にも輝きました。今回の映画の本編冒頭でのポール自身のあいさつの中で、この曲についての思い出を語っています。